『堅調推移が継続中。約1年4ヵ月ぶり高値圏へ続伸』
〇南アランド円指標の不冴え信用格付悪化懸念等で4日に7.50まで低下
〇その後はPMIの改善、汚職議員の停職処分、リスク選好の回復に7.73まで急伸、高値圏で越週
〇南ア円1年以上にわたる上昇続き、週末にかけては1年4ヶ月ぶり高値を示現、テクニカル強い
〇ファンダメンタルズも南アランドサポート材料増える
〇南アランド続伸がメインシナリオ、来週の予想レンジ(ZARJPY):7.55ー7.85
今週のレビュー(5/3−5/7)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.53円で寄り付いた後、@南ア4月製造業PMI(結果56.2、予想57.4)の冴えない結果や、Aムーディーズによる信用格付け見直しイベントへの警戒感を背景に、翌5/4に、週間安値7.50円まで下落しました。しかし、一目均衡表基準線に続落を阻まれると、B南ア4月スタンダード銀行PMI(結果53.7,予想50.5)の力強い結果や、C与党アフリカ民族会議(ANC)が、汚職疑惑で起訴されていた高官に停職処分の判断を下したこと、D米4月雇用統計の冴えない結果(米早期テーパリング観測後退→米長期金利低下→リスク選好の株高)が支援材料となり、週末にかけて、昨年1/13以来、約1年4ヵ月ぶり高値となる7.73円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局7.71円前後での越週となっております。
来週の見通し(5/10−5/14)
南アフリカランド円相場は昨年4/24に記録した安値5.60円をボトムに約1年以上にわたり上昇トレンドが続いております(週末にかけて約1年4ヵ月ぶり高値となる7.73円を示現)。この間、200日移動平均線や90日移動平均線をはじめ主要チャートポイントを軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダー、ダウ理論における上昇トレンド(高値と安値を同時に切り上げるチャートパターン)も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となっております。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南ア中銀による利上げ観測(先週発表された消費者物価指数、生産者物価指数が共に市場予想を上回る結果となったことで、南ア中銀に利上げ観測が再燃→資金流入期待)や、Aバイデン政権による親アフリカ政策への期待感、B米早期テーパリング観測の後退(リスク選好ムード)など、南アランドのサポート材料が増えつつあります(※但し、本日この後予定されているムーディーズによる格付発表や、週末の南ア政府と南ア公務員組合との労働交渉の結果次第では週明けの相場が荒れる可能性もあり要警戒)。
以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(来週は5/11の南ア3月製造業生産高に注目。力強い結果となれば、2019年12月27日に記録した直近高値7.83円を試すシナリオも射程圏内に)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.55ー7.85
注:ポイント要約は編集部
南アランド円日足
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