豪州中銀議事要旨(20/10/20)

2020年10月20日公表:理事会は10月6日開催分

豪州中銀議事要旨(20/10/20)

豪州中銀議事要旨(2020年10月20日公表:理事会は10月6日開催分)

(出所:豪州中銀HPから)

今回の議事要旨は追加緩和に関する議論をしているものの、内容的には前回と大差ないものになっています。議事録公表後の豪ドル米ドルも小動きとなりました。

(議事要旨)

(金融政策について)
政策の決定を考えるにあたり、メンバー達は世界経済が緩やかに回復しているものの、ほとんどの経済圏がパンデミック前のGDP水準からはまだもがいていることを認めた。回復の継続性はウィルス抑制の状況如何である。最も回復したのは中国である。過去数ヶ月で確りと改善した。世界的に見て、インフレは非常に低く、中銀目標値以下となっている。

豪州経済は1930年代以降では最も大きいマイナス経済を経験した。にも関わらず、6月末期のGDP下落は他のどの国よりも低く、予想よりも小さかった。ビクトリア州でのコロナウィルスの第2波が同州経済に大きな影響を与え活動制限を引き起こしたものの、その回復は豪州内のほとんどの地域で継続中である。労働市場はここ数ヶ月で幾分改善した。失業率は予想したよりも低い水準でのピークであった。それでも、失業率や不完全雇用は、その後の期間で高止まりしている。おそらく回復はゆっくりとでこぼこしたものになろう。インフレは暫く低いままが予想される。

メンバーは、理事会の政策パッケージが、非常に低い借入コストと家計や企業への信用供与により、豪州経済を下支え続けていることに同意した。豪州金融システムは非常に高いレベルの流動性があり、政策パッケージは借入コストの低減に役立っている。公認金融機関がTerm Funding Facilityを通じて830億豪ドルを引出し、更にそのFacility下で追加の1140億豪ドルに関与している。

先月までに、中銀は3年債イールドを25ベーシスにする目標のため、AGS(豪州政府債)を購入した。
国債市場は効果的に運用されているし、この期間の国債発行が著しく増加している。
メンバー達は豪州の公的部門のバランスシートが非常に強いことを確認した。(一部略)メンバー達は、経済見通しや高失業率の側面がある間では、暫く財政と金融支援が求められていると考えている。

理事会は雇用や全般的な経済を下支えするための追加緩和のケースについて議論した。前回の会合では、メンバー達はキャッシュレートや3年債イールド目標値をゼロ…マイナスではなく、かつイールドに沿って一段の債券購入はせず…に向けての引き下げに関するオプションについて議論した。これらのオプションは豪州内での金融緩和状態に一段の効果を持つだろう。

一段の金融政策実施を考えるに、メンバー達は、イールドカーブや為替を通じて、海外での金融政策の進展や豪州内での金融市場への密接な関わり合いについて議論した。メンバー達は他国中銀のより大きなバランスシート拡大が、豪州債よりも大多数の先進国経済における外債のイールドをより低くしていることを確認した。メンバー達は豪州ドルの為替レートに対する密接な関わり合いを議論した。

メンバー達は一段の金融緩和がより良い経済成果を得るにどの位牽引してくれるのかを議論した。一層の緩和の伝達は経済活動の制限が行われた場合に損なわれるが、経済が開かれれば、一段の緩和が以前のケースよりは得るものがあると想定することは理に適っていると考えている。メンバー達はより低金利の効果がコミュニティー間の信頼や金利収入に依存している人々についても考慮に入れた。
(一部略)

また、理事会はキャッシュレートに関わるフォワードガイダンスについても考慮した。最近数ヶ月、理事会は「完全雇用がなされ、インフレが2〜3%の目標バンド内になると確信できる進展があるまでは利上げしない」と確認した。現環境下でインフレに関して高い不確実性がある場合、理事会は、意思決定する際、予見なしに、実際のインフレにより重きを置くことで合意した。(一部略)

理事会は豪州内の雇用、収入そして企業を支える約束を確認した。9月にTerm Funding Facilityの拡大の決定を含めた行動は、借入コストを低く抑え続け、信用供与を手助けすることである。今後経済が一層開かれ、雇用を支えるに追加緩和をどうするのか考慮することが求められるまでは現行の高度な緩和政策を維持することで合意した。
(以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

下図は豪ドル米ドルの日足チャートです。A(=0.7630)とB(0.7320)の豪ドル高トレンドラインは既に下抜き、豪はドル弱い状態でしたが、流れはダブルトップのC(=0.7200)の抵抗線から下したD(=0.6880)のレンジ内にあります。当面はこのレンジ間での動きになりますが、CとD内にあるサポートE(=0.7170)を切ったことで、目先はダブルボトムのF(=0.7010)が目先のサポートになります。従いまして、まずはCとFのレンジ0.7010〜0.7200が想定されます。もしFを切った場合には豪ドル安トレンドラインのDが視野に入ってきます。

豪州中銀議事要旨(2020年10月20日公表:理事会は10月6日開催分)

(2020年10月20日14時14分、1豪ドル=0.7044米ドル)

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