ユーロは先週のレンジ内でのもみあい(週報2月第4週)

先週のユーロは、火曜のNY市場で米金利上昇の動きをきっかけとしてドル買い・ユーロ売りへと転じました。

ユーロは先週のレンジ内でのもみあい(週報2月第4週)

ユーロは先週のレンジ内でのもみあい

〇先週のユーロドル、火曜に売りに転じるも時間短くポンド上昇とともにユーロ買いに
〇資源国通貨買いやビットコイン価格上昇など、ドルからリスク資産への資金シフト
〇今週以降ポンドに調整入り、ユーロドルもそれにつられて調整売り入るか
〇ポンドドルは2018年4月の1.4376レベル以来ほぼ3年ぶりの高値圏に上昇
〇ユーロドルは先週のレンジの中でもみあいを継続しやすい
〇今週は1.2025レベルをサポートに1.2150レベルをレジスタンスとする

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロは、火曜に1.2170レベルの週間高値をつけるまでは、前週までのユーロ買いの動きを続けていましたが、火曜のNY市場で米金利上昇の動きをきっかけとしてドル買い・ユーロ売りへと転じました。しかしユーロ売りに転じた時間は短くポンドが木曜以降に上昇し2018年4月以来の高値圏へと上昇する動きとともにユーロ買いの動きとなり、1.21台前半を回復して引けました。

米金利は週半ば以降も上昇し1.39%台へと乗せてきていますが、ドル買いの動きにはなっていませんし、先週金曜からはドル売りをリードしていた通貨がポンドから豪ドルへとバトンタッチしてのドル安相場となっています。これはワクチン接種の拡大による景気回復期待による資源国通貨買いという面が強いのですが、金曜はビットコイン価格が大幅上昇する動きも見られ、ドルからリスク資産への資金シフトが見られたという認識で良さそうです。

このドルからリスク資産への資金シフトという観点であればリスク資産とは見做されない円にはそれほど買いが入らず、円安気味で推移しているという流れも納得できるというところでしょうか。問題はこのドルからリスク資産へのシフトが今後も続くのか、あるいはそろそろ調整が入るのかですが、主要通貨に関してはポンドの動きが参考になりそうです。

今週のコラムで取り上げていますが、現在のポンドは1.43水準をターゲットにしています。しかし、2月に入ってからのポンドは調整らしい調整も無いままに水準を切り上げてきました。昨年9月安値からここまでは上昇トレンドを継続しながらも調整は挟んでいます。またポンドの日足チャートで見ると以下のように上昇チャンネルの上限にかなり近い水準にあることがわかります。

ユーロは先週のレンジ内でのもみあい

いったん調整が入ってから再度上昇に回帰する動きのほうが自然な印象と言えますので、今週以降それも比較的近いタイミングでいったんポンドに調整が入り、ユーロドルもそれにつられて調整売りが入りやすいと見たいところです。ECB理事会の議事録でもユーロ高に対する警戒は示されていましたので、ユーロの買い手も警戒しながら買っているという感じがします。

ユーロドルの日足チャートもご覧ください。

ユーロは先週のレンジ内でのもみあい 2枚目の画像

先週書いたことを簡単にまとめると、先々週の高値は年初来高値と2月安値との半値戻し1.2149とほぼ一致していて、次のターゲットとなる61.8%戻し1.2196は1月22日の戻り高値1.2190と重なることを考えると同水準を上抜けるほどの勢いも出ないという見方でした。引き続き1.2170〜80が戻り高値となりやすいという見方は変えなくても良いでしょう。しかし、下値も先週の安値1.2024で見た感じが強く、ユーロドルに関しては先週のレンジの中でもみあいを継続しやすいというイメージが妥当そうです。

今週は1.2025レベルをサポートに1.2150レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週のコラム

今週はポンドドルのチャートを見てみます。

ポンドは2018年4月以来ほぼ3年ぶりの高値圏に上昇してきていますので、月足チャートを見てみましょう。

今週のコラム

2018年4月の1.4376レベルが2018年高値で、現在は同水準を視野に入れた動きです。また2014年高値と2020年安値に対する半値戻しが1.4300となっていて、2018年高値と近い水準です。調整を挟みながらも、およそ1.43水準をターゲットにしているという見方でよさそうです。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

2月22日(月)
18:00 ドイツ2月IFO企業景況感
22:45 ラガルドECB総裁講演

2月23日(火)
**:** 東京市場休場
16:00 英国1月失業率
19:00 ユーロ圏1月CPI
24:00 パウエルFRB議長議会証言(上院)

2月24日(水)
16:00 ドイツ10〜12月期GDP改定値
16:45 フランス2月企業景況感
23:30 英中銀総裁講演
24:00 パウエルFRB議長議会証言(下院)

2月25日(木)
16:00 ドイツ3月GFK消費者信頼感
16:45 フランス2月消費者信頼感
19:00 ユーロ圏2月消費者信頼感
**:** EUサミット(〜26日)

2月26日(金)
16:00 ドイツ1月輸入物価指数
16:45 フランス2月CPI速報値、1月PPI
17:30 シュナーベルECB理事講演
**:** G20(〜27日)

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

2月15日(月)
ユーロドルはドル円とともにユーロ円も円安の動きが強まったこともあって、ドル買い(ユーロ売り)の動きと円売り(ユーロ買い)の動きが相殺、結果として1日の値幅は28pipsに留まり高値圏で膠着状態のまま引けました。

2月16日(火)
ユーロドルは東京市場ではユーロ円の動きが影響してドル円と似たような動きとなりました。欧州市場に入り強めの経済指標をきっかけに東京高値を上抜けると1.2170レベルまで上昇、しかしNY市場では米金利上昇によるドル買いの動きが強まり一転ユーロ売りへと転じ1.2095レベルまで下げた後にやや戻して引けました。

2月17日(水)
ユーロドルは前日の下げの流れを続け、欧州市場序盤には2月8日安値を下抜けるとテクニカルなユーロ売りをきっかけに一段安。イタリアの弱い景気見通しや強めの米国経済指標を受け、ユーロクロス全般の売りがストップオーダーも引っ掛けながら下げ足を速めると、1.2023レベルの安値をつけ引けにかけてはやや戻してのもみあいとなりました。

2月18日(木)
ユーロは東京市場では動きは無かったものの欧州市場以降は一貫して上昇の動きとなりました。これはポンドにテクニカルな買いが入り週間高値も上抜けと買いが目立つ動きに追随したものです。ポンド高値1.3986レベルは2018年4月以来の高値となりました。

2月19日(金)
ユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場に入り資源国通貨高の動きがユーロ高に波及して一時1.2145レベルの高値をつけました。ポンド高の動きもユーロ高の支えとなっていましたが、NY市場では米金利の動きに沿ってユーロ売りの動きで欧州市場序盤水準に押した後、やや買い戻しが入っての引けとなりました。

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