次の材料にらみつつ、基本はレンジ継続か(8/24夕)

週明け24日の東京市場は、ドルが小じっかり。30ポイントにも満たないレンジ取引だったが、そのなかでドルは底堅く推移した。

次の材料にらみつつ、基本はレンジ継続か(8/24夕)

次の材料にらみつつ、基本はレンジ継続か

〇ドル円、105.70-75で寄り付きレンジ内で乱高下、105.70-95で底堅く推移
〇対イラン制裁で米国の孤立鮮明、制裁復活手続き着手も安保理13理事国が「無効」主張
〇安倍首相が追加で検査、体調関係の続報に一応注意を
〇本日から開始の米国共和党大会の行方に注視
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.40-106.30

<< 東京市場の動き >>

週明け24日の東京市場は、ドルが小じっかり。30ポイントにも満たないレンジ取引だったが、そのなかでドルは底堅く推移した。

先週末、11月の米大統領選をにらんだトランプ氏とバイデン氏の舌戦が観測されていた。たとえば、バイデン氏がトランプ政権下の現状を「暗黒のとき」と批判したことに対し、トランプ氏は「米史上、もっとも成功しているとき」と反論。さらに、「バイデン氏勝利なら米国は混乱に陥る」などとも皮肉っていたという。
そうした状況下、ドル/円は105.70-75円で寄り付いたのち、レンジ内での乱高下。105.70-95円といったなかで、ドルは底堅く推移している。早朝から「安倍首相が17日に続く病院の再訪を調整中」といった報道が観測され、その後実際に病院を受診したことが明らかになったことで、再び健康不安説なども一部で広まったが影響は限られた。16時現在では105.80-85円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「イラン制裁」と「米中の対立」について。
前者は、米国が国連安保理の対イラン制裁を復活させる手続きに着手したことをめぐるなか、ロイターが「安保理15理事国中、13理事国が書簡で米国の手続きを『無効』と主張」と報じたほか、EUは合意に署名した国のうち米国を除く6ヵ国会合を、9月1日にオーストリアの首都ウィーンで開くと発表している。「米包囲網」と言ってもよい動きで、米国が孤立状態に陥っている感も否めない。

対して後者は、先週末にかけて広まった「米中通商協議再開」期待だったが、週末はとくに進展なし。ただ、米国務長官から「中国は第1段階の合意順守を約束している」との発言とともに、「米製品の購入だけではなく、はるかに多くの義務があることを忘れてはならない」といった追加コメントも聞かれていたようだ。なお、そののちFOXニュースは、トランプ発言を伝えたが、それは「中国とのビジネスはしなくてもいい」と述べたのち、「彼らが我々に適切に対応しなければ、わたしは確実にデカップリング(分断、分離)をするだろう」といった内容だった。

<< 欧米市場の見通し >>

今週一週間を通して注目されている材料は、「ジャクソンホール会合」と「米共和党大会」。後者については、先で取り上げた「イラン制裁」や「中国との対立」と絡めた発言などについても注視している向きが少なくない。支持率アップをにらみ、突っ込んだ内容が示される可能性も取り沙汰されていた。そうした状況下、目先市場の注目を集めているのが「安倍首相の体調」について。27日に予定されていた「首相在任期間最長を祝う会」も延期されるなど、確かに気掛かりな点もないとは言えない為、続報などにも一応要注意。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、ここにきて「安倍首相の健康不安説」と「ベラルーシ情勢」も新規要因として注目を集めはじめている。そうしたなか、トランプ氏の大統領指名受諾演説は27日が予定されているが、本日24日から始まる共和党大会の行方も大いに注視されているようだ。先週末にはトランプ氏だけでなく、ペンス副大統領からも「民主党が描く米国のビジョンは経済を崩壊させ、一段の暴力につながる政策を促進させる」などといった発言が聞かれており、大会期間中は同様の発言が続く可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は月初から続く105-107円という2円レンジに依然としてとどまっている。それも本稿執筆時は105.80-90円とほぼ中間地点に位置、もっとも居心地の良いレベルで推移していた。いずれにしても、明確な方向性は乏しいと言わざるを得ず、まずは足もとのボックス圏をどちらに抜けていくのか、その方向性とブレークのタイミングに注意を払いたい。

本日は、7月のシカゴ連銀全米活動指数といった米経済指標が発表される見込みとなっている。注目度が極端に低いという指標ではないが、今週は27日に「ジャクソンホール会合」におけるハウエルFRB議長の講演、トランプ氏による米大統領の指名受諾演説という2つの重要イベントが予定されていることから、基本的にはそれら待ちか。次の材料をにらみつつも一過性の変動までは否定できないが、それでもレンジ内にとどまるとの見方が有力だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.40-106.30円。8月以降はザックリ105-107円のレンジを形成しているが、短期的、ここ1週間程度で見た場合には106.21円が抵抗として寄与している感。まずは同レベルをめぐる攻防に要注意だ。
対するドル安・円高方向は、先週末安値の105.45円が最初のサポートで、割り込めば前回安値105.10円がターゲットになる。

次の材料にらみつつ、基本はレンジ継続か

ドル円は日足

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