新規材料乏しく、基本は109円台での動き(6/7夕)

週明け7日の東京市場はレンジ取引。109円半ばを挟んでの一進一退で、次の材料待ちといった様相だった。

新規材料乏しく、基本は109円台での動き(6/7夕)

新規材料乏しく、基本は109円台での動き

〇本日のドル円、109.35-65と30ポイント未満のレンジ取引で方向性も乏しかった
〇主要な米株先物3指数はいずれも小幅ながらマイナス圏で推移
〇本日は目立った経済指標や金融当局者の発言イベントといった予定なし
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.10-110.00
〇110円レベルが最初の抵抗。超えれば直近高値の110.33が再び視界内に
〇本日東京でも下げ止まった109.35-40を割り込めば109円がターゲットに

<< 東京市場の動き >>

週明け7日の東京市場はレンジ取引。109円半ばを挟んでの一進一退で、次の材料待ちといった様相だった。

先週末は、開催されていたG7財務相会合で「各国共通の最低法人税率について少なくとも15%とする方針で合意」となった。また、毎日新聞が「日米首脳、中旬に行われるG7サミットで再会談する方向で調整に入った」などと報じたことも思惑を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は109円半ばで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。109.35-65円といった30ポイント未満のレンジ取引で方向性も乏しかった。ただ、NYダウをはじめとする主要な米株先物3指数はいずれも小幅ながらマイナス圏で推移しており、それを懸念する声も聞かれている。16時現在では、寄り付きとほぼ同じレベルで推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「いくつかの国際情勢」について。
前者は、中国外務省が尖閣周辺の中国公船航行を正当化するコメントを発表するとともに、日本による台湾へのワクチン提供に反発。「政治的なパフォーマンスに執着しないよう望む」などとし、不快感を示していた。また、米国に対しても、ブリンケン国務長官が、天安門事件に絡めて声明を発表したことを批判。「中国政府はあの政治的な騒ぎについて、すでに明確な結論を出している」としたうえで、「内政干渉であり、断固反対する」と指摘していた。そうしたなか、中露外相が電話会談を行い、ロシアは「中国の立場を支持している」と評価したと中国サイドから発表されている。日米欧vs中露といった構図がさらに鮮明になった格好だ。

対して後者は、まず開催されていたG7財務相会合で、「各国共通の最低法人税率について少なくとも15%とする方針で合意」。また、別途開催されたAPEC貿易相会合は「安全で質の高く、低廉なワクチンの製造と分配を早急に加速する必要がある」とした共同声明を採択し閉幕している。一方、11日から実施されるG7サミットについて、議長国を務める英国のジョンソン首相が「来年末までに全世界でワクチン接種」との目標を提案すると発表されたほか、先で取り上げた毎日新聞報道、さらに共同通信では「ゲストとして参加する文韓国大統領との、日韓首脳会談を設定しない方針を固めた」と報じていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、先週110.33円のドル戻り高値を記録したものの、レンジの上放れに失敗。足もとは109.30-110.30円という新たなレンジのなかでの値動きだ。ただ、本日の東京時間では、その下限割れを意識した動きも観測されており、一転してのドル下値トライにも要注意。もっとも、先で指摘した「ドル戻り高値更新もダマシの動き」のように、「底割れし目先安値更新もやはりダマシ」となる可能性もある。
先週末に発表された米雇用統計は予想値を下回り失望を誘ったが、数字そのものは決して悪くなかった。そのため、市場ではこのあと発表される米経済指標が再び改善傾向を示せば、ドル買いの要因になるとの見方も少なくない。しかしながら、本日は目立った経済指標や金融当局者の発言イベントといった予定は観測されておらず、基本的には様子見か。次の材料待ちで往来相場が短期的には続く可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は109.30-110.30円といった新レンジを形成している。ただ、足もとはその下限へと接近しており、このままズルズルと下回っていくのか否かに注目だ。ちなみに、109.30円レベルはレンジ下限にあたるだけでなく、移動平均の21日線も近くに位置するだけに、しっかり割り込めばドルの下値余地が広がることにもなりかねない。下回ると、1円程度下の108.30円レベルが次のターゲットに。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日は目立った米経済指標や金融当局者の発言イベントといった予定は観測されておらず、やや動きにくそうな雰囲気。また、米国以外でもさほど大きな材料はないものの、中国外務省によると7-8日に「中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議と、ミャンマーなどメコン川流域国との会議」が行われる見込みだという。中国外相と各国外相の個別会談も実施される予定とされ、欧米を中心とした中国包囲網に対抗するものとして警戒を抱く声もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.10-110.00円。先週末もかなりアッサリと下回ってきた110円レベルが最初の抵抗。超えれば直近高値の110.33円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は先週末の米雇用統計発表後安値であり、本日東京でも下げ止まった109.35-40円をめぐる攻防に注目。移動平均の21日線も近い。割り込むようだと、109円がターゲットとなりそうだ。

新規材料乏しく、基本は109円台での動き

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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