ドル円はレンジ下放れ、続落への期待感も(4/14夕)

14日の東京市場はドルが小安い。前日まで下支えしてきたサポート109円を割り込み、ドル安が進行している。

ドル円はレンジ下放れ、続落への期待感も(4/14夕)

ドル円はレンジ下放れ、続落への期待感も

〇ドル円、109.05レベルが日中高値にその後108.75レベルまで値を下げる
〇気候変動問題は来週にオンライン首脳会合を実施、米中首脳出席の見込みで融和のきっかけとなるか
〇ドル円の相場はだましが非常に多いが値動きを見れば短期的なリスク下方向に、ドル続落に要注意
〇本日発表の米地区連銀報告やFRB副議長のオンラインイベント参加など要人の発言内容にも注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.50-109.50

<< 東京市場の動き >>

14日の東京市場はドルが小安い。前日まで下支えしてきたサポート109円を割り込み、ドル安が進行している。

ドル/円は寄り付いた109.05円レベルを日中高値に、当初は低位揉み合い。前日割り込めなかった109円前後で下げ渋るも、しっかり下抜けると、そのままズルズルと108.75円レベルまで値を下げた。そののち持ち直すもすでに上値は重く、一度も109円にはとどかず。16時現在では108.80-85円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「イラン情勢」と「中国情勢」について。
前者は、イラン原子力庁長官が「テロ」の可能性を示唆した同国核施設における電気系統のトラブルに対する、イラン側の「報復行為」と思しき動きが観測され話題に。イスラエル国内紙によると、「UAE沖でイスラエル船が攻撃受けた」という。前者がイスラエルによるテロ行為であったかどうかは確たる証拠がなく真偽も不明。後者も、「イランが攻撃した」と明言まではしてないが非常に気になる符号といえよう。なお、それとは別にイランは「ウラン濃縮60%に引き上げるとIAEAに正式に通告した」ことを明らかにしている。

対して後者は、中国外務省が、9日に米国務省が発表した台湾当局者との接触規制を緩和する新指針について強く反発。そのうえで、米側に厳正に抗議したと明らかにしている。ただ、その一方で李首相は国営テレビを通じ、「互いに歩み寄りながら米中は対話を強化していくべき」との認識を示していたという。実際、米中が歩み寄れる数少ない事案、気候変動問題に関し、香港紙は「22-23日に実施される気候変動オンライン首脳会合に米中首脳がともに出席の見込み」などと報じていた。融和のキッカケとなるか注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、過去1週間ほど推移してきた109円台を本日東京時間に下放れ。前述したように、一時108.75円レベルまで下落している。過去に指摘してきたように、ここ数年の相場は「ダマシ」が非常に多いことが気掛かりながら、値動きを素直に見れば、短期的なリスクは下方向にバイアスがかかりそう。次のサポートである108.30-40円に向けてのドル続落にも要注意か。
本日は米地区連銀報告を注視しつつ、相次ぐ米要人の講演などにおける発言が注視されている。また、3月末にかけて「アルケゴス問題」の第一報が聞かれるなか、本日はJPモルガンチェースなど大手金融機関の決算発表も予定されており、そちらについても注意を払いたい。そのほかここ最近の市場は新型コロナ関連の話題、とくにワクチンに関するニュースに敏感に反応する感がうかがえ、本日も関連報道などを波乱要因として警戒する声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円はこれまでサポートとして寄与してきた109円を下抜け。ちなみに、フィボナッチの観点で言えば、同レベルは年明け安値102.60円を起点とした上げ幅のフィボナッチ23.6%押しというテクニカルポイントだった。それを割り込んできたことからすれば、次のターゲットは同38.2%押しの107.75-80円か。スグに到達するといった展開は予想しにくいが、時間をかけつつドルのさらなる下落には要注意かもしれない。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「米露が冷戦への逆行懸念」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、米地区連銀経済報告が公表されるうえ、パウエル氏などFRB正副議長がともにオンラインイベントに参加する見込みであるなど、米国を中心に欧州においても要人の発言機会が目白押しとなっている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.50-109.50円。上方向は、本日東京で割り込んだのち一度も回復できていない109円レベルが最初の抵抗。ただ、超えていけば移動平均の21日線などか位置する109円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値の108.75円レベルをめぐる攻防にまずは注目。下回れば108.30-40円、それも割り込めば108円前後が意識されそうだ。

ドル円はレンジ下放れ、続落への期待感も

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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