米FOMCに注目、メンバー発言などへの警戒も(9/16夕)

16日の東京市場は、ドルが小安い。値幅は20ポイントにも満たないものだったが、その中でドルは一時105.25円まで値を下げ、8月28日以来の安値をつけた。

米FOMCに注目、メンバー発言などへの警戒も(9/16夕)

米FOMCに注目、メンバー発言などへの警戒も

〇ドル円、一時105.25まで値を下げ、8月28日以来の安値に
〇菅新首相が正式誕生となるも、影響は限定的
〇WTO「米国による対中関税は貿易ルール違反」との判断に、中国「歓迎の意」、米国強く反発
〇本日は、FOMC結果発表とFRB議長講演に注目
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.00-105.90

<< 東京市場の動き >>

16日の東京市場は、ドルが小安い。値幅は20ポイントにも満たないものだったが、その中でドルは一時105.25円まで値を下げ、8月28日以来の安値をつけた。

ドル/円は105.35円前後で寄り付いたものの、本日も積極的な動意には欠ける展開。午後に菅新首相が正式誕生となったが、主要閣僚人事がほぼ内定済みとあって、影響は限定的なものにとどまっている。いわゆる「ご祝儀買い」などもなく、オープンレベルを挟んで上下10ポイント、105.25-45円の一進一退をたどると、16時現在では105.30-35円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、先週末11日にムーディーズから格下げを受けたトルコの通貨リラは、いまだ浮上できず。対円では低位揉み合いで、フシ目の14円を「しっかり」割り込めるか否かが注視されていたようだ。

一方、材料的に注視されていたものは、「日本の政局」と「米中貿易問題」について。
前者は、前述したように、本日の東京午後に菅新首相が正式誕生したわけだが、そこに至るまでに「党4役」など主要な自民党人事だけでなく、閣僚人事もほぼ決定されていた。メディアによる複数報道では、「新たな官房長官には加藤厚労相が就任する公算が大きい」とされるが、そのほかは再任あるいは横滑りが多い印象。たとえば、麻生財務相や茂木外相、西村経済再生相は再任、防衛相だった河野氏は当初総務相への配置換えとされたものの、結局行革担当相で落ち着く見込みだ。

対して後者は、世界貿易機関(WTO)が、「米国による対中関税は貿易ルール違反」との判断を示し話題に。それを受け、中国サイドは当然「歓迎の意」を示したが、米国側は強く反発。米USTR代表が「法的拘束力を持つ中国の新たな取り組みを含め、米中間の合意に影響を及ぼすことはない」と発言したことに加え、トランプ米大統領からも「WHOには何らかの措置をとる。彼らは中国に好き放題やらせている」としたコメントが聞かれていた。

<< 欧米市場の見通し >>

「日本の政局」が引き続き注目材料のひとつではあるが、菅新首相ならびに新内閣が事実上誕生したことで、しばらくは安定か。基本的に、菅新首相は安倍前首相の政策を継続させると言われているものの、実際はどうなのか、まずは新首相の手腕などをしっかりと見極めたいところだ。そうしたなか、本日のNY時間には米FOMCによる金融政策の発表やFRB議長の講演が実施され、目先的にはそちらに関心が移行している感も否めない。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「日本の政局、菅新首相誕生にともなう動き」、「ベラルーシ情勢」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、さらに「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」も市場の注目を集めはじめている。本日はNYタイムに予定されている米FOMCによる金融政策の発表やFRB議長の講演がとくに注視されており、金融政策の新たな方針や今後の見通しでどのような言及がなされるかに要注意だ。また、今回は別途FOMCメンバーによる金利見通し、経済予測などの発表も予定されており、そちらを波乱要因として警戒する声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、先日、過去2週間程度ドルのサポートになっていた105.79円を割り込んだことに続き、ドルはさらに続落。本日東京では105.25円レベルまで値を下げている。それでもまだ8月以降1ヵ月半にもおよぶレンジ内にはとどまっているものの、底割れを期待する声もチラホラ聞かれ始めた。東京安値105.25円レベル、ならびに105.20円や105.10円における攻防をしっかりと注視したい。

一方、本日は、8月の小売売上高や9月のNAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表される予定となっている。もちろん、それらは要注意だが、本日はFOMCの結果が発表されることを考えると、基本的に影響は限られそうだ。
なお、現地報道では、対米外国投資委員会が現地時間15日午後に会合を開き、「TikTok(ティックトック)の米国事業とオラクルの提携案を国家安全保障上の観点から審査する」とされている。トランプ氏が示した交渉期限は20日だが、取り敢えずどんな判断がなされるのかを注視している向きも少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.00-105.90円。昨日高値にあたる105.81円レベルが最初の抵抗で、抜ければ移動平均の21日線も位置する106円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる105.25円レベルの攻防にまずは注目。ただ、下回っても105.20円、105.10円など105円前半にはサポートも多い。底堅いイメージだが、果たして!?

米FOMCに注目、メンバー発言などへの警戒も

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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