トルコリラ円レポート月曜版(2021年5月31日)

実際のレンジは、安値が12.76レベル、高値が12.97レベルとなり、ほぼ予想レンジの中で若干狭い値幅での取引となった一週間でした。

トルコリラ円レポート月曜版(2021年5月31日)

トルコリラ円レポート月曜版

〇先週のトルコリラ円、安値12.76レベル、高値12.97レベルと狭い値幅での取引に
〇週前半の下げはトルコ中銀副総裁解任によるもの、今回の解任で次回会合で利下げのリスクが出てきたか
〇週末はバイデン政権の財政出動提案によるドル買いの動きが対トルコリラでも見られた
〇今週のトルコリラの材料は本日のGDPに注目、前回よりも強い数字の予想
〇今週は12.55レベルをサポートに12.90レベルをレジスタンスとする流れと見る

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「下降チャンネルの中を4月26日安値12.68レベルに向かってトルコリラ安継続、12.70レベルをサポートに大台13.00レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が12.76レベル、高値が12.97レベルとなり、ほぼ予想レンジの中で若干狭い値幅での取引となった一週間でした。

先週のトルコリラは、週前半に下げていったん週末に向けて買い戻しが出たものの週末を前に再び下げて週間安値を更新しての引けとなりました。まず週前半25日の下げですが、これはエルドアン大統領がトルコ中銀副総裁を解任したことによるものです。エルドアン大統領は過去2年間にトルコ中銀総裁を3回解任していますが、4人いる副総裁のうちの一人も前回の総裁解任と時を同じくして解任されていますので、これで半分が入れ替わることとなります。

エルドアン大統領が望む利下げへの布石と取ることが出来、現在のトルコではCPIも高くカブジュオール総裁が発言では引き締めスタンスを維持すると言いながらも中銀声明ではタカ派的な表現を削除していますので、今回の副総裁入れ替えを考えるとどうも次回以降の中銀会合で利下げが行われるリスクが出てきたというところではないでしょうか。

その後いったん持ち直したものの週末に向けてはバイデン政権による財政出動提案によるドル買いの動きが対トルコリラでも見られ、しかも直近高値を上抜けたことで昨年11月につけたドルトルコリラの史上最高値(トルコリラ最安値)8.5776レベルを上抜け8.6097レベルと初の8.6台を見ることとなりました。この動きでドルトルコリラは改めて買いが強まっての週末クローズとなったわけです。

トルコリラ円レポート月曜版

今週のトルコリラ材料としては本日のGDPが注目されますが前回(前年比+5.9%)よりも強い数字が出ると予想されていますが、どうも強い数字が出ても絶好の戻り売りの場を提供するような気がしてなりません。ドルトルコリラだけでなくトルコリラ円も下値不安が着実に増大しています。

次にトルコリラ円の週足もご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版 2枚目の画像

ドルトルコリラの高値(トルコルラ安値)をつけた昨年11月安値の12.01レベルまでまだ距離はありますが、現状でレジスタンスライン(ピンク)は着実に高値を切り下げています。また市場最安値とその後の戻しの78.6%(61.8%の平方根)押し12.70がサポートになっていますが、先週時点で3度目のトライをしている最中に見え、ここを抜けると史上最安値をターゲットに売りが加速しそうなチャートです。
今週も一段安に注意が必要と言わざるを得ないようです。

いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版 3枚目の画像

先週も示した下降チャンネル以外のラインは全て消して、チャンネルのみを表示しましたが、今週もこのチャンネル内を下げていく展開がもっとも可能性が高そうに見えます。
今週は12.55レベルをサポートに12.90レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。



注:ポイント要約は編集部

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