欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想
本日はECB金融政策会合が開催され、その後ラガルド総裁の記者会見が予定されています。
欧州中央銀行政策金利予想(6月10日8時30分現在)
前回4月時の会合では、市場の予想通り金利及び債券購入などの政策は従来通りの据え置きとなりました。今回も全てのエコノミストがレンジなしの据え置き予想になっています。前回の会合以降5月央にかけドイツ10年債金利を中心に欧州金利が上昇しました。その後の金利は少し緩んでいますが、年初との比較ではまだ高い水準にいます。今回の金融政策の結果次第では、市場の金利に大きな影響がでます。
今回の注目点は以下が予想されています。
@ 今回会合では経済見通しの見直しがありますが、どの様な状況になるか。エコノミストはユーロスタッフの経済見通しに大きな変化がなく堅調なものが出ると分析しています。
A もし経済見通しを上方・下方いずれかに大きく修正した場合、その対応策の議論が出るか。
B 過去の会合では、委員間の先行き見通しにはほとんど齟齬がなかったが、今回ハト派とタカ派に分かれた議論がでるか。
C 2022年3月末までPEPP購入を決めているが、この期限に言及するか。その他の債券購入に関しても同様です。
D 欧州域内の金利高で地域間格差が広がり始めているが、これに対するコメントが出るか。
E ワクチン接種拡大に伴う、域内サービス業への好影響に言及するか。特に観光関連の拡大になった場合は夏を控え南欧中心に好影響となります。
F 21時半からのECBラガルド総裁の記者会見で突発な質問やその回答がでるか。
市場は大方中立姿勢で待っていますので、テーパリングに関する議論や景気拡大判断などが出れば、ユーロ選好になりそうです。その後、21時半からラガルド総裁の記者会見がありますが、この時間中、丁度米国の消費者物価指数(CPI)も発表されるので、もしCPIが予想よりも上下に振れればドルへの影響がでそうですが、記者会見中でもあり、直ぐにポジション調整される荒い値動きも予想されます。
下図はユーロドルの週足チャートです。中期の流れはラインA(=1.1660)とそこから平行線に上げたB(=1.2720)のユーロ高トレンドで推移しています。このトレンド内で、C(=1.1910)とD(=1.2270)で3角保合いの収斂を継続しています。更に目先は緑色のE(=1.2270)とF(=1.2340)の上昇ウェッジを形成していましたが、先週に下抜けているので、現状ではユーロの下押しリスクが高くなっています。最大でAまでの余地を残してはいますが、その前にCもあり、日足では1.2100〜10、1.2050、1.1990〜1.2000にサポートが控えています。どこまで下押しがあるかとなっています。上値はE越えの回復(すなわちDの上抜け)を見れば、Fの抵抗線を見ながらユーロ高トレンドに回帰することになります。
今日のECBで何もなければユーロ弱含み、そして米CPI・ECB総裁記者会見待ちになりそうです。
(2021年6月10日10:00、1ユーロ=1.2174ドル)
オーダー/ポジション状況
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