トルコリラ週報:『サプライズ据え置きでリラ売り再開。史上最安値を再び更新』(10/24朝)

トルコリラの対円相場は、6/3に記録した約1ヵ月半ぶり高値16.26円をトップに反落に転じると、今週後半にかけて、史上最安値となる13.10円まで急落しました。

トルコリラ週報:『サプライズ据え置きでリラ売り再開。史上最安値を再び更新』(10/24朝)

サプライズ据え置きでリラ売り再開。史上最安値を再び更新

〇トルコリラリスク選好の円売り、中銀利上げの思惑で13.46まで上昇
〇予想外の利上げ見送りで急落、13.10の史上最安値つける
〇トルコリラ円テクニカルファンダメンタルズともに一段の下落リスク警戒される
〇引き続き、トルコリラ円相場の続落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.30ー6.60

今週のレビュー(10/19−10/23)

今週のトルコリラ円相場は、週初13.28円で寄り付いた後、@株式市場の上昇を背景としたリスク選好の円売りムード(米追加景気対策期待の高まり)や、Aトルコ中銀が前回に続き2会合連続で利上げに踏み切るとの思惑が支援材料となり、10/22にかけて、週間高値13.46円まで上昇しました。しかし、ボリンジャーミッドバンドに続伸を阻まれると、B事前予想に反してトルコ中銀が政策金利を据え置いたこと(結果10.25%、予想120.00%、前回10.25%)や、Cアルメニアとアゼルバイジャンの対立激化に伴う地政学的リスク(停戦合意後も対立継続)、D米大統領選挙におけるバイデン氏優勢の報道(トルコに批判的なバイデン新大統領誕生リスク)が重石となり、週後半にかけて、史上最安値となる13.10円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、結局13.15円前後での越週となっております。

来週の見通し(10/26−10/30)

トルコリラの対円相場は、6/3に記録した約1ヵ月半ぶり高値16.26円をトップに反落に転じると、今週後半にかけて、史上最安値となる13.10円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転及びパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的に見て、「地合いの弱さ」を強く印象付けるチャート形状となっております。

ファンダメンルズ的に見ても、@トルコ経済の先行き不透明感や、A外貨準備急減を受けたリラ安防衛能力への不信感(2019年末から半減)、B対外収支の悪化懸念、C実質金利のマイナス継続、D米国・ロシア・NATO同盟国との関係悪化懸念(着々と広がる反トルコ包囲網)、Eトルコを巡る地政学的リスクの高まり(アゼルバイジャンとアルメニア、トルコとギリシャの衝突再開リスクなど)、F新型コロナウイルス感染拡大リスク、G米大統領選を巡る先行き不透明感(トルコに批判的なバイデン氏の優勢が報じられればトルコリラの重石に)など、トルコリラ売りを想起させる懸念材料は今尚山積みの状態です。

以上の通り、トルコリラ円相場は、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも、「一段の下落リスク」が警戒されます。トルコ経済の先行き不透明感や、外貨準備の急減リスク、地政学的リスクの高まり、米大統領選を巡る不確実性(トルコに批判的なバイデン氏優勢の展開)が重石になると見られ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の続落(史上最安値を更新し続ける展開)をメインシナリオとして予想いたします(節目13.00円割れを試す展開を想定。尚、10/28及び10/29はトルコの祝日)。

来週の予想レンジ(TRYJPY):12.95ー13.35

注:ポイント要約は編集部

サプライズ据え置きでリラ売り再開。史上最安値を再び更新

トルコ円日足

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