欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表(21/6/11)

2021年6月9日・10日会合

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欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表(21/6/11)

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表

昨日、6月開催のECB金融政策会合要旨が記者発表されました。事前の予想通り全て据え置きになりました。以下の記者向け発表内容も前回とほとんど変わりませんでした。

(記者発表要旨)

今日の会合で、運営審議会は高度な金融緩和策スタンスの確認を決定した。

主要政策金利、限界貸付金利、中銀への預金金利に関する金利率はそれぞれ0.00%、0.25%、▼0.50%と据え置いた。運営審議会は主要ECB金利が現行かそれ以下で推移すると予想している。その期間として、インフレ見通しが十分に2%に近づくしかし2%以下だが、その方向に強く収斂していく迄である。そのような収斂は基調としてインフレのダイナミックさを反映する。

運営審議会はPEPP(パンデミック緊急債券購入プログラム)による純資産購入を継続していく。これは少なくとも2022年3月末まで、いかなるケースでも、コロナウィルス危機の局面が終了したと判断される迄で、総額は1兆8500億ユーロとなる。金融情勢やインフレ見通しに関し共通の査定に基づき、運営審議会はPEPP下で行われる純購入額が次の四半期にかけて、年初の最初の数ヶ月よりは非常に速いペースで継続されると予想している。

運営審議会はインフレへの予想経路に関し、金融情勢やパンデミックによる下方圧力に抗するような、流れと調和しない資金調達の引き締めを防ぐという見方になれば柔軟に対応する。さらに、資産クラスを越え、かつ管轄する域内で資産購入の柔軟性をもてば、金融政策のスムーズな伝達を支え続けることになろう。もしPEPPの購入水準を使い尽くさずに、好ましい金融情勢が資産購入下で維持されるなら、総額は全て使いきる必要はないだろう。同時に、インフレへの道のりに対し、パンデミックによるマイナスショックなどに遭遇し、好ましい金融情勢を維持する必要あれば、PEPP総枠は再調整されるだろう。

運営審議会はPEPPの下で満期到来した元本に関しては再投資を継続する。これは少なくとも2023年末迄で、どの様なケースでもPEPPポートフォリオの将来における減額は適切な金融政策スタンスの妨げにならないように管理されるべきである。

資産購入プログラム(APP)の下での純購入額は月額200億ユーロのペースで継続する。運営審議会は、毎月のAPP純資産購入額が政策金利の緩和的影響を補強するに必要な限り、継続されると予想している。そして、主要なECB金利を引き上げ始める前に終了すると予想している。

また、運営審議会はAPPの下で購入された債券の満期がきたら、元本全額を再投資し続ける意向である。期間は主要なECB金利を引き上げ始めた日を経過後、暫くの間である。そしてどの様なケースでも、好ましい流動性状況や十分な緩和状態を維持するに必要な限りである。

最後に、運営審議会はリファイナンスオペを通じて、適度な流動性を用意し続ける。(以下TLTRO  Vの項目は略)

運営審議会は全ての政策手段を、適切に調整する準備をしている。これにより、コミットメントに沿って持続的な方法で、インフレに向かわせることが確実になる。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表

また、ユーロスタッフによるGDP見直し、HICPインフレの予想が改定されました。

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表 2枚目の画像

(記者発表要旨と経済見通しの出所:ECB HPから)
GDP及びHICPは前回3月よりも上方修正されています。修正されたのは2021年と2022年迄で、2023年の伸び率は同じになっています。但し、前年比ベースですので、2023年が同じ伸び率なら、仮に2020年を100とすると、6月時(111.82)>3月時(110.54)となり、1.1%程度経済は拡大します。

ユーロドル相場はECB金融政策前に1.2174〜75付近で推移していましたが、ECBが予想通りの内容で、その後発表された米国消費者物価指数が市場予想を上回ったことから、ユーロは1.2144まで売られましたが、米国債が利益確定の債券買い戻しに米金利が緩むと小反発し1.2170で引けました。全般的に小動きで、大きなイベントはあまり材料視されませんでした。
尚、ECBラガルド総裁の記者会見内では、依然として先行き経済の不確実性は高い、債券購入ペースに関する議論では幾つかの異なる意見があったとしています。

相場は昨日の金融政策予想時に添付した週足チャートの状況と全く変わらず、来週のFOMCまで横流れしそうな雰囲気を持っています。
日足チャートでは目先のサポートが切れて、現在は1.2100〜1.2230の緩やかなユーロ安トレンドラインを形成しています。もし下限を切った場合は1.2050、1.1990〜1.2000のサポート。上値は週足ベースで1.2270がポイントになっています。
(6月11日10:30、1ユーロ=1.2183ドル)

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