米連邦公開市場委員会(FOMC)での議事録要旨(21/5/20)

昨日、FOMC議事録の公表がありました。

米連邦公開市場委員会(FOMC)での議事録要旨(21/5/20)

米連邦公開市場委員会(FOMC)での議事録要旨

(2021年4月27日・28日開催分)

昨日、FOMC議事録の公表がありました。内容は米経済が前回の見通しより更に強くなったが、これまで通り、FRBの使命である最大雇用とインフレ2%を達成するには、現行の緩和政策を継続することとなりました。但し、経済回復の勢いが強まった場合は、債券購入縮小に関する議論を行うと指摘した委員がいました。以下は昨日公表の議事録の一部和訳です。
次回は6月16日(水曜日)に予定されています。

スタッフによる経済見通し

4月会合に向けてスタッフが作成した経済予想は、3月時予想よりも幾分強まった。
・2022年と2023年のGDPは弱まると予想していたが、高度な緩和策が継続すると予想され、失業率が歴史的水準まで下がることによって、実質GDPの伸びはこの期間も潜在成長率を上回ると引き続き予想している。

スタッフのインフレ見通しは大きくは変わらなかった。年率ベースのPCE全体とコアはエネルギー価格の上昇もあり、今後数ヶ月2%を越えると予想され、コアインフレは年末に向け下がると予想している。しかし、2021年末辺りでは2%を越えると予想している。その後、供給のボトルネックインフレの影響もあり、また経過要因も無くなることで、2022年には一時的に2%を下回る水準まで下がると予想している。その後は2023年末には2%に回帰すると予想。
・スタッフはまだ経済活動に関するベースラインの見通しへのリスクとしては下方に傾いていると見ている。将来に対する不確実性は高いままである。

参加者の現状と経済見通し

参加者はここ数ヶ月、労働市場の改善が継続していると論評している。3月の雇用増は強かった。そして失業率は6%まで下がった。それでも参加者は現行の経済が、最大雇用の目標を含め、委員会の幅広く想定したベースへの達成には程遠いと判断した。
・雇用はパンデミック前と比べ840万人も下回っている。幾人かの参加者は労働市場の回復が収入水準のグループ間や部門間で、人口統計学でみて均一でない状態が続いている事を指摘している。
・これらの地域での企業への聞き取り報告では、例えば早期退職、健康に関する関心、育児責任、拡大する失業保険給付の恩恵など雇用中の労働者のトラブルに関する問題について、参加者は確認している。多くの参加者はこれらの問題がパンデミック前よりも労働参加率を下げていると指摘している。

金融政策の現状を考慮するに、参加者はこの困難な時期に米国経済を下支えするにはあらゆる手立てを使うとするFRBの約束を再確認した。これにより最大雇用と物価安定の法定使命を促進していける。
・参加者は経済がまだ委員会の長期目標からは程遠いことで合意した。更に先行きの道のりはウィルスの進展状況次第で、見通しのリスクも残っている。結果、参加者は現行の金融政策やガイダンスが、一段の経済回復を育み、同時にインフレを暫く平均2%とし、長期インフレ期待を2%に留めておくには適切であると判断した。

参加者はFFレートと債券購入の現行ガイダンスが経済を良くするに役立っていると判断した。幾人かの参加者は成果ベースのガイダンスに関する重要点として、委員会の目標に向けての進展具合を観察することに関し、現行政策が設定されていることを強調した。しかしながら、2・3の参加者は政策による反動に誘発され、十分な(インフレの)証拠を確認する前に、インフレ圧力のリスクが歓迎されない水準まで高まってくることを指摘した。
・FRBの債券購入の議論の中で、様々な参加者は、最大雇用と物価安定に向けて、経済が確りとした一段の進展を見る迄は暫く時間かかるだろうと指摘した。
・委員会の成果ベースのガイダンスと一致するよう、債券購入は少なくとも現行ペースで継続を続けていく。

幾人かの参加者はもし経済が委員会の目標に向けて急速に進展し続けたら、債券購入ペースの調整に向けての計画を議論し始める会合を持つことが適切であると示唆した。
(以下の委員会政策に関する行動の項目については略します。尚、全員一致で賛成しています。)
(以上)

 (注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP

昨日のFOMC議事録発表時のユーロドル相場は1.2205〜10付近で推移していましたが、経済成長加速の場合はテーパリングの議論を行うことが適切との記述にドルが強含み、30ピップス程度ユーロが売られました。
下図はユーロドルの日足チャートです。3月末のユーロ底打ちから短期的にラインA(=1.2050)とB(=1.2290)でユーロ高トレンドを形成しています。昨日までの直近2手で2月25日高値C(=1.2243)とダブルトップを付けています。
もしここを上抜けてくればB方向を狙える位置にきます。逆に、もう一段の調整が入ると目先のサポートD(=1.205)が下値目途になりそうで、更にこれを切ればAまでのトライに繋がる形となります。

米連邦公開市場委員会(FOMC)での議事録要旨

(2021年5月20日13:00、1ユーロ=1.2181ドル) 

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