ランド円レポート月曜版
〇先週のランド円は安値7.49レベル、高値が7.62レベルと横方向の狭い値幅での取引に終始
〇前週末の日米首脳会談で米国が対中姿勢を強めていたことも南アフリカにとって悪材料に
〇将来的なテーパリングが早期に行われる可能性は新興国通貨の上値を抑える材料に
〇今週はPPIと貿易収支発表、予想通りや予想より高い数字が出れば利上げ思惑が高まる可能性
〇今週は7.45レベルをサポートに、7.65レベルをレジスタンスとする週
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「上昇ウェッジの中での動きを続けると見て、7.47レベルをサポートに7.72レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.49レベル、高値が7.62レベルとなり、前週のレンジの中で横方向の狭い値幅での取引に終始しました。
先週のランドは、昨年高値7.74、2019年12月高値7.81というテクニカルに重要な水準を前週トライしきれなかったことから利食いを中心として上値の重たい展開でスタートしましたが、前週末の日米首脳会談で米国が対中姿勢を強めていたことも中国との貿易量が輸出入とも第1位である南アフリカにとっては悪材料と捉えられたようです。
また木曜にはバイデン政権が富裕層に対するキャピタルゲイン課税を倍増させる構想を打ち出しました。もともと富裕層への課税強化や法人税増税は公約でもあったため、米国の景気が回復軌道に乗る中で徐々に市場への悪材料を出していこうというところでしょう。直後に米国株式市場は大きく下げたものの、翌金曜には下げる前の水準へとあっさりと戻しました。しかし、他の金融市場ではリスクオフ気味に推移したものも多く、為替市場でも新興国通貨は上値を重くすることとなりました。
今週も米国の株式市場の動向は気になるところですが、FOMCではテーパリング(債券購入額縮小)についてどのような言及がされるのかが気になるところです。テーパリングが今回でなくとも次回以降のFOMCで検討される方向であれば、緩和縮小と取られ株式市場は悪材料としそうですが、景気回復が強いという面に焦点を当てるならば買われる可能性もあり、これは結果を見なければわかりません。いずれにしても将来的なテーパリングが早期に行われる可能性も出てきたことは新興国通貨の上値を抑える材料となるでしょう。
今週は南アフリカ国内の材料ではPPIと貿易収支があります。29日発表のPPIは前月は4.0%でしたが、今回(3月)の予想は4.5%となっていて、前週のCPIも高めの数字が出たことから、PPIも予想通りもしくは予想よりも高い数字が出てくると5月20日の中銀会合に向けて利上げ思惑が高まる可能性がありますので、念の為注意しておきたいところです。
テクニカルにも見てみましょう。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
最近はドル円(下段)は着実に円高となっていますが、ドルランド(中段)も円以上のペースでランド高が続いているため、ランド円は高止まりを維持できている状況です。ただ、今週はランドにとっては好悪双方の材料が出やすく、先週の高値を超えていくほどの動きにはならないように思えます。
先週はさすがに値幅が狭すぎる一週間でしたから、先々週のレンジの中で若干底堅い動きを見ておきたいと思います。今週は7.45レベルをサポートに、7.65レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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