シカゴポジション(CME)282
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年5月11日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは総じて様子見になりました。豪ドルは相変わらず方向感なく、NZドルは小幅のロング積み増し、ドル円は総枚数・ポジション共に横這いとなりました。先週の締日までで、相場は108円35銭の底値がありましたが、シカゴは押し目買いをしていないので、ドル先高観に迷いがあるようです。そして締日以降に109円台乗せとなっているので、明日の締日でドルロングが減ると、先行きのドル高狙いに変化起きる可能性あります。その際には円全面安の流れにも影響するので、要注意となります。ユーロは引き続きロングを積み上げています。目安となる10万枚乗せを継続すると、次は15万枚狙いとなりますので、来週以降のポジション状況に注目したいと思います。
シカゴはNZドルのロングを4週連続で積み増してきました。ポジションの内訳はロングが僅か6枚増でしたが、ショート750枚減で、差し引き750枚のロング増です。ポジション的には前週に続きショートを減らしているので、リスク低減下でのNZドル先高観です。目安となる1万枚手前までロングを増やしていますが、NZドルの先高観強いポジションメークにはなっていません。チャートを見ると、赤のNZドル高トレンドライン下限で止められています。結局締日に越えることができず、現在は0.7275で抵抗線になっています。引き続き明日の締日で越えられるか否かを確認します。黒のサポートは0.7090付近にあるので、今日・明日でここを割る可能性は低いとみていますが、下限も注意したいと思います。
さて実際の相場は、先週段階で0.7110〜0.7320のNZドル高トレンドライン内にあるとしましたが、先週水曜日のNZドル急落で、翌木曜日に20ピップス程度下ヒゲで抜けてから、トレンドライン内に戻しています。この下ヒゲを勘案して引き直しすると0.7150〜0.7360のレンジになっています。このレンジ内の分岐点は0.7270にあるので、越えれば0.7360方向へのトライに入れます。逆に維持できないと再度0.7150の底値確認の動きとなります。万一、サポートを切った場合は、豪ドル同様にトレンド開始時点の0.6940付近までの可能性が広がります。豪ドルと同じ流れになると思いますが、シカゴはNZドルロングが大きい分、手仕舞った場合は予想外に早い下押しとなりそうです。(1NZドル=0.7216ドル、5月17日13:45)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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