今週も105円台でのもみあい継続(週報10月第3週)

先週のドル円は、一週間のレンジは60銭に留まり方向感がはっきりしないままの一週間となりました。

今週も105円台でのもみあい継続(週報10月第3週)

今週も105円台でのもみあい継続

〇先週のドル円、一週間のレンジ60銭で方向感はっきりせず
〇今週はベージュブックと大統領選TV討論会に注目
〇今の金融市場はバイデン新大統領就任を織り込んだ動き
〇テクニカルには105円は買い、106円は売りという流れが今週も続く
〇今週は105.10レベルをサポートに105.90レベルをレジスタンスとする流れ

今週の週間見通し

先週のドル円ですが週前半は前週106円台の上値の重さが意識されて売りが先行、週半ばに週間安値となる105.04レベルの安値をつけたものの105円の大台割れにはまだドル買いオーダーが残っていることから短期筋はすかさず買い戻しに動き、週後半は逆に安値を切り上げながら買い戻される動きが目立ちました。しかし、一週間のレンジは60銭に留まり方向感がはっきりしないままの一週間となりました。

イベント的には米国大統領選のTV討論会が中止され、週後半には英国が定めた協議期限やEUサミットと欧州通貨の材料が多かったことも重なって蚊帳の外状態でしたが、今週も方向感が出てくるものがあるのかというと、それほど目立ったものもなくドル円に影響が出そうなものはベージュブック(米地区連銀経済報告)と大統領選TV討論会といったところです。ただ、これらにしても日々発表される経済指標や発言にしても現在のドル円に方向感を与えるほどのインパクトも無く、日替わりで動きが出てくる程度でしょう。

日柄的には10月14日から11月4日までは上下に振れやすくボラティリティの上昇が見込まれるのですが、今のところはこれといった動きは見られません。特に本日19日までが最も動きやすい時間帯となっているにも関わらず、この状態ですと今週もあまり期待できそうもないでしょう。

大統領選に向けてのTV討論会は、前回のようなカオスは繰り返して欲しくはありませんが、9月29日の第1回討論会と10月2日のトランプ大統領新型コロナ感染で、バイデン前副大統領に一層リードを拡げられていることは先週のコラムでも書いた通りですが、今週の討論会(日本時間金曜10時から)で、仮にトランプ大統領がいいところを見せられたとしても投票日までに逆転することは難しそうで、今の金融市場はバイデン新大統領就任を織り込んだ動きと言えます。

このこともまた材料出尽くしに似た状況を作っていて、果たしてドル円を動かす材料は何なのか、インターバンクディーラーも含めて悩ましい状況は続きそうですが、逆にもみあい前提で買い下がりと売り上がりとを組み合わせるリピート系はワークしているため、本邦個人投資家のこうしたもみあい前提のポジションだと一段と傾いてこないと動きは出にくいのか、と個人的には現状はやや諦め気味です。

テクニカルにはどうでしょうか、まず今朝アップした到達確率チャートを再度ご覧ください。

今週も105円台でのもみあい継続

ザラバベースでは週後半のトライアングル(三角もちあい、ピンクの細線)を上抜けたことで水色の点線で示した逆ヘッド&ショルダー型の反転パターンを形成しているように見え、おそらく週初はドル買いが先行しやすいという流れが考えられます。

しかし、長めに見ると全く異なる景色が見えてきます。日足チャートをご覧ください。

ドル円(日足)チャート

ドル円(日足)チャート

※このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

これまでも重視してきた7月高値と8月下旬高値を結んだレジスタンスライン(ピンクの太線)が10月高値でもレジスタンスとして効いたことで、このライン(現在105.90水準を下降中)を明確に上抜けするまでは長い目で見るとドル円は下方向を考えざるを得ません。

いっぽうで9月安値と10月高値の半値押し(青のターゲット)が105.06となっていて、先週の安値もほぼこのターゲットで止められました。テクニカルにも105円は買い、106円は売りという流れが今週も続くと考えざるを得ません。今週ももみあいを継続しやすいと見て、上述のターゲットから105.10レベルをサポートに105.90レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2020年FOMCメンバー(ニューヨーク、フィラデルフィア、クリーブランド、ミネアポリス、ダラス)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。

