シカゴポジション(CME)289
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年6月29日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、オセアニア通貨が3週間変わらずの横這い、ユーロもほとんど変わらず、円のみがドルロング増になりました。豪ドルは過去のパターンですと豪ドル一段安の相場観を維持しており、一方でNZは未だ相場観を持っていません。円は一段とドルロングを積み増しているので、先々はドル高円安の相場観で変わりません。通常は次の目途が10万枚ですので、8万枚を越えてくると、そのまま積み上げてくる可能性高く10万枚が見えてきます。但し、3月16日にドルロングに引っくり返しているので、持ち値はあまりよくありません。
ユーロドルは実際の相場がかなりユーロ安への下押しをしていますが、ポジションは変わらず、このまま行けば押し目で拾ってくる可能性あります。ユーロロングにしてから1年4ヶ月弱経過しており保有期間が少し長いような気がしますが、押し目で拾ってきた場合は少なくとも前回高値付近までの上値を見ているかもしれません。逆に言えば、ユーロ下落時には大きなポジション調整を抱え込むことになります。引き続き2〜3週間の推移を見たいと思います。
先週のシカゴは引き続き動意なく、ネットで僅か163枚のNZドルロング減になりました。総枚数でも1,600枚程度の増加にすぎず、先々の動きを示唆する内容ではありません。前回も「既にNZドルロング攻めの通常期間6〜9ヶ月間を越えており…」としましたが、NZドルロング攻めの相場観は一度終わったと思われます。暫くは次の一手探しになります。チャートを見ると、0.6870〜0.7220レンジの赤のNZドル安トレンドラインの下限近くまできましたが、先週の締日では少し戻しています。流れはNZドル安を継続していますが、まだショートに切り換える動きには入れていません。
さて実際の相場は、短期的にはNZドルが弱い状態を継続していますが、ここ3週間では0.6950〜0.7090の3角保合いを形成しています。上下で140ピップス程度のレンジしかないので、まだ収斂継続となりそうです。週足では0.6925〜0.7240のディセンディングトライアングルを形成しているので、下限は0.6950と0.6925の2点に絞られ、0.69未満の終値になるとNZドルは一段安を狙える構えに入れます。上値は3角保合いを越えれば、0.7120、0.7160〜70、0.7210の順に抵抗線があります。シカゴは少なくとも日足の3角保合い抜け確認後に、新たな相場観を形成するのかを確認したいと思います。(1NZドル=0.7020ドル、7月5日14:00)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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