トルコリラ円見通し 6月21日安値からの反騰一服、戻り高値切り上げへ進めるか試す(21/6/25)

トルコリラ円も戻り一巡でややジリ安の推移に入っている。

トルコリラ円見通し 6月21日安値からの反騰一服、戻り高値切り上げへ進めるか試す(21/6/25)

トルコリラ円見通し 6月21日安値からの反騰一服、戻り高値切り上げへ進めるか試す

〇トルコリラ円、ややジリ安の推移、6/24深夜に12.68まで下落、その後は12.70を挟んだ横ばい
〇対ドルもジリ安の推移、6/24深夜に8.81へ下落し、6/25午前序盤は8.70を挟んだ揉み合いでの推移
〇トルコの製造業は堅調な回復続けるが、金融政策に対する市場の不信感根強くインフレ進行
〇観光業の回復と金融政策の安定と信頼性で経済全体が持ち直すことが必要
〇12.80以下での推移中は一段安余地ありとし、12.60割れからは12.50前後への下落を想定する
〇12.80超えからは12.89試しとし、12.89超えからは12.90台後半を目指すとみる

【概況】

トルコリラ円の6月24日は12.85円から12.63円の取引レンジ。
米FOMC後のドル全面高とドル円の17日夜からの反落等による円高進行でトルコリラ円は21日午後安値12.48円まで下落したが、FOMCショックが落ち着く中で揺れ返しの動きに入りドル高が一服したこととドル円の反騰により23日夕高値12.87円まで戻した。
23日夜以降は揺れ返しの上昇も一服となり、ドル円が24日午前に23日夜高値をわずかに超えたもののその後は失速し、ドル安もやや落ち着いた動きとなったことでトルコリラ円も戻り一巡でややジリ安の推移に入っている。6月24日深夜に12.68円まで下落したが、その後は12.70円を挟んだ横ばいとなっている。

ドル/トルコリラの6月24日は8.71リラから8.61リラの取引レンジ。
6月21日夜に8.79リラを付けて史上最安値を更新した後は下落一服となり、FOMC後のドル全面高も21日からは揺れ返しのドル安へと変わったことでトルコリラも買い戻し優勢となって23日夕刻高値8.57リラへ上昇した。その後は上昇一服でジリ安の推移に入り、24日深夜には8.81リラへ下落し、25日午前序盤も8.70リラを挟んだ揉み合いでの推移にとどまっている。

【トルコの製造業は堅調な回復を続ける】

トルコの外貨準備高は6月18日時点のグロスで560.2億ドルとなり前週の517.1億ドルから増加、ネットでは184.6億ドルで前週の149.2億ドルから増加した。
6月の製造業信頼感指数は113.0となり5月の110.3から改善した。パンデミックのショックに見舞われた昨年4月には66.8まで急低下したが、その後はV字回復に入り、今年4月の111.0から5月の110.3へ若干低下したものの6月は昨年来の最高を更新してパンデミック前の水準を超えている。
設備稼働率も5月の75.3%から6月は76.6%へ上昇した。昨年4月には61.6%まで急低下したが、その後はV字回復基調を継続しており6月もこの間の最高値を更新している。

トルコリラ円見通し 6月21日安値からの反騰一服、戻り高値切り上げへ進めるか試す

トルコ経済は主力の観光業が深刻な不況に陥っているものの、製造業は確り回復しており力強さも持っている。ただし金融政策に対する市場の不信感が根強いためにインフレが進行しており、製造業としてもひとまずパンデミック不況から脱却したものの、さらに経済全体が勢い付くには観光業の回復で経済全体が持ち直すことが必要と思われる。
6月25日は5月の観光客入国数の発表がある。パンデミックにより壊滅的だった前年からは改善しているために前年同期比では大きな増加率となると思われるが、前々年までの平年値と比較すれば大幅に落ち込んだ状況は変わらないと思われる。観光業の回復と金融政策の安定と信頼性がトルコの課題だ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、6月21日午後安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして22日の日中から23日夜にかけての間への上昇を想定していたが、6月23日夕へ高値を切り上げてからは横ばい推移となったために24日午前時点では23日夕高値でサイクルトップを付けた可能性があるとし、12.75円割れからは弱気サイクル入りとした。
24日夜の下落で12.60円台まで下げたため、23日夕高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は24日午後から28日の日中にかけての間と想定されるので既に反騰注意期にあるが、12.80円を超えないうちは一段安余地ありとする。12.80円超えからは23日夕高値試しとし、高値更新からは強気サイクル入りとして28日午後から30日夕にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では24日の下落で遅行スパンが悪化し、先行スパンからも転落しつつあるところだが、先行スパン下限に張り付いた状況で下げ渋っている。このため先行スパンを上抜き返せないうちは一段安余地ありとし、遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところからは下げ再開とするが、先行スパン突破からは上昇再開として遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は24日夜に30ポイント台序盤へ低下した後はやや持ち直している。50ポイント以下での推移が一時的に超えても維持できないうちは一段安余地ありとするが、50ポイント超えから続伸に入る場合は反騰入りとみて70ポイントを目指す上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12.60円を下値支持線、12.80円を上値抵抗線とする。
(2)12.80円以下での推移中は一段安余地ありとし、12.60円割れからは12.50円前後への下落を想定する。12.50円以下は反騰注意とするが、12.75円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)12.80円超えからは反騰入りの可能性が高まるとみて23日夜高値12.89円試しとし、12.89円超えからは12.90円台後半を目指すとみる。12.95円以上は反落警戒圏とするが、12.80円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かう可能性があるとみる。

【当面の主な予定】

6月25日
 17:00 5月 観光客数 前年比 (4月 3162%)  
6月29日
 16:00 6月 経済信頼感指数 (5月 92.6)
6月30日
 16:00 5月 貿易収支 (4月 -30.6億ドル)
7月1日
 16:00 6月 イスタンブール製造業PMI (5月 49.3)
 20:30 週次外貨準備高 (6/25時点)


※ポイント要約は編集部

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