ドル円見通し 23日深夜からの反騰は勢いが鈍化(20/11/26)

25日は午前に豪ドル米ドルが高値を切り上げ、夕刻にはユーロドルが23日深夜急落を解消して高値を更新するなどドル安感が再燃した。

ドル円見通し 23日深夜からの反騰は勢いが鈍化(20/11/26)

23日深夜からの反騰は勢いが鈍化

〇ドル円、24日深夜に104.75まで高値を切り上げたがドル安により上値が重くなりジリ安の展開へ
〇11/23にトランプ大統領がバイデン政権への移行手続きを容認、新政権の景気対策に期待が膨らむ
〇米7-9月期GDP改定値は年率換算で前期比33.1%増で速報値と変わらず、市場予想をわずかに下回った
〇104.14を上回るうちは上昇余地あり、104.75超えから105円台序盤を目指すとみる
〇104.14割れから103円台中盤への下落を想定

【概況】

ドル円は11月23日夜にNYダウ反騰やワクチン開発関連報道、米PMIが予想より強かったことでのドル高により103円台中盤から104円台中盤へ急伸して19日夜の戻り高値を上抜き、24日深夜には104.75円まで高値を切り上げたがその後はドル安がぶり返す中で上値が重くなり、ややジリ安の展開となっている。
25日は午前に豪ドル米ドルが高値を切り上げ、夕刻にはユーロドルが23日深夜急落を解消して高値を更新するなどドル安感が再燃した。夜には南アランドやメキシコペソ等も対ドルでの高値を更新してトルコリラを除けば株高と同調した新興国通貨高であり、メジャー通貨においても英国EU間のFTA交渉がまとまっていないためにポンド/ドルが23日夜の高安レンジ内で揉み合いとなっている以外はドル安基調が再開している印象であり、ドル円としても株高に同調したリスク選好的な円安感よりも全般的なドル安感が重石となってきている印象だ。

【米経済指標はまちまちだがリスク選好的な株高基調は続く】

NYダウは24日に前日比454.97ドル高の大幅上昇で3万ドルに到達して史上最高値を更新、25日は高値警戒感から前日比173.77ドル安と反落したが、ナスダック総合株価指数は57.62ポイント高と上昇して9月の史上最高値を更新しており、4年前のトランプ・ラリーの様にバイデン・ラリーに入っている印象だ。
11月23日にトランプ米大統領がバイデン政権への移行手続きを容認したことで新政権による景気対策への期待が膨らんでいる。バイデン政権には財務長官にイエレン前FRB議長が起用される方針との報道も財政出動と金融緩和政策の継続への期待を強めている。コロナワクチンの普及への期待感も11月9日の米ファイザー社、16日の米モデルナ社、23日の英アストラゼネカ社と続いており、普及までにはまだ時間がかかるものの先行きの経済正常化期待を強めている。

11月25日は米GDP改定値等の発表が相次いだが内容はまちまちだった。
米商務省が発表した2020年7-9月期GDP改定値は年率換算で前期比33.1%増、速報値と変わらずだったが市場予想の33.2%をわずかに下回った。
米商務省が発表した10月の耐久財受注は前月比1.3%増、6か月連続プラスで市場予想の0.9%増を上回った。
米労働省が発表した11月21日までの週間新規失業保険申請は77万8000件で前週から3万件の増加で2週続く増加は感染拡大の影響を反映しているようだ。失業保険受給者総数は11月14日までの週間で607万1000人、前週比29万9000人減少だが市場予想の602万人を上回った。
米商務省が発表した10月の新築戸建て住宅販売件数は年率換算で前月比0.3%減の99万9000戸となり、6か月振りのマイナスで市場予想の1.9%増を下回った。

米連銀は11月4-5日に開催した前回FOMCの議事要旨を公開した。量的緩和策に関して「比較的近く指針を強化する」として12月会合での量的緩和拡大の可能性を示唆した印象だ。現在の購入規模は月額1200億ドルであり、前回会合ではゼロ金利状態の長期化と量的緩和を今後数か月は継続する姿勢を示したが、出口戦略と共に量的緩和拡大余地についても示される可能性があると思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月19日夜高値を上抜く反騰となったため、24日朝時点では11月18日深夜安値と23日夜安値をダブルボトムとした強気サイクル入りとした。また高値形成期は19日夜高値を基準として24日夜から26日夜にかけての間と想定したが、24日深夜高値からはジリ安が続いているため24日深夜高値を直近のサイクルトップとする。安値形成期は26日夜から30日夜にかけての間と想定するが、24日深夜高値を上抜き返す場合は新たな強気サイクル入りとして27日夜から12月1日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では25日夜へのジリ安で遅行スパンが悪化して先行スパンへ潜り込んできている。このため遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパン転落からは下げ足が早まる可能性があると注意する。24日深夜高値超えからは強気転換として遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は23日夜から24日夜への高値切り上げに対して指数のピークが切り下がる弱気逆行を見せて下降してきている。50ポイントを挟んだ揉み合いで推移しているが、60ポイントを超えないうちは30ポイント割れへの一段安余地ありとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、11月24日夜安値104.14円を下値支持線、24日深夜高値104.75円を上値抵抗線とする。
(2)104.14円を上回るうちは上昇余地ありとし、24日深夜高値超えからは105円台序盤を目指すとみる。105円到達ではいったん売られやすいとみるが、24日夜安値割れ回避が続くうちは27日も高値試しを続けやすいとみる。
(3)104.14円割れからは103円台中盤への下落を想定する。103.50円以下は反騰注意とするが、24日夜安値を割り込んだ水準での推移なら27日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

11/26(木)
休場、米国(感謝祭)
09:30 (豪) 7-9月期 民間設備投資 前期比 (4-6月 -5.9%、予想 -1.5%)
14:00 (日) 9月 景気先行指数(CI)改定値 (速報 92.9)
14:00 (日) 9月 景気一致指数(CI)改定値 (速報 80.8)
16:00 (独) 12月 GFK消費者信頼感 (11月 -3.1、予想 -5.0)
21:00 (メ) 7-9月期 GDP確定値 前期比 (速報 12.0%)
21:00 (メ) 7-9月期 GDP確定値 前年同期比 (速報 -8.6%)

11/27(金)
米国 ブラックフライデー、株式、債券市場は短縮取引
08:30 (日) 11月 東京都区部消費者物価指数・生鮮食料品除く 前年同月比 (10月 -0.5%、予想 -0.6%)
16:00 (独) 10月 輸入物価指数 前月比 (9月 0.3%、予想 0.1%)
16:00 (独) 10月 輸入物価指数 前年同月比 (9月 -4.3%、予想 -4.1%)
16:45 (仏) 7-9月期 GDP改定値 前期比 (速報 18.2%、予想 18.2%)
19:00 (欧) 11月 経済信頼感 (10月 90.9、予想 86.0)


注:ポイント要約は編集部

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