米関係の材料乏しいなか、英国情勢に注意(6/14夕)

週明け14日の東京市場はドルが底堅い。109円後半における推移で下値不安はあまりうかがえなかったが、反面で上値も重かった。

米関係の材料乏しいなか、英国情勢に注意(6/14夕)

米関係の材料乏しいなか、英国情勢に注意

〇本日のドル円、一時109.85近くまで小幅に値を上げる
〇本日は目立った米経済指標、米通貨当局者の講演など発言予定もなし
〇材料面ではロックダウン延長や米USTR代表と英国際貿易相の会談など英国情勢に注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.30-110.10
〇先週末と本日の2度上げ止まった109.84レベルが最初の抵抗

<< 東京市場の動き >>

週明け14日の東京市場はドルが底堅い。109円後半における推移で下値不安はあまりうかがえなかったが、反面で上値も重かった。

先週末、英国でG7が開催され、終了後発表された声明では初めて「台湾海峡」についての言及がなされた。また、米メディアのインタビューに応じたプーチン露大統領が「米露関係は近年で最低の状態にまで悪化した」と述べたとされ一部で話題に。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた109.60円レベルが日中安値にドルが小じっかり。一時109.85円近くまで小幅に値を上げている。ただ、前週末の高値でもある同レベルは超えられず小緩むと、その後はドルの強保ち合いに。16時現在では、109.70円前後で推移し欧米市場を迎えている。
なお、そうしたなかトルコリラが強含み。本14日に米国とトルコの首脳が会談を実施する見込みであり、それに期待する動きがリラ買いを後押ししていたという。

一方、材料的に注視されていたものは、「G7サミットと中国情勢」と「英国情勢」について。
前者、11-13日に実施されたG7サミットは、声明に前述した「台湾海峡」が盛り込まれたほか、人権や香港などでも中国に懸念を表明する内容に。ちなみに、終了後の会見でバイデン米大統領は、中国への懸念打ち出せたことを理由に「満足している」と発言していた。ただ、当の中国は開催期間中からG7について強い不満を表明しており、声明発表前すでに「ルールは少数の国が定めるものではない」などとした批判コメントを公表している。
対して後者は、まず英紙が新型コロナの国内感染拡大を受け、「英首相、ロックダウン解除を7月19日に先延ばしする」と指摘。また、議長国を務めたG7と絡めて実施されたミシェル大統領などEU首脳との会談が事実上の決裂になったようだ。EUサイドは北アイルランド問題をめぐりジョンソン氏に履行を迫る反面、英国側は「領土保全のためには何でもする」と述べ、セーフガードの発動も辞さない考えを示したという。

<< 欧米市場の見通し >>

今週の「週報」でもレポートしたように、先週のドル/円は週間を通してわずか66銭レンジ。これは「今年の週間最小変動」になる。本日東京で、その上限109.84円に面合わせするも抜けられず。レンジブレークは取り敢えず失敗した格好だが、このあとの欧米市場で再びトライするのか否かにまずは注視をしたい。抜ければ4日以来となる110円台乗せの可能性も否定できないだろう。
市場では、引き続き広義の米ファンダメンタルズと金融政策に注目。ただ、本日は目立った米経済指標の発表がないうえ、15-16日のFOMC前にしたブラックアウト期間に入っていることで、米通貨当局者の講演など発言予定もなし。そうした意味では動きにくそうな雰囲気もあるが、先で指摘したようにG7で中国包囲網ともいえる動きが再確認されたことで、米中対立などの行方を波乱要因として警戒する向きも少なくないようだ。また、それとは別に英国やトルコなどを含めた欧州情勢にも要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続き66銭という非常に狭いレンジ相場。さすがに、この極小レンジは近く抜けていく公算が大きいとみられるものの、それでも2週間を超える1.1円レンジ(109.20-110.30円)となると果たしてどうか。たとえば、ドルがこのあと再上昇、目先高値109.84円を超え110円台に乗せたとしても、大きなレンジの上限近辺では上げ渋るといった見方をする声が優勢だ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、米国ファクターが乏しいなか、材料面からは英国情勢に要注意か。そのひとつは先で指摘した「英のロックダウン延長」で、本14日にもジョンソン首相が正式に発表する見込みだという。また、米USTR代表と英国際貿易相の会談も予定されるなど、注目材料が多い。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.30-110.10円。先週末そして本日東京と2度上げ止まった109.84円レベルが最初の抵抗。上抜ければ110円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、同様に先週末だけで2度サポートしている109.30円レベルをめぐる攻防にまずは注目。割り込むと、短期のレンジ下限である109.18円が意識されそうだ。

米関係の材料乏しいなか、英国情勢に注意

ドル円日足

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