ドル高基調継続も、本日に限れば上げ渋りか(5/31夕)

週明け31日の東京市場はドルが小安い。本日はNY市場などが休場になることもあり、全般的に売買は見送りムードだった。

ドル高基調継続も、本日に限れば上げ渋りか(5/31夕)

ドル高基調継続も、本日に限れば上げ渋りか

〇ドル円、当初ドル買い先行で日中高値109.90-95と小幅に値を上げるも続かず、後にドル売り優勢へ
〇新型コロナ、フィリピンで新変異株確認などアジア圏中心に再び危険な雰囲気に、続報に注意
〇ドル円、上値重たく目先は109円台後半を中心とした強保ち合いを続ける可能性
〇本日、米英市場が休場で材料乏しくも月末の駆け込み需給要因には要注意なるも基本は小動きか
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.30-110.00

<< 東京市場の動き >>

週明け31日の東京市場はドルが小安い。本日はNY市場などが休場になることもあり、全般的に売買は見送りムードだった。

先週末は、新型コロナをめぐり、フィリピンで「新変異株を確認」といった報道が観測されたうえ、バイデン米大統領が6月16日の米露首脳会談で、「プーチン氏に人権問題を提起する」などと発言したことが思惑を呼んでいた。
そうした状況下、ドル/円は109.80円レベルで寄り付いたのち、当初はドル買い先行。日中高値である109.90-95円へと小幅に値を上げるも続かなかった。その後は逆にドル売りが優勢となり、109.60-65円へ。上下のレベルを確認したのちは揉み合いで、16時現在109.75-80円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「ロシア情勢」について。
前者は、前述した「フィリピンで新変異株確認」との報道に加え、マレーシア首相が6月1日から2週間の都市封鎖を発表するなど、アジア圏を中心に再びキナ臭い雰囲気が感じられるようになってきた。追加情報などには十分に注意を払いたい。そうしたなか、先週末に「米国が中国武漢研究所漏えい説に再傾斜」したとして思惑を呼んだが、今度は英紙サンデー・タイムズが「英情報機関も米の『コロナ武漢研究所説』に同調」などと報じたことが物議を醸していたようだ。なお、前述した英紙では「起源解明へ追加調査を命じたバイデン米政権の情報機関とも連携している」と指摘している。

対して後者は、ロシアのプーチン大統領がベラルーシのルカシェンコ大統領と会談を行い、プーチン氏が「ベラルーシ支持を再表明した」ことが明らかに。その一方、米報道官は「ベラルーシに強制着陸の調査受け入れ要求」する旨の発言を行っており、ベラルーシを介し、米露の対立も改めて懸念されていた。そのほか、前段で取り上げた米露首脳会談をにらんだバイデン発言や、米国務省による「ロシアが条約順守に向けていかなる行動も取っていない」ことを理由に挙げての「領空開放(オープンスカイズ)条約に復帰しない」との正式表明が聞かれている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は先週末に一時110円を超え、110.20円まで上値を伸ばすもNYクローズは109円台後半。分厚い売り物に押され、押し戻されてきた格好だ。リスクという意味では引き続きドル高方向にバイアスがかかるものの、本日東京では一度も110円に乗せることができないなど、その上値は引き続き重そう。目先は109円台後半を中心とした強保ち合いを続ける可能性もあるだろう。
市場は依然として広義の米ファンダメンタルズと金利要因を注視しているものの、本日は英国市場ともに米国市場が休場となる。そのため、米経済指標の発表のほか、地区連銀総裁など通貨当局者の講演なども、とくには予定されていない。手掛かり材料に乏しく、やや動きにくそうな雰囲気だ。もっとも、月末最終日ということもあり、薄商いのなかの駆け込み的な需給要因などには一応注意したい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末に形成しているレンジをザラ場ベースで上抜けたものの、NYクローズベースでは回帰。断定するには早いものの、昨年来の相場に多い「ダマシ」の可能性もあり得る。そうした懸念を打破するには、一刻も早い110円回復、そして先週末高値110.20円超えが望まれるところだ。しっかり超えれば、110.97円の年初来高値が視界内に。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料だが、英米市場の休場もあり、基本的には手掛かり要因に乏しい。これといった米経済指標の発表がないだけでなく、要人の講演など発言機会も米国だけでなく欧州を含めてもほとんど予定されていない。突発的な要因がなければ、基本は小動きか。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.30-110.00円。本日東京で超えられなかった110円レベルが再び目先の抵抗に。抜ければ110.20円がターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、短期的に割り込んだら若干雰囲気が変わりそうな109円半ばの攻防に注目。しっかり下回ると109.20-30円、そして109円が意識されそうだ。

ドル高基調継続も、本日に限れば上げ渋りか

ドル円日足


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