ドル円 米経済指標注視も、基本はレンジ継続か(6/30夕)

30日の東京市場は横這い推移。動意らしい動意はほぼなく、値幅もわずか15ポイント程度にとどまっている。

ドル円 米経済指標注視も、基本はレンジ継続か(6/30夕)

米経済指標注視も、基本はレンジ継続か

〇ドル円、110.45-60と110円半ばを中心に極めて狭い値動きに終始
〇中国の経済指標の発表などいくつか材料があったもののドル円の変動にはならず
〇米6月消費者信頼感指数などが予想を上回り、週末の米雇用統計についても好数字を期待する流れに
〇ウォラーFRB理事がテーパリングを年内に始める必要性に言及した発言が聞かれる
〇本日発表の米6月ADP雇用統計やアトランタ連銀総裁の講演など一応注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ110.10-110.90

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場は横這い推移。動意らしい動意はほぼなく、値幅もわずか15ポイント程度にとどまっている。

ドル/円は寄り付いた110円半ばを中心に、極めて狭いレンジ取引。110.45-60円といった15ポイント程度でほぼ横這いに近い値動きに終始している。途中、中国の経済指標が発表されるなど材料はいくつかあったものの、ドル/円の価格変動には結び付かなかった。16時現在、ドル/円は寄り付きと同じ110円半ばで推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米金融政策」について。
前者は、シドニー全域でロックダウンが実施された豪州などとは対照的に、ワクチン接種の進展から楽観ムードが広がっていた米国だが、ここにきてジワリと懸念が広がっているようだ。たとえば、日経新聞では「『デルタ株』の広がりを受け、カリフォルニア州ロサンゼルス市やイリノイ州はマスク着用を再び呼びかけた」と報じている。なお、そうしたなか朝鮮中央通信は、北朝鮮の金総書記が新型コロナ対策をめぐり、「幹部の怠慢により国家と人民の安全に非常に大きな危機をもたらす重大事件が発生した」と叱責したと報じ、一部で話題となっていた。

対して後者は、発表された6月の消費者信頼感指数などの米経済指標は予想を上回る内容。それもあり、いわゆる強気派が勢いを増すなか、ウォラーFRB理事からテーパリングを早ければ年内に始める必要性に言及した発言も聞かれていた。なお、前者の米指標に関しては、雇用に関する内容も良好で、週末発表の米雇用統計について、さらなる好数字を期待する声も高まっていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、過去1週間程度推移していた110.50-111.10円といったレンジを一時下回るも値は走らず。と言うより、本稿執筆時には元のレンジへと回帰しており、レポートしている「レンジをわずかに広げただけ」に終わったようにも思える。ドルが続落するのか否か、下値の攻防に注目だが、週末の米雇用統計発表が徐々に意識され始めており、短期的にはそれにらみ。レンジ取引が続くとの見方もあるようだ。

市場の関心は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向。そうしたなか、本日は週末発表の米雇用統計の露払い役として知られるADP雇用統計が発表される見込みで、こちらを注視している向きも多いようだ。ちなみに、前月はプラス97.8万人だったが、今回は同60万人ほどと増加ペースの鈍化が予想されている。また、それとは別に新型コロナの感染拡大に絡むニュースや、月末・四半期末需給などにも一応要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円は形成していたレンジ下限を一時的に下回るも、ドル安傾向は続かず。足もとの動きをみると、ドルの下値トライも一旦仕切り直しになった感があるが、果たして正しいのかどうか情勢をまずは見極めたい。何度かトライするも割り込めない110.40-45円を下回れば、移動平均の21日線そして21日安値の109.72円などが意識されそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、6月のADP雇用統計や同シカゴ購買部協会景気指数などが発表されるほか、アトランタ連銀総裁などによる講演も予定されているようだ。基本的には週末の米雇用統計発表待ちといったところだが、指標の内容などによっては一時的にせよ荒れる可能性も取り沙汰されていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.10-110.90円。ドルの上値はジワリと切り下がっており、目先的には昨日高値110.76円の攻防にまずは注目。ただ上抜けても、111円レベルや年初来高値111.11円がドルの上値を抑制しそうだ。
対するドル安・円高方向は、時間足ベースなどでかなりの底堅さを醸している110.40-45円レベルを果たして下回れるか。割り込めば、少しずつレベルを切り上げ、本日は110.10円前後まで値を上げてきた移動平均の21日線が意識されよう。

米経済指標注視も、基本はレンジ継続か

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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