NY休場もあり小康、基本小動きか
〇ドル円、日銀総裁の発言などもあったが影響は限定的で上値が重たく111円台前半を中心とした動き
○週末の東京都議選は自公が過半数に届かず遅くとも今秋までに実施予定の衆院選に懸念
〇OPECプラスでの8月以降の減産態勢協議は折り合わず、5日の再議論に注目
〇本日NY休場で目立った米経済指標や要人による講演はないが明日以降の米経済指標などには要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ110.70-111.40
<< 東京市場の動き >>
週明け5日の東京市場はレンジ取引。底堅さはうかがえるものの上値も重く、結局111円台前半を中心とした一進一退で終始している。
先週末、中国外相が北京における世界平和フォーラムで、「現在の中国はもはや100年前と同じ国ではない」と発言したとして話題に。また、日本で実施された東京都議選は自公が過半数に届かない惨敗を喫し、遅くとも今秋に実施される衆院選が懸念されていた。
そうした状況下、ドル/円は111円前後で寄り付いたものの、積極的な動意が乏しい。本日はNY市場が米独立記念日の振替休日、土日とあわせ3連休となることもあってか売買はおおむね手控えられた。途中、日銀総裁による発言なども聞かれたが、影響は限定的で、終わってみれば20ポイント強のレンジ取引。16時現在、ドル/円は寄り付きと同じ111円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「OPECプラスをめぐる動き」について。
前者は、前述したフォーラムで中国外相がさらに、香港・台湾問題への介入拒否姿勢を示すコメントを発したほか、「世界の海洋生態環境と人々の生命・健康に関わる問題だ。国際社会の懸念に耳を傾けよ」などとし、福島原発処理水放出と絡め日本を強く批判。挙句は米国のインド太平洋地域での取り組みにも言及、「冷戦思考の復活であり歴史の後退だ。ゴミ箱に捨て去るべきだ」と主張するなど、放言を連発している。そうしたなか、米CNNは「中国が大規模なミサイルの地下格納庫網を建設していることがわかった」と指摘。一部で物議を醸していた。
対して後者は、週末に石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国でつくる「OPECプラス」で、8月以降の減産態勢を協議したが折り合わず。ちなみに、イラクはOPECプラスの「減産規模縮小・期間延長」への支持を表明した反面、UAEが8月以降の減産規模縮小は支持したものの、協調減産延長については難色を示し決定先送りを提案したという。いずれにしても、改めて会合を開くことになった5日の議論に注目だ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、先週一時111.66円まで値を上げるも、昨年3月高値111.71円は超えられず。むしろ、週末の米雇用統計発表後は、逆に調整的なドル売り・円買いが進行した。リスクという意味では、引き続きドル高方向にバイアスが掛かりそうだが、そうした動きも一旦仕切り直しか。やや広めにとった110.42-111.66円といったレンジ取引がしばらく続く可能性もある。
市場の関心は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向。ただ、先週末に発表された米雇用統計はもっとも関心の高い非農業部門雇用者数が予想より改善した反面、失業率は悪化とマチマチな内容で、過剰なほどの強気に傾斜していたマーケット・センチメントが程よく緩和された。本日はNY休場で目立った米経済指標の発表は予定されていないが、再び強いドルブル・センチメントへと傾斜するのか、今週も発表される米経済指標などには要注意だ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨年3月のドル高値111.71円にほぼ面合わせしたところでプルバック。同レベルがかなり強い抵抗としてインプットされたようだ。
ただ、ドルの下値も堅く、時間足のような短期のチャートをみても最近相場の111円以下の滞空時間は非常に短く、こちらも強いサポートとして意識されている。上下ともなかなか強固に見え、ある意味で居心地の良い111円台前半を如何に、そしてどちらに放れるのかがまずは注視されている。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は前述したようにNY市場が独立記念日の振替休日となるため、目立った米経済指標の発表や米地区連銀総裁など要人による講演などもとくには予定されていない。ただ、こちらも前段で取り上げたOPECプラスの再協議を警戒する向きは少なくなく、一応注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.70-111.40円。本日東京高値である111.20円前後の攻防にまず注目。超えれば先週高値111.66円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、短期的にはなかなか「しっかり」割り込めない111円前後が引き続きサポートか。底堅いイメージに変わりないが、割り込むようだと前回安値110.42円が意識されそうだ。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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