ドル上値トライは出直しか、調整続く公算も(4/6夕)

6日の東京市場は揉み合いながらもドルが底堅い。前日には一時110円割れを示現する局面も観測されたが、本日はここまで割り込めず。110円前半での一進一退をたどっている。

ドル上値トライは出直しか、調整続く公算も(4/6夕)

ドル上値トライは出直しか、調整続く公算も

〇ドル円、揉み合いながらもドルが底堅く110円前半で一進一退
〇日経平均株価が終値ベースで400円近い下げを記録、米株の先物も冴えず
〇ポンド/円はわずかに値を上げ、前日記録した年初来高値を再び更新
〇王中国外相が日本の茂木外相と電話会談を行い、米国などとの対中政策連携を強くけん制
〇日本政府が13日に期限を迎える北朝鮮への独自制裁を2年間延長すると正式決定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.90-110.80

<< 東京市場の動き >>

6日の東京市場は、揉み合いながらもドルが底堅い。前日には一時110円割れを示現する局面も観測されたが、本日はここまで割り込めず。110円前半での一進一退をたどっている。

ドル/円は110.15円前後で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。110.10-40円といった30ポイントほどのなかで、一進一退をたどっている。日経平均株価が終値ベースで400円近い下げを記録したほか、米株の先物も冴えなかったが、それらを受けたリスク回避の動きなどは限定的だった。16時現在では110.30-35円で推移、欧米市場を迎えている。
なお、そうしたなかポンド/円はわずかに値を上げ、前日記録した年初来高値を再び更新。動きは鈍いが、上昇基調は依然として続いているようだ。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、先週末に韓国外相と対面式の会談を行った王中国外相が、今度は日本の茂木外相と電話会談を行い、「独立自主国家として客観・理性的に中国の発展を取り扱うことを望む」と注文を付けたことが明らかになった。対中包囲網切り崩し一環で、米国などと対中政策で連携を深めていることを強くけん制したようだ。また、それとは別に、空母「遼寧」などの艦艇が台湾周辺の海域で軍事訓練を実施したとの発表も観測されており、こちらは台湾への威嚇だったもよう。

対して後者は、本日午前の閣議で、政府が13日に期限を迎える「北朝鮮への独自制裁を2年間延長すると正式決定」した。北朝鮮を相手とする輸出入の全面禁止などが継続される。そうしたなか、韓国の聯合ニュースは「北朝鮮、東京五輪に参加しない」と報じ物議を醸していた。ちなみに、理由については「新型コロナによる世界的な公衆衛生の危機から選手たちを保護するため」などとしているが、朝日新聞では関係者の話として、「いまは米国や韓国と対話をしたくないということだろう」とも報じている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、先週31日に戻り高値110.97円まで上昇したのち、ドルがやや上げ渋り。4月以降はやや風向きの変化がうかがえるなか、昨日ドルは110円割れワンタッチが一時観測されている。つまり、目先高値から1円程度の下押しが入った計算で、上値トライが仕切り直しになったことは間違いなさそう。むしろ、短期的にはいま一段のドルの下押しに要注意かもしれない。
昨日、欧米時間にドル安・円高が進行したわけだが、継続性には疑問を抱く向きも少なくないようだ。なぜならNYダウが再び史上最高値を更新するような状況下、発表される米経済指標は良好。さらに、バイデン米政権による経済支援策の効果やワクチン接種の進展なども、今後の景気回復を押し上げると見込まれていることによる。したがって、仮にいま一段の調整的な下押しが入ったとしても、ドルは基本的に底堅いとの見方が優勢だ。

テクニカルに見た場合、大きな流れはいまだドル高方向にバイアスがかかるも、短期的にはドル高の調整局面か。ただし、昨日筆者は「調整といっても価格ではなく時間調整の様相」と指摘をしたが、そののち110円割れを記録したことなどからすると、「価格調整」であるのかもしれない。ともかく、110円を「しっかり」と割り込めば、さらなる深押しも否定できないだけに要注意だ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「米露が冷戦への逆行懸念」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、2月の雇用動態調査(JOLTS)などいくつかの米経済指標が発表されるものの、市場の関心はいまひとつで基本ノーインパクトか。それ以外でも材料は全般的に乏しいが、米国とイランが間接協議する可能性も指摘されている「イラン核合意協議」の行方には一応注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.90-110.80円。上方向は、昨日高値の110.75円で、それを超えると110.97円がターゲットに。ただ、111円台乗せにはいま少し時間が必要かもしれない。
対するドル安・円高方向は、昨日示現した安値109.96円をめぐる攻防に注目。昨日到達したといっても滞空時間は非常に短かった。「しっかり」割り込めば109円前半がみえてくる。

ドル上値トライは出直しか、調整続く公算も

ドル円日足


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