米経済指標、とくに雇用指標の内容注視(12/3夕)

3日の東京市場は、ドルが底堅い。上値が重いことは改めて指摘するまでもないが、一方で下値も堅く下げ渋りの様相だった。

米経済指標、とくに雇用指標の内容注視(12/3夕)

米経済指標、とくに雇用指標の内容注視

〇ドル円、新規材料に乏しく104.35-55とわずか20ポイント程度の取引に終始
〇NY連銀総裁やFRB議長が米国の厳しい景気・雇用見通しを指摘、米雇用統計が悪化なら悪材料に
〇バイデン氏が対中制裁関税をすぐには撤廃しない認識と米紙が報道、中国をめぐる貿易摩擦が再熱か
〇本日発表のISM非製造業総合指数や週間ベースの新規失業保険申請件数の数字に注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.80-104.70

<< 東京市場の動き >>

3日の東京市場は、ドルが底堅い。上値が重いことは改めて指摘するまでもないが、一方で下値も堅く下げ渋りの様相だった。

ドル/円は104.40円前後で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。104.35-55円というわずか20ポイント程度のボックス取引に終始した。注視されていた日米株価もいまひとつ冴えず、新規材料に乏しい。16時現在、ドル/円は104.40-45円で推移、欧米時間を迎えている。
そうしたなか、興味深い動きをたどっていたのが韓国ウォン。アジア通貨が全般的に米ドルに対して買い進められるなか、韓国ウォンも堅調裡。ドル/ウォンは2018年6月以来となる1100ウォン割れを示現していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米景気・雇用情勢」について。
前者は、大きく2つに大別され、そのひとつである「新型コロナ」については、英政府が世界で初めて「米ファイザーのコロナワクチンを承認」しただけでなく、「来週から接種開始の見通し」などと報じられていた。一方、もうひとつの注目要因「英EU通商交渉」は、一部で楽観的な見通しが引き続き取り沙汰されたが、「フランスは英国に屈すれば通商合意を拒否、とバルニエEU首席交渉官に警告した」−−などという報道も観測されている。

対して後者は、発表されたADP雇用統計が予想を下回る数字となか、米政府要人であるNY連銀総裁は「米国経済は依然として非常に深刻な不況にある」、FRB議長「パンデミックのためにまだ1000万人が仕事をしていない」などといった厳しい景気・雇用見通しが指摘されていた。これで週末に発表される米雇用統計が悪化すれば、市場ではさらなる警戒感が台頭、株価やドルに対しての悪材料となりかねないだろう。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日から本日にかけての金融市場は、ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)はともかく、米株などもやや精彩を欠いていた。為替相場を含め、いよいよクリスマスに向けた売買手控えモードが強まってきた感も否めない。週末には、目先最大の注目材料である米雇用統計の発表が予定されていることもあり予断は許さないものの、基本的に足もとは次の動意に向けてのエネルギー蓄積、狭いレンジ内での一進一退が続く見込みだ。

そうしたなか、材料的に注視されているものは、引き続き新型コロナとワクチン開発について。いま現在も激しいつばぜり合いを続ける両者だが、いましばらくのあいだ「コロナvsワクチン」の攻防戦をたどる公算が大きい。一方、それとは別に、米紙が「バイデン氏、対中制裁関税をすぐ撤廃しないとの認識示す」などと報じたこともあり、中国をめぐる貿易摩擦の再燃が一部で俎上にのぼりはじめたことも気掛かりだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日104.76円という11月24日に記録した高値に面合わせするも越えられず。結局のところレンジ内での変動がいまだ続いていることになる。引き続きポイントは、すでに2週間以上もたどっている103.66-104.76円という1.1円レンジをめぐる攻防か。本日再び上値トライがあるのか否か、ある場合に上抜けていくことができるのかどうかが注視されている。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、11月のISM非製造業総合指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定だ。とくに後者については、前述したように、昨日発表されたADP雇用統計が予想を下回っただけに、同様の悪い数字となるのかどうか警戒する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.80-104.70円。弱い抵抗が104円半ばに位置するも、超えれば昨日も止められた104.76円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、足もと絡む動きとなっている移動平均の21日線(104.35-40円)をめぐる攻防にまずは注視。しっかり割り込むと104.20円前後、さらには104円割れも否定出来ない。

米経済指標、とくに雇用指標の内容注視

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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