トルコリラ円レポート月曜版(2021年5月3日)

先週のトルコリラ円は、安値が12.68レベル、高値が13.31レベルとなり13円の大台を回復して底堅い推移で一週間を終わりました。

トルコリラ円レポート月曜版(2021年5月3日)

トルコリラ円レポート月曜版

〇先週のトルコリラ円、13円の大台を回復して底堅い推移の一週間
〇今週の中銀会合を前にいったん売りポジションを減らしたというポジション調整がきっかけ
〇6月のNATOサミットで米国との関係改善対話期待もトルコリラ買い戻しの一要因
〇トルコ中銀の政策金利決定会合、コンセンサスは現状維持
〇インフレ率が上昇する中での金利現状維持の動きに、会合後にトルコリラ売りで反応しやすいと見る
〇5/17までのロックダウンも今後のトルコリラ売り材料にされやすい
〇今週は12.75レベルをサポートに、13.30レベルをレジスタンスとする

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「前週の下げを継続する流れを考え、12.40レベルをサポートに13.00レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が12.68レベル、高値が13.31レベルとなり、週初こそ前週安値を下回ったものの切り返しも大きく13円の大台を回復して底堅い推移で一週間を終わりました。

先週のトルコリラは、週初は前週の米国によるジェノサイド(大量虐殺)認定が重石となってのスタートを切ったものの、アーバル前中銀総裁解任直後につけた3月安値12.65レベルを前にしてトライしきれずに反発することとなりました。またジェノサイド認定の話が出た23日の電話会談において直接対面による首脳会談も6月のNATOサミット時に行われることが決まっていますが、その席で米国との関係改善につながる話が行われるとの期待もトルコリラ買い戻しの一要因とされていました。

しかし、これはまだ随分先のことですから、今週の中銀会合を前にいったん売りポジションを減らしたというポジション調整がきっかけとなったに過ぎないと見ています。そしてそのトルコ中銀の政策金利決定会合ですが、コンセンサスは現状維持です。会合を前にして本日3日には4月CPIの発表がありますが、前回の16.19%から1%高い17.2%という予想が出ています。

カブジュオールトルコ中銀総裁は発言では引き締めスタンスを維持するとは言っているものの、先月の会合では声明が変更されたことで、今回の会合以降の追加引き締めの可能性がほぼ無くなってきていることから、インフレ率が上昇する中での金利は現状維持という動きに対して市場参加者はイベント後にトルコリラ売りで反応しやすいのではないかと見ています。

またトルコ国内では新型コロナの感染者数が4月下旬にピークアウトしてはいるものの4月29日から5月17日までのロックダウンが実施されています。これはラマダンとラマダン後のイード祭を含む期間が対象となっていますが、このロックダウンもトルコ経済の回復の遅れにつながることから、今後のトルコリラ売り材料にされやすいと考えた方がよいでしょう。

先週の安値からの反発自体が特段の好材料があったわけでもなく、引き続き悪材料が出やすい状況の中、今週もトルコリラの戻り売りを探る週になりやすいはずです。

テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版

先週引いたレジスタンスライン(青)は上抜けていますが、アーバル前総裁解任後のレジスタンスライン(ピンク)はいまだに有効で、先週高値も同ラインで反落しています。現行水準からあまりに近いため、同ラインを全く抜けないということも考えにくいものの、抜けても先週高値を上抜けるほどの勢いは無いというところだと思います。

下値は引き続き前総裁解任後の安値(ピンクの水平線)が視野に入ってきますが、先週トライしきれなかったことから今週は先週のレンジの中で上値が重い展開を考えます。今週は12.75レベルをサポートに、13.30レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

注:ポイント要約は編集部

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