豪ドル/円、強気の流れを維持。84円割れで終えた場合は下値リスクが点灯。
6/1、豪州準備銀行は市場の予想通り政策金利(キャッシュ・レート)を0.1%に据え置きました。声明の内容にも特筆すべき変化はありませんでした。また、同日発表の1-3月期の経常収支は、182億8,300万豪ドルの黒字となり、8四半期連続の黒字でした。黒字額が過去最高となりましたが、為替市場はこれらには大きな反応はなく下値をやや切り上げる程度に留まりました。また、6/2に発表された、豪1-3月期のGDPは前期比+1.8%と前期の+3.1%を下回りましたが市場予想の+1.5%を上回りました。統計局は「経済活動はパンデミック前の水準を回復した」と公言しています。また、6/3に発表された4月の貿易収支は80.28億ドルの黒字となり、前月の57.94億ドルから黒字幅が拡大しました。鉄鉱石などの輸出が+3%となる一方、輸入が▼3.0%したことが要因ですが、為替相場には影響がありませんでした。
むしろ、今週は米経済指標が良好なものが多く発表されてドル高の流れが優勢となっており、本日も米5月の米雇用統計発表を控えていることから、様子見の展開となっています。市場予想は、失業率5.9%(4月:6.1%)、非農業部門就業者数+655千人(同:+266千人)ですが、市場はこれを織り込んで米長期金利が上昇傾向にあり、為替相場もドル全面高の傾向を強めています。
チャートを見ると、日足は84.00〜85.00のレンジ内の推移に留まっていますが、直近の日足(6/3)が85円台乗せに失敗して陰線引けとなり、単体では下値リスクがやや高いものです。現状は短期トレンドに変化が認められませんが、84円台を維持できずに終えた場合は日足の形状が悪化して、下値リスクがやや高くなります。また、対ドルで0.7650-60の抵抗を割り込んで終えた場合は対円でも下値リスクがやや高くなります。さらに0.7600割れで終えた場合や、豪ドル/円が83.50割れで終えた場合は短期トレンドが変化して、対円での下落余地が一段と拡がり易くなります。逆に85.10-20の日足の抵抗を終値ベースでしっかり上抜けた場合や、週足が85.30超えで越週した場合は、下値リスクが後退して再び上値追いの流れが強まり易くなります。日足の上値抵抗は、84.80-90,85.10-20,85.40-50,85.70-80に、下値抵抗は84.20-30,84.00-10,83.50-60にあります。21日移動平均線は84.74にあり、若干下抜けていますが“ダマシ”の範囲内です。また、120日、200日移動平均線は、82.58と80.00に位置しており、中期トレンドは“豪ドル強気”の流れにあります。
一方直近の週足は小陽線で切り返しましたが、85円台を回復しておらず、単体でも上昇余力に欠けるものです。短期トレンドの変化は認められませんが、昨年10月に付けた73.14を基点として下値を切り上げて来たサポートラインから若干下抜けた位置で越週しており、下値リスクが点灯中です。週足が85.30超えで越週しない限り、このサポートライン上に戻せないことから、上値余地が限られる可能性に注意が必要です。また、83.50以下で越週した場合は短期トレンドが変化して一段の下落に繋がり易くなります。週足の上値抵抗は85.20-30,85.70-80に、下値抵抗は84.20-30,83.50-60にあります。31週、62週移動平均線は81.42と77.44に位置しており、中期トレンドは“豪ドル強気”の流れに変わりありません。
6/3現在、31週、62週移動平均線は81.42と77.44に位置しており中期トレンドは“豪ドル強気”の流れにある。
オーダー/ポジション状況
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