トルコリラ月足 6月3日アップデート
月曜のトルコリラレポートでは、中銀副総裁解任により着実にエルドアン大統領が望む利下げへの布石と取ることが出来ること、次回以降の中銀会合で利下げが行われるリスクが出てきたことを書きました。
そしてエルドアン大統領は1日NY引け後に「中銀総裁と会見し利下げの必要がある」ことを話したと、中銀の独立性を無視し自身が望む方向へ圧力をかけたとしか取れない発表を行いました。この発表を受け、ドルトルコリラは8.7378レベルとトルコリラの史上最安値を更新、トルコリラ円も12.40レベルまで急落しましたが、こちらは昨年11月安値の12.01レベルはトライしないで済みました。
その後、中銀総裁はタカ派の発言を行ったことでだいぶ戻してはいますが、長期的にはかなり危ない状態が続いていることはたしかです。2010年からのドルトルコリラとトルコリラ円の月足チャートをご覧ください。
上段がドルトルコリラ、下段がトルコリラ円で、紫の四角は1年間です。トルコリラの下降トレンドという点では、対ドルでは10年間ずっと、対円では2013年以降ずっとという流れです。そして月足で見ると対円でも史上最安値への値幅などわずかです。
次回外合で中銀が現状維持、エルドアン大統領が中銀総裁解任、トルコリラは対ドル対円ともに更なる下落という動きが起きそうな気もしますので、6月17日の中銀会合に向けての思惑と結果がどうなるのか、トルコリラにとっては最大のヤマ場を迎えることとなりそうです。
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