南アランド週報:『約1年3ヵ月ぶり高値圏へ上昇。力強い動きが継続中』(5/1朝)

南アフリカランド円相場は昨年4/24に記録した安値5.60円をボトムに約1年にわたり上昇トレンドが続いております。

南アランド週報:『約1年3ヵ月ぶり高値圏へ上昇。力強い動きが継続中』(5/1朝)

『約1年3ヵ月ぶり高値圏へ上昇。力強い動きが継続中』

〇今週の南ア円週後半にかけ7.69まで上昇、1年3か月ぶりの高値圏、買い一巡後は反落7.53で越週
〇南ア指標の好調、追加利上げ観測、JPMCの投資判断引き上げが支援
〇南ア円昨年4/24のボトム5.60から1年に亘る上昇トレンド続く
〇テクニカルにはさらなる上昇意識させるチャート形状
〇ファンダメンタルズも強いが、世界的過剰流動性相場逆流、南ア公務員労組ストリスク等不安材料も
〇引き続き、南アランド円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.35ー7.70

今週のレビュー(4/26−4/30)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.55円で寄り付いた後、@南ア3月生産者物価指数(結果5.2%、予想4.7%、※前年比)の伸び率上昇や、A上記@を背景とした南ア中銀の追加利上げ観測、Bブリンケン米国務長官による「ケニアとの自由貿易を望んでいる」との発言(米国の親アフリカ政策への期待感)、C米JPモルガンチェースによる南アフリカランドの投資判断引き上げ(マーケットウエート→オーバーウエート)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値7.69円(年初来高値を更新し、昨年1/10以来、約1年3ヵ月ぶり高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、D短期筋の利食い売りや、E新型コロナウイルスの感染拡大、F米中対立激化懸念の高まり(バイデン米大統領は中国への対抗姿勢を明確化)、G米早期テーパリング観測の再燃が重石となり、週末にかけて、週間安値7.52円まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、結局7.53円前後での越週となっております。

来週の見通し(5/3−5/7)

南アフリカランド円相場は昨年4/24に記録した安値5.60円をボトムに約1年にわたり上昇トレンドが続いております。この間、200日移動平均線や90日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や、移動平均線のパーフェクトオーダー、ダウ理論に於ける上昇トレンドが全て成立するなど、テクニカル的に見て、更なる上昇を意識させるチャート形状となっております(240分足等の下位足で見ても強い買いシグナルが継続中)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南ア中銀による追加利上げ観測(消費者物価指数や生産者物価指数が市場予想を上回る結果)や、Aバイデン政権による親アフリカ政策への期待感など、南アランドのサポート材料が増えつつあります。但し、B中国による金融引き締め観測やカナダ中銀によるテーパリング決定など、水面下で過剰流動性相場の逆流リスクがくすぶり始めている点、C南ア政府と公務員労働組合の賃金交渉を経て、ストライキに発展するリスクが残っている点には留意が必要でしょう。

以上の通り、南アランド円相場は、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも、アップサイドリスクが警戒されます。株式市場の動向や、商品市況の値動き(特に南アフリカの主要産品の一つであるプラチナ価格)、米中を巡るヘッドライン、新型コロナウイルスに関する続報を睨みながらも、当方では引き続き、南アランド円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(来週は5/7に予定されている格付大手ムーディーズ社による格付見直しに注目)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.35ー7.70

注:ポイント要約は編集部

『約1年3ヵ月ぶり高値圏へ上昇。力強い動きが継続中』

南アフリカランド円日足

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