ランド円レポート月曜版
〇先週のランド円、下げ幅大きく短期的に下降トレンドへと転換する動きを見せた一週間
〇対ドルでは一貫した売りが続きドルランドは14.36台までドル高・ランド安が進む
〇ランド安最大の理由はFOMC後のドル買いの動き、米金利上昇で新興国通貨が売られる
〇もう一つの悪材料、コロナ第3波でラマポーザ大統領が市民生活に制限を強化すると発表
〇7/22の中銀会合における利上げ思惑が高まればランド高に戻すきっかけに
〇今週は7.50レベルをサポートに7.80レベルをレジスタンスとする流れ
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「やや下押しが継続しやすい地合いを考え、5月下旬に上抜け上昇が加速した7.80レベルをサポートに、前週金曜戻り高値8.05レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.62レベル、高値が8.01レベルとなり、思ったよりも下げ幅が大きくこれまでの上昇トレンドから下押しというよりも、短期的に下降トレンドへと転換する動きを見せた一週間となりました。
先週のランドは、水曜FOMCまでは7.94水準を中心として狭い値幅が続いていましたが、FOMC後の米金利上昇の動きからドル買い・ランド売りとなり、その後ドル円はFOMC前の水準へと押したものの、ランドは対ドルで一貫した売りが続きドルランドはゴールデンウィーク以来の14.36台までドル高・ランド安が進み、結果としてランド円も7.62レベルまで水準を切り下げ安値引けとなりました。
ランド安最大の理由はFOMC後のドル買いの動きで、米金利が上昇する動きの中では新興国通貨が売られ米ドルに資金が還流する動きが発生します。ランドと円といった組み合わせでは、リスクオフの際には低金利通貨である円が買われますが、将来的に米金利が上昇するという思惑が出てくると米国株式と似た動きとなり、リスク資産を売って米ドルを買うというキャッシュロング(現金化による手元資金増加)という動きになります。
また先週の南アフリカではもうひとつ悪材料が重なりました。ラマポーザ大統領が15日新型コロナ感染者が増加してきたことから第3波が到来したとして市民生活に制限を強化すると発表しました。発表時点ではあまり反応はありませんでしたが、翌日のFOMCがダメ出しとなってランド安が強まることになったと言えるでしょう。このあたりは英国におけるロックダウン解除延長後のポンドの動きにも似ています。
今週は新たな材料としては南アの経済指標としてCPIとPPIの発表がありますが、どちらも前回に比べて高い数字が予想されていて、そうなると7月22日の中銀会合における利上げ思惑が高まる可能性があり、ランド高に戻すきっかけとなるかもしれません。ただテクニカルにはかなり地合いが悪化してきていることもあり、ランドが買い戻される局面では戻り売りが上値を抑えることになると見ています。
今週はまずドルランドの週足チャートをご覧ください。
サポートライン(青)を下抜けドル安・ランド高が加速していましたが、先週のランド売りの動きでこのサポートラインに戻してきていることがわかります。さらに2020年高値からのレジスタンスライン(ピンク)も同じ位置にあることがわかります。つまり、テクニカルにここで押し返されて反落すれば再びランド高の流れに回帰するチャートですが、逆にドル高が続いて青のライン&ピンクのラインを上抜けると2020年4月から続いてきたランド高のトレンドがいったん終わることとなります。
まだ今週来週の動きを見る必要がありますが、材料的にも先週の動きからも短期的にランド安が継続しやすい流れと見る方が自然です。
次にランド円の日足チャートです。
中期的なサポートラインは3月下旬から引くことが出来ましたが金曜に下抜け、現在は1月安値からのサポートライン(現在7.54レベル)を視野に入れる流れとなっています。このラインをも下抜けることとなると上述したドルランドのチャートでもランド安の流れを確定させることとなるでしょうから、今週は多少の誤差を考えて7.50レベルを維持できるかどうかで今後のランドの動きを決める重要な一週間となりそうです。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
日足チャートの中の2本のサポートラインと、年初来高値からのレジスタンスラインを引いてありますが、今週は基本的に下抜けたサポートをレジスタンスに、次のサポートをトライする流れを考え、7.50レベルをサポートに7.80レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
※ポイント要約は編集部
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