FRB議長の議会証言注視、ドル高再燃なるか
〇ドル円、ドル買いが先行し110.70と直近の戻り高値を更新したが反落し夕方には110.40-45へ下げる
〇テクニカルには21日移動平均線にドル高進行が阻まれる、上限を目指すドル高の動きが続くか注視
〇オランダや韓国、メキシコで感染者急増、韓国はコロナ報道を嫌気したウォン売りが見られた
〇本日発表の米6月生産者物価指数やパウエルFRB議長の証言に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ110.10-110.90
<< 東京市場の動き >>
14日の東京市場はドルが小安い。直近の戻り高値を一時更新したものの続かず、その後は逆にドル売りが優勢だった。
ドル/円は110.60-65円で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。110.70円レベルを付け、直近の戻り高値を更新している。しかし、勢いは続かず反落に転じると夕方には110.40-45円へ。日米株価の冴えない動きなどをにらみつつ、リスク回避と思しき円買いの動きも観測されていたようだ。ドル/円は16時現在でも日中安値圏の110.40-45円で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「東京五輪」と「新型コロナ」について。
前者は、開幕までいよいよ10日となるなか、様々な報道が観測されている。たとえば、23日の開会式について、米国はバイデン大統領が不参加となる代わりにジル夫人が来日することが正式に決定。また、広島県知事の歓迎発言もあり、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は16日に広島市を訪問するほか、別日に福島県と北海道札幌市を訪問する意向を表明している。
対して後者は、英国が19日からのコロナ抑制措置解除方針を示すなか、世界的には正反対ともいえる政策をとる国も見られた。実際、豪州は最大都市シドニーのロックダウン措置を「30日まで2週間再延長する」と正式に発表。またオランダや韓国、メキシコなどで感染者が急増しているとの報道も観測され、うち韓国についてはコロナ関連報道を嫌気した通貨ウォン売りが為替市場で散見されていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は昨日欧米時間に110.60円台まで続伸。本日東京では110.70円レベルを示現するも、ともにテクニカルには移動平均の21日線にさらなるドル高の進行が阻まれたようだ。いずれにしても、大きな意味ではレンジ内だが、その上限を目指したドル高の動きがいましばらく続くか否かを注視しておきたい。
市場の関心は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向。昨日欧米時間に発表された6月の米消費者物価指数は2008年8月以来となる高い伸びを示したが、為替市場のドル高傾向は短命にとどまった。その理由のひとつは好指標だったにもかかわらず、米長期金利がさほど上昇しなかったためとされている。本日も6月の米生産者物価指数の発表や、パウエルFRB議長による半期議会証言などが予定され、それらが注視されているものの米金利への影響、延いては為替市場への影響は果たしてどうなるのか注目だ。
テクニカルに見た場合、ドル/円はレンジを広めにとった109.50-111.70円のなかで一進一退。とくに足もとは、居心地の良い中央付近での推移となっている。
一方、視点を変えると移動平均では前述したように、21日線がドルの上値を阻んでいる感がある反面、109円半ばまでじりじりとレベルを切り上げている90日線が逆にドルの下支えとなる可能性が取り沙汰されていた。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、6月の生産者物価指数が発表される予定。昨日の消費者物価指数が上振れしただけに、本日の指標についても期待感を抱いているようだ。また、米地区連銀経済報告の公表やパウエル議長の証言、シティグループなどの決算発表も予定されており、注目要因が目白押しだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.10-110.90円。引き続きしっかりと上回ることのできない移動平均の21日線をめぐる攻防にまずは注目。超えれば111円台回復が視界内に。
対するドル安・円高方向は、ここ数日ドルの下値は連日切り上がっており、そのパターンが崩れるか否かに注目したい。そうした意味では昨日安値110.20円が最初の下値ポイントか。ただ下回っても110円前後はかなり底堅そうだ。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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