交渉実質延長の米経済支援協議の行方注視(10/21夕)

21日の東京市場は、ドルが冴えない。大きくはレンジ内だが、終盤にかけて下げ幅を拡大させている。

交渉実質延長の米経済支援協議の行方注視(10/21夕)

交渉実質延長の米経済支援協議の行方注視

〇ドル円、105.40を割り込むと夕方にかけじり安推移
〇トランプ大統領、中国やウクライナから献金疑惑のバイデン氏を「犯罪者」と発言
〇NYタイムズ「トランプ氏の中国での銀行口座保有が発覚」と報道
〇新戦略兵器削減条約、ロシアは米国同調なら「核弾頭の保有数を凍結する用意がある」
〇米新型コロナ経済支援は本日ペロシ氏設定の「協議期限」、動静に注意
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ104.60-105.50

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場は、ドルが冴えない。大きくはレンジ内だが、終盤にかけて下げ幅を拡大させている。

ドル/円は105.40-45円で寄り付いたのち、日米株価の動きなどをにらみつつ、しばらくは底堅く推移。105.40円レベルでは下げ渋ったが、割り込むと夕方にかけじり安推移となった。105.20円前後まで値を下げている。16時現在、ドル/円は日中安値圏の105.20-25円で推移し、欧米時間を迎えていた。
そうしたなか、ドルは対円以外でも売りが先行する展開で、ユーロ/ドルは9月21日以来となるユーロ高値1.1860ドル台を一時示現している。

一方、材料的に注視されていたものは、「米大統領選の行方」と「ロシア情勢」について。
前者は、22日に予定されている「両候補の公開討論会」を前に、ともに発言が過激になるばかりか、様々な報道なども観測されている。前者でいえば、トランプ大統領が中国やウクライナからの献金疑惑が浮上しているバイデン氏を、「犯罪者」と呼んだうえで、バー司法長官へ「迅速な捜査を求める」と発言していた。それに対し、NYタイムズが「納税記録からトランプ氏が中国での銀行口座保有が発覚」などと報道。22日の討論会でも俎上に上りそうだ。

対して後者は、英米が「ロシア軍情報機関が、東京五輪・パラリンピックのサイバー攻撃に関与していた」と非難したことを、ロシア政府が否定。その一方で、ロシアは「新戦略兵器削減条約(新START)」を1年間延長するための策として、「米国が同様の措置を取る場合は核弾頭の保有数を凍結する用意がある」と表明したことが話題となっていた。ちなみにこの提案について、米国務省報道官は「ロシアの意欲を高く評価する」としたうえで、検証会合を開く用意があるとの考えを述べている。

<< 欧米市場の見通し >>

新型コロナの感染拡大はいまだ衰えない。それどころか、一部の欧州などでは、むしろ第2波あるいは第3波とみられる猛威を振るっている状況だ。ワクチン開発をめぐるニュースを含め、続報などには引き続き注意を払いたい。そうしたなか、進展があまりみられなかった「米国の新型コロナ経済支援協議の行方」について、ここのところ楽観的な発言が多くなっていることが注視されている。本日もムニューシン財務長官とペロシ下院議長による協議が実施される見込みであるだけに、期待感を抱く向きも少なくない。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「ベラルーシ情勢」、「トルコ情勢」など注目要因は依然として目白押し。本日も様々な要因が取り沙汰されるなか、前述したムニューシン氏とペロシ氏による「米国の新型コロナ経済支援協議」は、本日も様々な要因が取り沙汰されるなか、前述したムニューシン氏とペロシ氏による「米国の新型コロナ経済支援協議」は、昨20日がペロシ氏設定の一応の「協議期限」にあたっていた。それが過ぎたものの、ペロシ氏などから「今週中に合意がまとまるとの希望を失っていない」といった発言も聞かれ、期限は実質延長された格好だ。首の皮一枚繋がった格好と言えそうだが、時間はそれほど多く残されていない。動静には引き続き要注意。

テクニカルに見た場合、昨日欧米時間に105.75円まで値を上げ、過去1週間程度という小レンジの上限を超えたものの、結果として回帰。ドルの上値トライは失敗に終わったばかりか、むしろ足もとは105円前半へと値を崩しており、今度は105円前後という小レンジの下限割れを視界内に捉えている。このままドルが続落するか否かにまずは注目。仮に下回ると、下げ足に弾みがつきかねないかもしれない。

一方、本日の材料としては、週間ベースのMBA住宅ローン申請指数といった米経済指標が発表される予定となっているものの、市場の関心は低く、影響も基本的には限られそうだ。ただ、発表される見込みの米地区連銀報告や、米財務省による20年債の入札、あるいは本日も相次ぐ欧米要人による講演などの発言機会には大いに注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.60-105.50円。ここ数日間、絡む動きをたどっていたが、本日は上値をしっかりと抑えられている移動平均の21日線(105円半ば)をめぐる攻防が注視されている。なお、21日線はずっと右肩下がりをたどっていたが、14日にボトムを付けると再び上昇傾向に。今後ドルの上値抑制要因となることもありそうだ。
対するドル安・円高方向は、14日安値の105.04円や月間安値104.95円などが下値メドとして意識されている。また、割り込んだ場合には9月安値104円ちょうどを起点としたフィボナッチを参考に104.80円や104円半ばがターゲットとなりそう。

交渉実質延長の米経済支援協議の行方注視

ドル円日足


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