米経済指標注視も、基本はレンジ継続か
〇ドル円、110.45-60と110円半ばを中心に極めて狭い値動きに終始
〇中国の経済指標の発表などいくつか材料があったもののドル円の変動にはならず
〇米6月消費者信頼感指数などが予想を上回り、週末の米雇用統計についても好数字を期待する流れに
〇ウォラーFRB理事がテーパリングを年内に始める必要性に言及した発言が聞かれる
〇本日発表の米6月ADP雇用統計やアトランタ連銀総裁の講演など一応注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ110.10-110.90
<< 東京市場の動き >>
30日の東京市場は横這い推移。動意らしい動意はほぼなく、値幅もわずか15ポイント程度にとどまっている。
ドル/円は寄り付いた110円半ばを中心に、極めて狭いレンジ取引。110.45-60円といった15ポイント程度でほぼ横這いに近い値動きに終始している。途中、中国の経済指標が発表されるなど材料はいくつかあったものの、ドル/円の価格変動には結び付かなかった。16時現在、ドル/円は寄り付きと同じ110円半ばで推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米金融政策」について。
前者は、シドニー全域でロックダウンが実施された豪州などとは対照的に、ワクチン接種の進展から楽観ムードが広がっていた米国だが、ここにきてジワリと懸念が広がっているようだ。たとえば、日経新聞では「『デルタ株』の広がりを受け、カリフォルニア州ロサンゼルス市やイリノイ州はマスク着用を再び呼びかけた」と報じている。なお、そうしたなか朝鮮中央通信は、北朝鮮の金総書記が新型コロナ対策をめぐり、「幹部の怠慢により国家と人民の安全に非常に大きな危機をもたらす重大事件が発生した」と叱責したと報じ、一部で話題となっていた。
対して後者は、発表された6月の消費者信頼感指数などの米経済指標は予想を上回る内容。それもあり、いわゆる強気派が勢いを増すなか、ウォラーFRB理事からテーパリングを早ければ年内に始める必要性に言及した発言も聞かれていた。なお、前者の米指標に関しては、雇用に関する内容も良好で、週末発表の米雇用統計について、さらなる好数字を期待する声も高まっていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、過去1週間程度推移していた110.50-111.10円といったレンジを一時下回るも値は走らず。と言うより、本稿執筆時には元のレンジへと回帰しており、レポートしている「レンジをわずかに広げただけ」に終わったようにも思える。ドルが続落するのか否か、下値の攻防に注目だが、週末の米雇用統計発表が徐々に意識され始めており、短期的にはそれにらみ。レンジ取引が続くとの見方もあるようだ。
市場の関心は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向。そうしたなか、本日は週末発表の米雇用統計の露払い役として知られるADP雇用統計が発表される見込みで、こちらを注視している向きも多いようだ。ちなみに、前月はプラス97.8万人だったが、今回は同60万人ほどと増加ペースの鈍化が予想されている。また、それとは別に新型コロナの感染拡大に絡むニュースや、月末・四半期末需給などにも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は形成していたレンジ下限を一時的に下回るも、ドル安傾向は続かず。足もとの動きをみると、ドルの下値トライも一旦仕切り直しになった感があるが、果たして正しいのかどうか情勢をまずは見極めたい。何度かトライするも割り込めない110.40-45円を下回れば、移動平均の21日線そして21日安値の109.72円などが意識されそうだ。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、6月のADP雇用統計や同シカゴ購買部協会景気指数などが発表されるほか、アトランタ連銀総裁などによる講演も予定されているようだ。基本的には週末の米雇用統計発表待ちといったところだが、指標の内容などによっては一時的にせよ荒れる可能性も取り沙汰されていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.10-110.90円。ドルの上値はジワリと切り下がっており、目先的には昨日高値110.76円の攻防にまずは注目。ただ上抜けても、111円レベルや年初来高値111.11円がドルの上値を抑制しそうだ。
対するドル安・円高方向は、時間足ベースなどでかなりの底堅さを醸している110.40-45円レベルを果たして下回れるか。割り込めば、少しずつレベルを切り上げ、本日は110.10円前後まで値を上げてきた移動平均の21日線が意識されよう。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2021.07.01
ドル円、良好な米経済指標と月末フローを材料に直近高値圏まで一気に上昇(7/1朝)
30日(水)のドル円相場は下落後に急反発。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。