米6月消費者物価指数(CPI)予想
本日(13日)、米国6月消費者物価指数(CPI)が公表されます。前回(6月10日発表)は予想を上回る数値となりましたが、その翌週にFOMCを控えており利益確定のドル売りとなりました。そのFOMCでは2023年に2回の利上げ予想との内容や7月2日の雇用統計でドルは111円66銭の高値を付けました。その後は大幅な米金利軟化にドルは109円台半ばまで反落し110円台前半で推移しています。
今日の数値(年率)が予想レンジ上限よりも越えた場合に、米10年債金利が再び1.40%を越えて金利高方向に行くのかが注目されます。逆に下限レンジ以下の場合は、金利軟化が予想され、為替にはドル売りの反応となりそうです。
2021年7月13日10時現在予想:
(1)米国消費者物価指数(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ、青は0.6%)
上記チャート(1)を見ると、過去の高値を結んだ青(0.6%)の横線よりも下に潜り込んできています。
下記チャート(2)では赤(2%)の横線がFRBインフレ目標値となっており、CPIコアもPCEコアも、FRBのインフレ目標値を大きく上回っています。6月予想も年率コアでは5月よりも高くなり、万一発表結果が予想を越えると、6月PCEコア(オレンジ色)も上振れする可能性が高くなります。その場合はインフレ一時的の見方は第3四半期に持ち越しとなりそうです。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値2%、緑より右は今回予想値)
注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。)
下図はドル円の日足チャートです。年初からのドル高トレンドラインA(=110円60銭)を遂に先週下抜きました。短期ではドル安リスクが高くなっています。目先はまだドル高地合いの余韻が残っているので、暫くAを抵抗線にしたドル買いがでる可能性があります。そしてこれまでのドル高を維持するにはA以上を回復して終わり、かつB(=111円70銭)方向へのトライが必要になります。
逆に、このまま再度ドルが110円を割れて終わった場合、まず横サポートのC(=108円50銭)とダブルボトムのD(=107円50銭)が下値目途としてあります。
今週は消費者物価指数を皮切りに、ベージュブック、NY連銀製造業景況指数、鉱工業生産、設備稼働率、小売売上高などの指標が控えており、仮に結果が強弱まちまちとなっても、悪い数値に反応するのか、良い数値に反応するのかを見極めたいと思います。
(7月13日13:40 1ドル=110円39銭)
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