ドル高基調継続も、高値圏で上げ渋りか(4/1夕)

1日の東京市場はレンジ取引。110円後半というドル高値圏ではあるものの、高値更新できないなど、やや上げ渋りの印象だった。

ドル高基調継続も、高値圏で上げ渋りか(4/1夕)

ドル高基調継続も、高値圏で上げ渋りか

〇ドル円、110.55-85程度の30ポイントに届かないレンジ取引
〇ブラジルの研究所がサンパウロ州で新たな新型コロナウイルス変異株検出
〇日中防衛当局のテレビ会議形式会合で中国国防省が日本側に対し強い不満と深刻な懸念を表明
〇この後は110円台後半を中心にドルは強保ち合い、111円台乗せは来週に持ち越しか
〇本日は新規失業保険申請件数や3月ISM製造業景況指数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ110.20-111.10

<< 東京市場の動き >>

1日の東京市場はレンジ取引。110円後半というドル高値圏ではあるものの、高値更新できないなど、やや上げ渋りの印象だった。

ドル/円は110.60-65円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける展開。110.55-85円程度の30ポイントに届かないレンジ取引で、方向性も乏しかった。日経平均株価が一時400円を超える上昇と大幅高の様相を呈したが、為替市場への影響は限定的なものにとどまっている。16時現在では110.70円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、昨日まで連日のように年初来安値を更新していたユーロ/ドルも本日は下げ渋り。1.171ドル台と低位ながら、ここまで安値を更新できていない。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「中国情勢」について。
前者は、日本も第4波入りした可能性が取り沙汰される新型コロナの感染拡大だが、フランスのマクロン大統領は、パリなど一部に適用していたロックダウン(都市封鎖)措置を「全国に拡大する」と発表。また、カナダのオンタリオ州も4月3日から28日間のロックダウンに入ると発表している。そうしたなか、ブラジルの研究所がサンパウロ州で新たな新型コロナウイルス変異株が検出されたとしたうえ、「感染力が強いとされる南アフリカ型に類似している」ことを明らかにした。さらに、新たな変異株は南アへの渡航歴がなく、南アに渡航した人と接触していない患者から検出されたという。続報などに要注意。

対して後者は、米国務長官から「米国法に基づく香港に対する優遇措置はもはや正当化されない」との発言が聞かれるなか、同省報道官がミャンマーの軍事クーデターについて「中国が自国の影響力を使ってミャンマー軍の責任を問うべき」とした立場を示していた。そんな米中間の対立ばかりがクローズアップされるなか、NHKは、今週行われた日中防衛当局のテレビ会議形式会合で、「中国国防省が日本側に対し強い不満と深刻な懸念を表明したことを明らかにした」などと報じ、物議を醸していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日の東京時間に一時110.97円まで上昇するなど、リスクという意味では引き続き上方向にバイアスがかかる。しかし、本日から名実ともに4月相場入りし、需給要因の変化などが指摘されるうえ、明日のイースター休暇を控えて足もとは積極的な売買取引が手控えられている感も否めない。このあとは基本的に110円台後半を中心にドルは強保ち合い、時間調整ともいえる動きが続く可能性がある。
欧米勢は明日からのロングウィークエンドをにらみ、欧米時間も取引をやや手控えか。薄商いが予想されるものの、逆に「薄商い=乱高下」を警戒する声も少なくない。ちなみに、材料的には発表される雇用を中心とした米経済指標のほか、OPECプラス閣僚級会合が予定されていることを踏まえた原油相場の行方を注視している向きも多いようだ。

テクニカルに見た場合、ドル全面高は依然として継続も、対円では110円台後半でやや上げ渋り。昨日も指摘したように、年明けから3ヵ月、価格にして8円を超える上昇をたどっており、そろそろ上昇も一服か。リスクという意味では、依然としてドル高方向にバイアスがかかるものの、明日にイースター休暇が控えていることもあり、今週は基本的に動きにくそう。111円台乗せに向けたドル高再トライは、来週に持ち越しといった状況なのかもしれない。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「米露が冷戦への逆行懸念」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、週間ベースの新規失業保険申請件数や3月のISM製造業景況指数といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された3月のADP雇用統計は予想を下回ったものの、前月比では大幅増。なかなかの好数字を記録しただけに、本日の雇用指標に対する期待感も強いものがあるが果たして結果は如何に!?

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.20-111.10円。上方向は、昨日記録したドル高値の110.97円をめぐる攻防にまずは注目。それを超えると当然111円台乗せ、次の強い抵抗である111.70円レベルも視界内に。
対するドル安・円高方向は、ここしばらくドルは連日下値を切り上げる展開で、そうした意味から昨日安値110.28円が意識されている。同レベルを下回る動き、とくにNYクローズでそうなった場合には、明日以降要注意かもしれない。

ドル高基調継続も、高値圏で上げ渋りか

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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