10月19日(月)
08:01 英国10月住宅価格
08:50 本邦9月貿易収支(通関)
11:00 中国7〜9月期GDP
11:00 中国9月小売売上高、鉱工業生産
18:00 ユーロ圏8月建設支出
21:45 ラガルドECB総裁講演
23:00 米国10月NAHB住宅市場指数
27:20 (アトランタ連銀総裁講演)
28:00 フィラデルフィア連銀総裁講演

10月20日(火)
9:30 豪中銀理事会議事要旨公表
15:00 ドイツ9月PPI
17:00 ユーロ圏8月経常収支
21:30 米国9月住宅着工・建築許可件数
22:00 NY連銀総裁講演
26:00 (シカゴ連銀総裁講演)

10月21日(水)
15:00 英国9月CPI・PPI
23:00 クリーブランド連銀総裁講演
23:30 週間原油在庫統計
27:00 ベージュブック

10月22日(木)
15:00 ドイツ11月GFK消費者信頼感
15:45 フランス10月企業景況感
18:25 英中銀総裁講演
20:00 トルコ中銀政策金利発表
21:30 米国新規失業保険申請数
23:00 ユーロ圏10月消費者信頼感速報値
23:00 米国9月景気先行指数
23:00 米国9月中古住宅販売

10月23日(金)
06:45 NZ7〜9月期CPI
08:01 英国10月GFK消費者信頼感
08:30 本邦9月CPI
10:00 米大統領選TV討論会
15:00 英国9月小売売上高
16:15 フランス10月製造業・サービス業PMI速報値
16:30 ドイツ10月製造業・サービス業PMI速報値
17:00 ユーロ圏10月製造業・サービス業PMI速報値
17:30 英国10月製造業・サービス業PMI速報値
22:45 米国10月製造業・サービス業PMI速報値

10月25日(日)
 **:** 欧州冬時間移行

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

10月12日(月)
週明けのドル円は若干のギャップアップを伴いドル高水準でスタートしたもののすぐに週末終値水準へ通し、逆に早朝に買った向きのストップも巻き込みながら東京昼過ぎには105.43レベルまで売られました。欧州市場序盤には一時的に買い戻しも見られたものの戻り売りが根強くNY昼前には105.24レベルの安値をつけ、引けまで安値圏での取引が続きました。

10月13日(火)
ドル円は前日の下げに対してのポジション調整から東京、欧州とドル買い戻しが目立ちました。NY市場に入ると105.63レベルの戻し高値をつけたものの週初の水準では売りも出たこと、ユーロが対ドル対円で下げたことからやや押して引けました。

10月14日(水)
ドル円は東京市場では105円台半ばから前半での狭い値幅でのもみあいとなっていましたが、上値の重たい流れが続きました。欧州市場に入りEUと英国との協議継続の可能性を英国が示したことからポンドとユーロが急反発する動きに若干遅れてドル円でもドル売りとなりました。NY昼前には105.04レベルの安値をつけ、若干戻して引けました。

10月15日(木)
ドル円は前日の買い戻しが先行していたものの値動きは鈍くややポジション調整が出ている程度の動きが続きました。欧州市場に入りユーロが下げ始め前日安値を下抜けるとドル円も遅れてドル買いの動きとなりNY市場後場には105.48レベルの高値をつけたものの週初からの高値を切り下げる動きに変化は出ませんでした105円台前半は底堅いものの、上値も着実に下げて来てきているという動きでした。

10月16日(金)
東京市場のドル円は株安とともに下げが先行、昼過ぎには105.19レベルの安値をつけました。欧州市場ではもみあいを続けNY市場では買い戻しと基本的に株価に沿った値動きを続けましたが、終日レンジは25銭に留まり方向感がはっきりしないままの週末クローズとなりました。

ディスクレーマー

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