ドル円 ドルは上値トライ失敗、新レンジ形成か(5/17夕)

週明け17日の東京市場は、ドルが冴えない。一時ドル買いが優勢となり109円半ばへと上昇するも続かず、結局「行って来い」に。

ドル円 ドルは上値トライ失敗、新レンジ形成か(5/17夕)

ドルは上値トライ失敗、新レンジ形成か

〇本日のドル円、一時ドル買いが優勢となり109円半ばへと上昇するも続かず
〇夕方には下げ足を速め寄り付きレベルを下回る109.15前後へ
〇ドルの上値トライはダマシ、短期的にはドルの続落に注意
〇本日は5月NY連銀製造業景況指数やNAHB住宅市場指数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.70-109.70

<< 東京市場の動き >>

週明け17日の東京市場は、ドルが冴えない。一時ドル買いが優勢となり109円半ばへと上昇するも続かず、結局「行って来い」に。

先週末には、新華社が「中国の無人探査機、火星への着陸に成功した」と報じ話題に。また別に米国ではバイデン米大統領がトランプ氏の措置を撤回する「移民ビザ制限を緩和」と発表し、一部で思惑を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は109.20-25円で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。日中高値である109円半ばへと値を上げた。しかし勢いは続かず、軟落に転じると「行って来い」に。夕方に掛けては下げ足を速めると、寄り付きレベルを下回る109.15円前後へ。16時現在そのままドルは安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、それとは別に週末から本日にかけて暗号資産(仮想通貨)ビットコインが荒れ模様。米自動車メーカー・テスラのマスクCEO発言をめぐり、乱高下をたどっていたという。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、前述した「中国の無人探査機、火星への着陸に成功」との話題に加え、香港紙が「中国、新たに076型強襲揚陸艦の開発を進めている」と報じていた。ともに、中国の軍事力を示すものとして警戒感を抱く向きは少なくなく、海洋問題で揉めている米国だけでなく台湾や日本、豪州などとの諍いの行方にも要注意だ。なお、それとは別に共同通信は「中国が『学問の自由』認めず、監視強化により完全に否定された形に」などと報じたことで、憶測を呼んでいた感もある。

対して後者は、ロシア政府が「米国を敵対的な行動を取る『非友好国』に指定する」と発表し話題に。また、ロシア政府は米政府系の報道機関「自由欧州放送」の口座を凍結したようで、米国務省から憂慮ならびに批判のコメントが聞かれていた。そうしたなか米CNNが「ロシアは北極圏で前例のない軍備増強を進めると同時に、最新鋭兵器の試験を行っている」と報じている。中国とともにロシアも、米国の「目の上のたん瘤」になっている感を否めず、今後の動静に注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、先週13日に一時109.78円を示現し短期のレンジを上放れするも続かず。その後、元のレンジへと回帰しただけでなく、本日東京時間には109.10円台まで値を崩している。まだ断定はできないが、ドルの上値トライは「ダマシ」だったと言わざるを得ないような値動きだ。短期的には、むしろドルの続落に注意を払いたい。かつて形成していたレンジを上方向に若干拡大させただけの、108.34-109.78円という新レンジを今後形成する可能性もある。

材料的には、2つの気になる要因があり、ひとつは先でも取り上げた「中国そしてロシアの情勢」。さらに付け加えるなら、国連安保理が緊急会合を開くとともに即時停戦要求が相次いだ「ギザ情勢(イスラエルとパレスチナ軍事衝突)」といった国際情勢にも注意を払いたい。また、もうひとつは米ファンダメンタルズならびにインフレ動向になる。そのなかでもまずは発表される米経済指標、そして地区連銀総裁などの要人発言を警戒する声が優勢だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末にかけ短期レンジを上抜けするも失敗に終わる。少なくとも、仕切り直しになったことは間違いなく、短期的には次の一手に注目だ。前述したように108.34-109.78円という新レンジ形成することになるのか、それともしっかりとした次の方向性を示すことになるのか、先行きをしっかりと見極めたい。なお、金融市場の一部ではイスラム教における「ラマダン」が先日明けたことにより、今後相場が動意づく可能性も取り沙汰されていた。

一方、本日の新規材料としては、5月のNY連銀製造業景況指数や同NAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表される予定のほか、クラリダFRB副議長やアトランタ連銀総裁による発言機会も見込まれており、それらには注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.70-109.70円。本日東京高値である109円半ばの攻防にまずは注目。上抜ければ先週高値の109.78円、あるいは110円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、東京安値の109.15円前後が目先のサポートとして取り沙汰されている。下回った場合には109円割れも否定できない。

ドルは上値トライ失敗、新レンジ形成か

ドル円日足


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