ユーロ圏6月消費者物価指数(HICP)予想
(2021年6月30日18時00分発表予定)
本日、ユーロ圏の6月消費者物価指数(HICP)速報値が18時に発表されます。これに先立ちドイツの6月失業率関連指標、HICP後の21時15分に米ADP社民間雇用者数が発表されます。(予想は下表ご参照願います)
前回5月のHICPは予想をやや上回る数値になりました。下図をみても、米国ほどのインフレ上昇にはなっていませんが、景気回復に伴う上昇傾向は同じとなっています。但し、HICPコアはまだ年率1%付近で留まっており、欧州中銀(ECB)の目標値まではかなり余裕があり、コロナ前の水準を回復したに過ぎない状況です。またレンジみても上限が1.1%ですので、余程の上振れ数値でも出ない限りはサプライズにはならないと思われます。逆にレンジ下限割れにも注意したいと思います。
ユーロ圏HICP
2021年6月30日9時現在予想
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
(黒い線より右側は今回の予想値、赤はゼロ、緑はECBインフレ目標値上限2%)
尚、6月に公表されたECB見通しでは、2021年末のHICPコアが1.9%(3月時予想1.5%)ですので、その水準よりもまだかなり下回っている状況です。既に年央ですので、そろそろ強含み推移してもおかしくないですが、夏の間でも数値が上がらないと9月時には下方修正もあり得そうです。7月22日にECBの政策金利発表が予定されています。
以下は本日発表予定の主な経済指標です。
2021年6月30日9時現在予想
特に、金曜日雇用統計の前哨戦であるADP社民間雇用数は注目されます。予想レンジ上限は125万人となっていますので、大きな上下の振れは相場に要注意となりそうです。
下図はユーロドルの週足チャートです。2020年3月からのユーロ高のサポートラインCは1.1700にあります。その後はラインA(=1.1760)と年始高値からの抵抗線B(=1.2260)の3角保合いで収斂を続けています。このAとBの間にD(=1.2045)のサポートがあり、目先は切れているので、このDが目先の抵抗線になっており、ここを越えないとB方向のトライが厳しくなっています。尚、日足では1.1840〜1.1980レンジでの収斂になっており、金曜日の雇用統計まで維持するか、今日の経済指標で動くのかを注目したいと思います。
(6月30日10:30 1ユーロ=1.1899ドル)
オーダー/ポジション状況
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