米物価指標発表や企業決算に要注意
〇ドル円、狭いレンジ取引ながらも一時110.45まで値を上げ前日戻り高値を更新
〇明確な方向性乏しく110円台を中心とした一進一退が続く可能性
〇米企業の決算発表を警戒、NYダウやナスダックなどの動きにも注意
〇本日発表の米6月消費者物価指数を注視、事前予想前月比+0.4%、前年比+4%超と高い伸びの可能性
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ110.00-110.80
<< 東京市場の動き >>
13日の東京市場はややドル買い優勢。一時110.45円レベルまでの戻りを達成したものの、上値は重く値幅も限られた。
ドル/円は110.35円前後で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。値幅は20ポイントにもとどかなかった。しかし狭いながらも、前日記録した戻り高値を更新する110.45円レベルまで一時値を上げるなど、ドルは小じっかり。終値ベースで150円ほど続伸して大引けた日経平均など日米株価の動きをにらみつつ、16時現在では110.30-35円で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「原油市況」と「新型コロナ」について。
前者は、5日に実施する予定だったOPECプラスの閣僚級会合は延期となったが、いまだに再開の見通し立たず。ロイターは「サウジアラビアとUAEの対立緩和に向けた動きが進んでいない」としたうえで、今週再開される公算は低いと指摘していた。そうしたなか、ロシアサイドから、9日に行われた米露首脳の電話会談では「OPECプラスや国際原油価格は議題にならなかった」との発言が聞かれており、状況はさらに悪化する危険性もジワリと取り沙汰されている。
対して後者は、スペイン当局がコロナ感染者について「2週間で3倍超になった」と発表。またオランダ首相からは、抑制策解除後のコロナ感染急拡大を謝罪するコメントが聞かれている。一方、英国ではジョンソン首相が「感染者数は増加しており、パンデミックは終息していない」としつつも、コロナ抑制措置を19日に解除する方針を改めて示していた。共生・共存やむなしといったところだが、果たして上手くいくのだろうか。なお、日経新聞によると、4度目の緊急事態宣言下、東京五輪の「選手村」が本13日に開村する見込み。約200ヵ国・地域から約11000人の選手を迎える予定だという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は本日東京で110.45円レベルを付け、直近の戻り高値を更新するも大きな意味ではレンジ内。実際、2日高値111.66円と、8日安値109.53円のちょうど真ん中あたりでの推移だ。明確な方向性は依然として乏しい。いましばらくレンジ取引、110円台を中心とした一進一退が続く可能性がある。
市場の関心は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向。そうしたなか本日は発表される米消費者物価指数への注目度が高いうえ、本格的なスタートを切る米企業の決算発表を警戒する向きも見られている。ちなみに、後者でいえば金融大手のJPモルガン・チェースや、ゴールドマンサックスが本日決算を発表する見込みで、史上最高値更新をたどるNYダウやナスダックなど米株価の動きとあわせ注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は短期的な上値と下値をともに確認した感を否めず、目先は中段保ち合いか。レンジ的にはやや広いものの、109.50-111.70円といったなかでの変動がしばらく続いても不思議はない。
ただ、敢えてリスクを指摘すれば、上方向よりも下方向。ドル安進展により、レンジの下限割れを警戒する向きが少しずつ増えつつある。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、6月の消費者物価指数が発表される予定。事前予想値は前月比プラス0.4%、前年比プラス4%超で、前月に続きかなり高い伸びになるもようだ。実際の数値はもちろん、発表前後の米金利情勢にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.00-110.80円。先週8日に下回って以来、本日東京でもドルの戻りを抑制した感のある移動平均の21日線、110円半ばめぐる攻防にまずは注目。超えれば111円に接近も。
対するドル安・円高方向は、同じ移動平均の90日線も近くに位置している先週安値109円半ばがかなり強いサポート。また、短期的には心理的な意味合いから110円前後の攻防も注視されている。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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