トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値14.17、高値15.15と予想よりもトルコリラ安に
〇週初を高値に一貫し売りが続く展開に、対トルコリラでドル高進行が大きかった
〇今週は10-12月期GDPと製造業PMI、CPIやPPIに注視
〇トルコ中銀は次回も現状維持と思われるがCPIの数字次第では利上げの可能性
〇今週のトルコリラ円14.00レベルをサポートに、14.75レベルをレジスタンスとする週
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「横方向のもみあいとなる可能性が高く、ほぼ前週のレンジの中で14.95レベルをサポートに15.25レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が14.17レベル、高値が15.15レベルとなり予想レンジよりも大幅にトルコリラ安の一週間となりました。
先週のトルコリラは、週初を高値に一貫して売りが続く展開でしたが、これはドル円、ドルトルコリラともにドル高基調が進む中で、対トルコリラでのドル高進行が大きかったことによるものです。金融市場が落ち着いている時には緩和によって米金利が低い状態は、金利が高い新興国通貨にとっては追い風となってきましたが、2月に入り米金利が大き
く上昇する中で先週は米金利が1.6%台へと週初から大幅に上昇したことから株式市場だけでなく新興国通貨の売り材料となりました。
トルコ国内の材料としてファンダメンタルな面では、特にトルコリラ売りに傾くような材料は無かったので、米金利急上昇による影響が大きく、更にトルコリラが売られる中でテクニカルにサポートを下抜ける動きが大きかったと言えるでしょう。テクニカルな観点は後ほど分析していきますが、今週はトルコ国内の大きな材料がいくつか出てきます。まず本日の10〜12月期GDPと製造業PMI、そして3日のCPIとPPIです。
トルコリラ安が大きく進んで来ている中で、金曜には安値圏でのもみあいのまま月末クローズとなっていますので、弱い数字が出てきた場合のトルコリラ一段安に気を付ける状況と言えるでしょう。また1月、2月2会合連続で現状維持としながらも引き締め姿勢を続けているトルコ中銀の次回会合が18日にありますが、次回も基本は現状維持と思われるものの3日のCPIの数字次第では利上げの思惑も出てくる可能性があります。GDPもCPIも上下どちらの可能性もあり要注意です。
テクニカルには先々週までのトルコリラ高の継続に黄信号が灯りました。今週はトルコリラ円とドルトルコリラの日足チャートから見ていきます。上段がトルコリラ円、下段がドルトルコリラです。
どちらも11月のトルコリラ安値から先々週までトルコリラ高(円安・ドル安)の動きでしたが、先週の下げで11月からのトレンドラインをそれぞれ抜けてしまったことがわかります。しかも大きく抜けてしまったために当面はトレンドがトルコリラ安に転換したという前提でシナリオを組み立てることになるでしょう。最初のターゲットとしては11月のトルコリラ安値と2月のトルコリラ高値の38.2%リトレースメントとなるトルコリラ円14.01、ドルトルコリラ7.5360の水準となります。
このことを前提にいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。
トルコリラ円(上段)は下抜けたサポートがレジスタンスとなり今週は14.75前後を上昇しています。またドルトルコリラは上抜けたレジスタンスがサポートとなり今週は7.0の大台前後を下降中です。またトルコリラ安方向では先ほどの38.2%リトレースメントをピンクの水平線で引いてあります。
今週のトルコリラ円は11月からのサポートラインを下抜けたことで、38.2%押しと重なる大台14.00レベルをサポートに、抜けたトレンドラインが位置する14.75レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.20
南アランド週報:『米利下げ観測後退と中東情勢緊迫化の二重苦で約3週間ぶり安値圏へ下落』(4/20朝)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初8.12円で寄り付いた後、早々に週間高値8.18円まで上昇しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.20
トルコリラ週報:『来週はトルコ中銀会合に注目。連続利上げなら一段高の可能性も』(4/20朝)
トルコリラの対円相場(TRYJPY)は3/13に記録した史上最安値4.52円をボトムに切り返すと、ここ数週間は4.70円台を中心とした底堅い動きが続いています。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.20
来週の為替相場見通し:『日米金利差に着目したドル買い・円売りが続く見通し』(4/20朝)
ドル円(USDJPY)は一時154.79(1990年6月以来、約34年ぶり高値圏)まで上昇するなど力強い動きが続いています。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.03.02
トルコリラ円見通し GDP発表から上昇、先週の急落一服(21/3/2)
3月1日の日中は下げ一服となり、夕刻のトルコGDP統計発表からは対ドルでトルコリラが上昇、ドル円も上昇基調を維持したために深夜には14.77円まで戻した。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.03.01
トルコリラ円見通し 7日連続の日足陰線で11月からの上昇幅に対する3分の1を削る(21/3/1)
トルコリラ円は2月18日から26日まで7営業日連続の日足陰線で下落した。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。