欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表
昨日、4月開催のECB金融政策会合要旨が記者発表されました。事前予想通り全て据え置きになりました。以下決定事項を抜粋して和訳します。
(記者発表要旨)
今日の会合で、運営審議会は高度な金融緩和策スタンスを再確認した。
主要政策金利、限界貸付金利、中銀への預金金利に関する金利率はそれぞれ0.00%、0.25%、▼0.50%と据え置いた。運営審議会は主要ECB金利が現行かそれ以下で推移すると予想している。その期間として、インフレ見通しが2%に近づくしかし2%以下だが、その方向に強く収斂していく迄である。そのような収斂は基調としてインフレのダイナミックさを反映する。
運営審議会はPEPP(パンデミック緊急債券購入プログラム)による純資産購入を継続していく。これは少なくとも2022年3月末まで、いかなるケースでも、コロナウィルス危機の局面が終了したと判断される迄で、総額は1兆8500億ユーロとなる。入手した情報は3月時の金融政策会合で執り行った金融情勢やインフレ見通しに関する査定を確認しているが、運営審議会は、今四半期PEPP下で購入する債券は今年最初の期間よりも非常に速いペースで継続されると予想している。
運営審議会はインフレへの予想経路に関し、金融情勢やパンデミックによる下方圧力に抗するような、流れと調和しない資金調達の引き締めを防ぐという見方になれば柔軟に対応する。加えて、資産クラスを越えかつ管轄する域内で、債券購入への柔軟性をもてば、金融政策のスムーズな伝達を支え続けることになろう。もしPEPPの購入水準を使い尽くさずに、好ましい金融情勢が資産購入下で維持されるなら、総額は全て使いきる必要はないだろう。同時に、インフレへの道のりに対し、パンデミックによるマイナスショックなどに遭遇し、好ましい金融情勢を維持する必要あれば、PEPP総枠は再考されるだろう。
運営審議会はPEPPの下で満期到来した元本に関しては再投資を継続する。これは少なくとも2023年末までである。どの様なケースでも、PEPPポートフォリオの将来における減額は適切な金融政策スタンスの妨げにならないように管理されるべきである。
資産購入プログラム(APP)の下での純購入額は月額200億ユーロのペースで継続する。運営審議会は、毎月のAPP純資産購入額が政策金利の緩和的影響を補強するに必要な限り、継続されると予想している。そして、主要なECB金利を引き上げ始める前に終了すると予想している。
また、運営審議会はAPPの下で購入された債券の満期がきたら、元本全額を再投資し続ける意向である。期間は主要なECB金利を引き上げ始めた日を経過後、暫くの間である。そしてどの様なケースでも、好ましい流動性状況や十分な緩和状態を維持するに必要な限りである。
最後に、運営審議会はリファイナンスオペを通じて、適度な流動性を用意し続ける。(以下TLTRO Vの項目は略)
運営審議会は全ての政策手段を、適切に調整する準備をしている。これにより、コミットメントに沿って持続的な方法で、インフレに向かわせることが確実になる。
(以上)
質疑応答の一部
(質問)カナダ中銀が、経済回復の進展により資産購入を減らすという驚くべき発表がありました。今日の運営審議会のメンバーによってこの種の議論はありましたか?
(回答)
この件は、時期尚早として議論は無かった。パンデミックの橋を渡り、回復が持続的で、堅実になるまでには、我々には長い道のりがある。(以下略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
出所:ECB HPから
ユーロドル相場はECBラガルド総裁の記者会見内で、カナダ中銀の資産購入縮小の様な議論は無かったという発言含めこれまでの緩和策維持で、1.2060の高値付近から1.20割れまで売られました。昨日の予想時に添付した短期ユーロ高トレンドラインのC(1.2100)〜D(1.970)のレンジ推移は変わっていません。今日のPMI指数での動きを期待したいと思います。
(4月23日15:00、1ユーロ=1.2025ドル)
オーダー/ポジション状況
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