約2ヵ月ぶり安値圏へ続落。来週もダウンサイドリスクに要警戒
〇今週の南ア円、7.82まで上昇後南アでのコロナ感染拡大、指標不冴え、商品安等で急落
〇週後半にかけ約2ヶ月ぶり安値7.60をつける、週末にかけては反発し7.72で越週
〇ランド円テクニカルには90日線で下げ止まるも、地合いの悪化印象付けるチャート形状
〇ファンダメンタルズも感染拡大に加え、貴金属の下落、インフレリスク等ランド売り材料多い
〇南ア円続落をメインシナリオとして予想、来週の予想レンジ(ZARJPY):7.50ー7.85
今週のレビュー(7/5−7/9)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.78円で寄り付いた後、翌7/6に週間高値7.82円まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線や雲上限に続伸を阻まれると、@南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大懸念(新型コロナウイルスのワクチン接種の遅れ)や、A南アフリカ経済の先行き不透明感(南ア6月スタンダード銀行PMIは市場予想を下回る冴えない結果)、B世界的な株安および商品市況の下落、C上記Bを背景としたリスク回避の円買い(対エマージング通貨)が重石となり、週後半にかけて、5/6以来、約2ヵ月ぶり安値となる7.60円まで急落しました。もっとも、90日移動平均線に続落を阻まれると、週末にかけて反発し、結局7.72円前後まで持ち直しての越週となっております(但し、週足ベースでは2週連続の陰線引け)。
来週の見通し(7/12−7/16)
南アランド円相場は、6/7に記録した約2年4ヵ月ぶり高値8.17円をトップに反落に転じると、今週後半にかけて、一時7.60円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線や一目均衡表雲上限を下抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となっております(今週は90日移動平均線と一目均衡表雲下限が位置する7.60ー7.70ゾーンでひとまず下げ渋る動きとなりましたが、仮に同水準を下抜けた場合、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が点灯する為、南アランド円相場が一段と下げ足を速める恐れあり)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@米年内テーパリング観測を背景とした過剰流動性相場の逆流リスク(南アフリカの主要産品である貴金属市場の下落→南アランド下落の波及経路を想起)や、A南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大懸念(ワクチン接種の遅れ)、B南アフリカ経済の先行き不透明感、C南アフリカにおけるインフレリスク(実質金利低下→南アランド売り)など、南アランド円相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は7/14に発表される南ア5月小売売上高に注目が集まります。市場予想を下回る冴えない結果となれば、南アフリカ経済の先行き不安を織り込む形で、南アランド円相場がもう一段下落する恐れもあり、来週もダウンサイドリスクに引き続き注意が必要でしょう(一目均衡表雲下限および90日移動平均線を割り込む展開を想定)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.50ー7.85
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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