新型コロナウイルスの感染拡大と貴金属市場の下落がランドの重石
〇今週の南ア円、早々に週間高値7.83まで上昇後、週末にかけ一時7.68まで下落
〇南ア国内でのコロナ感染再拡大、南ア指標の冴えない結果等が重石に
〇南ア円テクニカルに見て、やや上値の重さを印象付けるチャート形状
〇ファンダメンタルズも南ア円下落を意識させる材料が増えつつある
〇南ア円下落をメインシナリオとして予想、来週の予想レンジ(ZARJPY):7.55ー7.95
今週のレビュー(6/28−7/2)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.82円で寄り付いた後、早々に週間高値7.83円まで上昇しました。しかし、一目均衡表基準線に続伸を阻まれると、@南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大(1日あたりの新型コロナウイルス感染者数が過去最多を記録)や、Aラマポーザ大統領による新型コロナウイルス対策の制限措置を強化するとの発表(南ア経済の減速懸念)、B南ア4ー6月BER消費者信頼感指数(結果▲13、前回▲9)の冴えない結果、C米早期テーパリング観測を背景とした過剰流動性相場の逆流リスク(貴金属市場の下落→南アランド下落)が重石となり、週末にかけて、6/22以来となる安値7.68円まで下落しました。もっとも、その後は、D米6月雇用統計における平均時給の低下(インフレ懸念後退→米早期テーパリング観測後退→新興国通貨上昇)が支援材料となり、結局7.78円前後まで持ち直しての越週となっております。
来週の見通し(7/5−7/9)
南アランド円相場は、6/25に記録した高値7.88円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、一時7.68円まで下落しました。この間、一目均衡表転換線や雲上限を下抜けするなど、テクニカル的に見て、やや上値の重さを印象付けるチャート形状となっております(目先は90日移動平均線が控える7.61円、一目均衡表雲下限が位置する7.58円を試すシナリオを想定)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@米早期テーパリング観測に端を発した過剰流動性相場の逆流リスク(米インフレ上昇+米雇用改善の組み合わせ成立→米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→南アフリカの主要産品である貴金属市場の下落→南アランド下落の波及経路)や、A南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大、B南アフリカ経済の先行き不透明感、C南アフリカにおけるインフレ懸念(経済情勢が芳しくない中でのインフレ懸念は、中銀による利上げを躊躇させることから、実質金利低下を通じた南アランド売りに繋がり易い)など、南アランド円相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南アフリカ国内の経済指標が予定されていない中、新型コロナウイルスの感染拡大状況や、米早期テーパリングを巡るヘッドライン、米長期金利や商品市況(特に貴金属市場)の動向を睨みながらの神経質な展開が続くと予想されます。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.55ー7.95
南アフリカランド円日足
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