NZ中銀の金融政策記者発表要旨(7月14日開催分)
本日のNZ金融政策で、中銀はオフィシャルキャッシュレート(OCR)を現行の0.25%に据え置きましたが、債券購入を7月23日で終了する旨、合意しています。先進国では最初にテーパリングを決定しました。
以下はNZ中銀金融政策記者発表要旨です。
(要旨の一部和訳)
金融政策委員会は、中期的に消費者物価や雇用目標を達成する為、現行の金融手段の刺激水準を引き下げることで合意した。
準備銀行は巨額債券購入プログラム(LSAP:Large Scale Asset Purchase programme)の下での追加資産購入を2021年7月23日までに停止する。委員会はオフィシャルキャッシュレート(OCR)を0.25%、貸出プログラムのための資金提供(Funding for Lending Programme)をそれぞれ据え置くこととした。
世界経済見通しは、NZの輸出商品に対する継続的な価格支援を伴いながら、改善を続けている。世界的な金融・財政策は、経済活動回復の支援のため、まだ緩和的である。多くの国でワクチン接種率の上昇は更なる経済的な刺激をもたらしている。しかしながら、幾つかの地域でCovid-19拡散防止措置を復活させる必要性が、ウイルスによりもたらされた世界的な健康や経済リスクを目立たせている。
最近のデータを見ると、国際的な国境制限の継続的な影響にも関わらず、NZ経済が強い状態を保っていることを示している。全ての経済活動がCovid-19以前よりも超えている。家計消費や建設活動は高水準になり、成長を続けている。企業投資は稼働圧力や労働不足に対応しており、経済信頼感の指標は改善を続けている。
委員会は6月末・9月末期の消費者物価インフレが短期的に急上昇することを繰り返し述べている。これらは、本質的に1回限りの要因、例えば高い原油価格や、この期間内の一時的要因、例えば供給不足や輸送コストの上昇などの影響を反映している。
委員会は、今後更なる厳しい経済的ショックが無ければ、国内の稼働圧力の高まりや労働不足の上昇により、消費者物価インフレ圧力が次第に高まってくると予想することで合意した。しかしながら、委員会は、とりわけ過少労働利用率に関する報告、緩やかな賃金の伸び、確りと(金融政策により)繋ぎ留められた期待インフレ等、中期インフレに向かうコストに関しそのペースやその大きさに関する不確実性が依然として残っていることを指摘した。
委員会は、幾つかの現行の継続的金融支援が無ければ、中期インフレや雇用が移行中の目標を下回ったままになろうと指摘した。しかしながら、委員会は金融刺激策の水準が、使命を満たさないリスクを最小限に抑えることができると合意した。
(以上)
(注)NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。(出所:NZ中銀HP)
NZドル米ドル相場は、金融政策発表前に対米ドルで0.6960ドル付近でしたが、0.7024まで買われ現在も0.70台を維持しています。昨日の金融政策予想内で「現在の相場は0.6920〜0.7080のディセンディングトライアングル内での推移」としましたが、まだそのトライアングル内に留まっています。昨日の違い、現在は上値をトライする流れになっています。
今日から始まる、米国ベージュブック、NY連銀製造業景況指数、鉱工業生産指数、あるいは小売売上高などの材料で、レンジ上下をトライすることになりそうです。上値を越えた場合は0.7110〜20、0.7150〜60に抵抗線が控えています。下限切れた場合は0.6880、0.6830〜40、0.6800の順にサポートがあります。
(7月14日14:50、1NZドル=0.70156米ドル)
次回のNZの金融政策は2021年8月18日(水曜日)に予定されています。
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