トルコリラ円見通し 6月21日安値から3円を超える反騰(21/6/23)

トルコリラ円の6月22日は12.81円から12.51円の取引レンジ。

トルコリラ円見通し 6月21日安値から3円を超える反騰(21/6/23)

6月21日安値から3円を超える反騰

〇トルコリラ円、21日昼安値から反騰に転じ12.60を超え続伸、22日深夜に12.81まで高値を切り上げる
〇対ドルは8.79から8.62のレンジ、FOMCショック一巡しドル安の流れとなりトルコリラも買い戻される
〇トルコ6月消費者信頼感指数は81.7と前月の77.3から改善し市場予想の78.5を上回る
〇12.70以上で推移中は上昇余地あり、12.85超えから12.90を目指すとみる
〇12.70割れから下げ再開とみて12.60前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の6月22日は12.81円から12.51円の取引レンジ。
6月2日のエルドアン大統領による利下げ言及報道による急落で12.44円へ下げてから持ち直し、6月14日の米土首脳会談へ向けた期待感で上昇してきたが、6月11日と6月14日に長い上ヒゲを付けて毛抜き天井型を示現したところから失速して21日には12.48円まで下げて6月2日安値に迫っていた。底割れへの懸念も強まっていたものの、21日からはFOMC後のドル全面高が順次弛んでユーロやポンド、豪ドル等が戻しに入り、株安を見てのリスク回避的な円高とクロス円全般の大幅下落により下落していたドル円が21日昼安値から反騰に転じたことでトルコリラ円はドル安リラ高と円安に押し上げられて12.60円を超えて続伸に入り、22日深夜には12.81円まで高値を切り上げた。23日の序盤は12.77円から12.80円のレンジで確りしている。

ドル/トルコリラの6月22日は8.79リラから8.62リラの取引レンジ。6月2日のエルドアン大統領による利下げ言及報道で8.77リラへ急落して史上最安値を更新し、いったん6月11日に8.25リラまで戻してからは米土首脳会談で成果が見られずに失望売りとなり6月14日から21日まで6日連続の日足陰線で下落、FOMC後のドル全面高も圧迫要因となって21日夜には8.79リラを付けて史上最安値を更新した。
しかし22日はFOMCショックが一巡してドル安へと流れが変わったことからトルコリラも買い戻された。
トルコリラは対ドルでの急落後には3月30日からの反騰や、4月26日からの反騰、6月2日からの反騰等、数日から1週間強の反動高が発生しており、今回も史上最安値更新後の全般的なドル安の流れに乗じて持ち直している印象だが、調整を消化しては一段安を繰り返してきている風向きを変えるのは大変だと思う。

【消費者信頼感指数情報、感染抑制でロックダウン大幅解除】

【消費者信頼感指数情報、感染抑制でロックダウン大幅解除】

6月22日に発表された6月のトルコ消費者信頼感指数は81.7となり5月の77.3から改善、市場予想の78.5を上回った。感染拡大の第二波の収束後に持ち直して今年3月には86.7まで上昇していたが、感染拡大の第三波の影響で5月には77.3まで低下していた。しかし第三波もピークアウトしたことで市場も安心感を取り戻しつつあるところと思われる。

トルコのエルドアン大統領は6月21日に新型コロナウイルスの1日当たり感染者数が5000人前後まで減少したとして7月から感染抑制のための規制を大幅に緩和すると発表した。7月以降は毎週日曜に実施しているロックダウンと、平日に実施している19時以降の夜間外出禁止措置を解除するとした。公共輸送機関等も通常営業に戻す。現時点では飲食店の収容人数を制限しての営業再開を行っている。

トルコの1日当たりの感染者数は、4月のピーク時に6万人を超えて12月の第二波におけるピーク時の3万人強から倍増する山となったが、5月末に1万人を切って減少に転じ、6月20日に5091人、21日に5294人、6月22日は6143人増となっている。累計の感染者数は538万人で米、インド、ブラジル、フランスに続いて世界5番目の多さだが、死者数は49293人で11万人のフランスの半分、61万人を超えている米国や50万人を超えたブラジルの10分の1に抑えており、医療崩壊は回避してきた。ワクチン接種も1日で150万回と進んでいる。変異株による第四波が発生せずに抑制が効きワクチンが普及すればトルコの主力産業である観光業の回復にも寄与すると期待されるが世界各地で猛威を奮いだしている変異株の脅威は先行きの潜在的な懸念材料だ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、6月11日夕高値と14日夕高値がダブルトップとなって下落期に入ったが、17日早朝へ一段安したために17日午前時点では15日夜安値を直近のサイクルボトムとして底割れから既に新たな弱気サイクルに入っているとして18日夜から22日夜にかけての間への下落を想定した。
6月21日昼過ぎ安値から下げ渋りに入っていたため、22日午前時点では21日午後安値を直近のサイクルボトムとし、底割れ回避のうちは22日の日中から23日夜にかけての間への上昇余地ありとした。
6月22日夜へ大幅してからも高値圏を維持しているので引き続きトップ形成中とみるが、すでに反落注意期にあるので12.70円割れからは弱気サイクル入りとして24日の日中から28日の日中にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では22日夜の上昇で遅行スパンが好転し、先行スパンも突破した。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、遅行スパン悪化からは下げ再開とみて安値試し優先とする。その際は先行スパンが下値支持線となりやすいとみる。
60分足の相対力指数は22日深夜への大幅上昇で80ポイントに到達しているのでかなりの買われ過ぎ状態だが、50ポイント台までを下値支持線としてまだ上昇余地ありとし、50ポイント割れからは下げ再開とする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12.70円を下値支持線、12.85円を上値抵抗線とする。
(2)12.70円以上での推移中は上昇余地ありとし、12.85円超えからは12.90円を目指すとみる。12.87円以上は反落警戒とするが、12.70円以上での推移なら24日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)12.70円割れからは下げ再開とみて12.60円前後への下落を想定する。12.60円以下は反騰注意とするが、12.70円以下での推移なら24日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

6月24日
 16:00 6月 製造業景況感 (5月 110.3)
 16:00 6月 設備稼働率 (5月 75.3%)
 20:00 トルコ中銀MPC議事録要旨
 20:30 週次外貨準備高 (6/18時点)
6月25日
 17:00 5月 観光客数 前年比 (4月 3162%)  
6月29日
 16:00 6月 経済信頼感指数 (5月 92.6)
6月30日
 16:00 5月 貿易収支 (4月 -30.6億ドル)
7月1日
 16:00 6月 イスタンブール製造業PMI (5月 49.3)
 20:30 週次外貨準備高 (6/25時点)


※ポイント要約は編集部

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