NZ/円、上値余地が限られる展開。76円割れの越週で一段の下落リスクが点灯。
7月14日、NZ準備銀行は政策金利(オフィシャル・キャッシュレート)を市場の予想通り、0.25%に据え置きましたが、大規模資産買い入れプログラム(LSAP)に基づく追加的な資産購入を7/23までに停止すると発表、債券買い入れ停止は予想外で、年内の利上げ観測も台頭して、NZドルは対米ドル、対円で一時急伸しました。また、16日に発表された4-6月期のNZCPI(消費者物価指数)は前期比+1.3%、また、前年同期比でも+3.3%といずれも市場予想を大きく上回りました。
これらの指標を受けて、NZドルは対米ドル、対円で上昇しました。しかし、13日に発表の米CPIが予想比で大幅上昇したことや、15日に発表されたNY連銀製造業景気指数が過去最高の伸びを示し、金利が上昇しましたが、パウエルFRB議長が、13日、14日の上下両院で「インフレ上昇は一時的、緩和縮小の条件を満たすには程遠い」と繰り返し発言したことから、10年債利回りが1.42%から1.30%台に低下するなど、荒っぽい動きとなっており、リスクオフのドル買いもやや強まる中で、NZドルは対米ドル、対円で底堅さがみられるものの、上値も抑えられる展開となっています。
チャートを見ると、日足は7/8に付けた75.98を直近安値として下値を切り上げていますが78円台乗せにも失敗しており、短期トレンドの変化は認められません。78.30超えで引ければ3/24に付けた75.63との二番底を確認した可能性が高くなりますが、この場合でも78.80超えで越週するまでは下値リスクを残します。日足の上値抵抗は77.40-50,78.00-10に、下値抵抗は76.80-90,76.50-60,76.00-10にあります。21日、移動平均線は77.44に位置しており、若干下抜けていますが、“ダマシ”の範囲内です。また120日線は77.69にあり、短期的な上値抵抗として働く可能性があります。しかし、200日線は75.63にあり、中期トレンドをサポート中です。
一方直近の週足は、上下にヒゲのある陰線引けとなり、続落して越週しました。76円台の下値抵抗を守っていますが、昨年3月に付けた59.51を基点とする中期的なサポートラインからは下抜けた位置にあり、下値リスクが高い状態に変わりありません。76円台を守って反転上昇の流れに乗せる可能性がありますが、この場合でも週足が78.80超えで越週するまでは、上値余地も拡がり難いでしょう。週足の上値抵抗は77.60-70,78.10-20,78.40-50に、下値抵抗は76.00-10,74.00-10にあります。31週、62種移動平均線は76.94と73.47に位置しており、中期トレンドは“NZ強気”の流れを変えていません。但し、76円割れで越週した場合は74円方向への新たな下落リスクが点灯します。
7/15現在、31週移動平均線は76.94に、また62週線は73.47にあり、中期トレンドをサポートしているが、76円割れで越週した場合は一段の下落リスクに要注意。
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