トルコリラ円 13.40円台に抵抗感あるが1日夕刻の反落は買い戻されてしっかり(20/12/2)

トルコリラ円は、13.20円割れは押し目買いされて戻しており、11月24日以降のやや右肩上がりでの持ち合い相場の範囲を維持して推移している。

トルコリラ円 13.40円台に抵抗感あるが1日夕刻の反落は買い戻されてしっかり(20/12/2)

13.40円台に抵抗感あるが1日夕刻の反落は買い戻されてしっかり

〇トルコリラ円、1日夕刻13.13までいったん下げたが13.20割れは押し目買いされ戻す
〇11/24以降やや右肩上がりでの持ち合い相場を維持して推移
〇1日発表の11月イスタンブール製造業PMIは51.4で10月53.9から低下、7月をピークに低下傾向
〇11/30発表の7-9月期GDPは前期比15.6%増、4-6月期の10.8%減から回復
〇新型コロナ感染者急増を受けトルコでは12/1から全国規模での夜間外出制限始まる
〇コジャ保健相「12/11以降にワクチン接種を医療従事者を優先して段階的に開始する」
〇11/30夜高値13.42超えからは13.50前後への上昇を想定
〇13.20割れからは13.10、次いで13.00を段階的に試して行く下落を想定

【概況】

トルコリラ円は11月24日の13円割れからの持ち直しを継続して11月27日夕刻に13.39円、11月30日夜には13.42円へ戻り高値を切り上げてきたが、1日夕刻の下落で13.13円までいったん下げた。イスタンブールの11月製造業PMIが前月から悪化したことも影響した印象だが、13.20円割れは押し目買いされて戻しており、11月24日以降のやや右肩上がりでの持ち合い相場の範囲を維持して推移している。
対ドルでのトルコリラは30日夜高値7.73リラから1日夕刻には7.91リラまで反落したがその後は戻している。

【製造業PMIは鈍化】

1日16時に発表されたトルコの11月イスタンブール製造業PMIは51.4となり、10月の53.9から低下、市場予想の52.5を下回った。今年2月の52.4からコロナショックにより4月には33.4まで急低下したが、その後の持ち直しで7月には56.9まで回復して2月の水準を超えたのだが、トルコ国内の感染第二波の影響、世界的な感染拡大が止まないことやリラ暴落の影響もあって7月をピークに低下傾向に入っている。

13.40円台に抵抗感あるが1日夕刻の反落は買い戻されてしっかり

11月30日に発表されたトルコの7-9月期GDPは前期比15.6%増となり市場予想の12.5%増を大きく上回り4-6月期の10.8%減から回復し、前年同期比も6.7%で市場予想の4.5%増を上回り、4-6月期の9.9%減から大きく持ち直した。しかし感染拡大第二波の影響を考えると10-12月期の景気減速も懸念されるところであり、製造業PMIの鈍化にもその傾向が反映されている印象だ。

【感染者急増続く】

トルコでは12月1日から夜間外出制限が始まった。当初は週末の高齢者外出制限だったが感染者の急増を受けて30日には全国規模での平日を含む夜間外出禁止令を発表。平日は午後9時から翌朝5時まで、週末は金曜日の午後9時から月曜朝5時までと規制が強化された。
トルコでは11月25日から従来は陽性でも無症状者を感染者数に含めていなかった方式から無症状感染者の数も公表を始めたが、新規感染者数は有症状で27日が6592人、28日が6714人、29日が6439人、30日が6514人、12月1日は6101人だが、陽性者数は25日が2万8351人、26日が2万9132人、27日が2万9845人、28日が3万103人、29日が2万9281人、30日は3万1219人、12月1日は3万110人と急増後も高水準となっている。第一波のピーク時は4月11日の5138人だった。因みに検査数は12月1日で18万312件であり、感染者発見への大量検査体制は続いている。

患者数(アクティブケース)は24日時点で6万6675人だったが、25日に9万947人、26日に11万6614人、27日に14万2437人、28日は16万8742人、29日は19万3828人、30日は22万0374人、12月1日も24万5701人と急増している、第一波のピーク時は4月24日の8万575人だった。
感染による死者は27日が177人、28日が182人、29日が185人、30日が188人、12月1日が190人と増加、第一波のピークである4月19日の127人を大幅に上回る状況が続いている。
コジャ保健相は1日に、12月11日以降にワクチン接種を医療従事者を優先して段階的に開始すると述べた。国産ワクチンはまだ治験段階であり保健相によると12月14-15日には初期段階の治験が終わるとしているので、中国製ワクチンの導入と思われるがおよそ2000万回分を調達する見込み。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月24日に13円割れしたところからのジリ高基調が続いていたため、12月1日午前時点では24日夕安値から3日半となる30日朝安値を直近のサイクルボトムとし、底割れ回避のうちは12月2日午後から4日夕にかけての間への上昇余地ありとしたが、30日朝安値割れからは弱気サイクル入りとした。
1日夕刻の下落で30日朝安値をわずかに割り込んだため、底割れによる弱気サイクル入りと仮定して12月3日朝から7日朝にかけての間への下落を想定する。ただし、わずかな安値更新から持ち直しているので、30日夜高値を上抜き返す場合は直近のサイクルボトムを1日夕安値へ改めて強気サイクル入りとして3日夜から7日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では1日夕刻の下落で先行スパンからいったん転落したがその後の反発で先行スパンを上抜き返している。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパンから再び転落しやすい位置にあるので下げ再開注意とし、13.20円割れからは下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は1日夕刻の下落で30ポイントまで下げてから50ポイント超えへ切り返しているのでまだ高値試しへ向かいやすい状況とみるが、再び50ポイントを割り込むところからは下げ再開を疑う。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、13.20円を下値支持線、11月30日夜高値13.42円を上値抵抗線とする。
(2)13.20円以上での推移中は上昇余地ありとし、13.42円超えからは13.50円前後への上昇を想定するが、13.50円以上は反落警戒圏とするが、13.35円以上での推移なら3日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)13.20円割れからは下げ再開と仮定して13.10円、次いで13.00円を段階的に試して行く下落を想定する。13.00円以下はいったん買い戻しも入りやすいとみるが、13.20円以下での推移なら3日も安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

12月3日
 16:00 11月消費者物価 前月比 (10月 2.13%、予想 0.8%)
 16:00 11月消費者物価 前年同月比 (10月 11.89%、予想 12.4%)
 16:00 11月生産者物価 前月比 (10月 3.55%、予想 1.00%)
 16:00 11月生産者物価 前年同月比 (10月 18.20%、予想 19.5%)
 20:30 週次外貨準備高 11/27時点 (11/20時点 437.1億ドル)
12月10日
 16:00 9月失業率 (8月 13.2%、予想 17.4%)
 20:30 週次外貨準備高 12/4時点


注:ポイント要約は編集部

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