ドルは年初来高値更新、続伸期待も強い(6/24夕)

24日の東京市場はドルが小安い。一時111.10-15円へと値を上げ、前日高値に面合わせするもクリアに抜けず。その後は小反落に転じていた。

ドルは年初来高値更新、続伸期待も強い(6/24夕)

ドルは年初来高値更新、続伸期待も強い

〇本日のドル円、前日高値をしっかりと超えず再び111円割れに
〇米地区連銀総裁の強気なコメント多く、市場の早期テーパリング期待再び強まる
〇本日は米1-3月期GDP統計確報や6月カンザスシティ連銀製造業活動指数などに注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.40-111.30

<< 東京市場の動き >>

24日の東京市場はドルが小安い。一時111.10-15円へと値を上げ、前日高値に面合わせするもクリアに抜けず。その後は小反落に転じていた。

ドル/円は、110.95円前後で寄り付いたのち、前日の流れもあり当初はドル買い先行。111円台を回復し、111.10-15円へと値を上げた。しかし、前日高値をしっかりと超えられなかったこともあり、実需筋の売りや利益確定売りなどに押されると再び111円割れ。夕方には110.75円程度まで軟化する局面も観測されている。16時現在では110.85円前後で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「新型コロナ」について。
前者は、昨日は米地区連銀総裁などによる発言機会が多く、ファンダメンタルズや金融政策に絡む発言が聞かれていたようだ。それも「強気」なコメントが多く、市場の早期テーパリング期待も再び強まってきた感がある。たとえば、アトランタ連銀総裁が「テーパリングの見通しを議論するのは適切」、「2023年に2回の追加利上げを予想」などと述べたうえ、ダラス連銀総裁は「2022年に最初の利上げを予想」、ボストン連銀総裁「現状インフレリスクは高まっている」−−などといったコメントが観測されていた。

対して後者は、NY州知事が「コロナ非常事態を24日に終了する」と発言する反面、ブラジル保健省は「コロナの新規感染者が過去最多更新した」と発表するなど、状況は依然としてまだら模様。また、欧州疾病予防管理センターが、新型コロナウイルスの「デルタ株」が8月末までにEUにおける感染の90%に達するとの見通しを発表したことも別途話題に。ワクチン接種が進みつつあるが、ドラスティックな改善というわけにはいかないようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、昨日欧米時間に年初来高値110.97円を超え111円台に乗せるなどドルが続伸。昨年来「ダマシ」の多かった相場だが、ようやくドル高方向への展望が広がった感がある。ちなみに、明確なドルの上値メドを指摘することは難しいものの、111円半ばから後半がひとつのポイントか。ただ若干気になるのは、前述したように本日東京時間にドルは小反落、110円後半へと押し戻されてきたこと。再びレンジの様相を呈する可能性もある。

市場は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向に注目。先で取り上げたように、昨日は米地区連銀総裁などから早期の金利引き上げを容認する発言が相次いでいたが、本日も引き続き要人の発言機会が多く、そちらが注視されている。本日も強気コメントが連発するのだろうか。「米金利上昇にともない米株安進行」といった事態に陥らなければ、ドルは底堅い値動きが続くことになりそうだ。

テクニカルに見た場合、110.80円レベルを上限としたレンジを上抜けたドル/円は続伸し、一時111円台を示現している。まだ予断は許さず、「ダマシ」の可能性も残っているが、基本的なリスクは上方向にバイアスか。111円台にそれほど強いテクニカルポイントは見当たらないのだが、それでも111円半ばから後半が一応のターゲットとして意識されているようだ。反面、下値メドは110円半ば、そして110円前後となる。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、1-3月期のGDP統計確報や6月のカンザスシティ連銀製造業活動指数、週間ベースの新規失業保険申請者数などが発表される予定だ。また米財務省による7年債の入札、連日となる米地区連銀総裁などによる講演も相次ぎ実施されるだけに、状況次第では荒れた相場をたどる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.40-111.30円。昨日そして本日高値にもある111.10-15円をめぐる攻防にまずは注目。抜ければ少し遠いが111円半ばから後半が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、引き続き110円半ばに弱いサポートが残存。仮に割り込んでも大崩れは予想しにくく、110円割れは若干遠くなった印象か。

ドルは年初来高値更新、続伸期待も強い

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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