ユーロドル1.17台 東京時間にじり安推移後、欧州時間に反発(8/12夕)

12日の東京市場でユーロドルは1.17台前半でもみ合い。

ユーロドル1.17台 東京時間にじり安推移後、欧州時間に反発(8/12夕)

ユーロドル1.17台 東京時間にじり安推移後、欧州時間に反発

〇ユーロドル1.17台で乱高下、やや下値を広げるも夕刻以降は上昇に転じる
〇ロシアのコロナワクチン承認はやや材料として消化不足か
〇テクニカルには転換線、21日平均線の間での取引継続
〇今晩発表の米7月CPIに注目

12日の東京市場でユーロドルは1.17台前半でもみ合い。昼過ぎまでは上値が重くじり安に推移し、一時昨日の安値を下回る1.1711の安値をつけましたが、夕刻ユーロ買いが強まり、東京時間19:30現在は1.1769レベルでの取引です。
昨晩は欧州時間からNYK時間にかけZEW景気期待指数の好調を受けユーロが上昇、一時1.1809の高値をつけました。しかし、その後発表された米国の8月の生産者物価指数が前年比-0.4%と予想以上の改善を見せたことで米長期金利が上昇、ドル買いが強まりユーロドルは1.17台前半まで押し戻されて東京時間を迎えました。

昨日伝えられたロシアのワクチン承認のニュースは、市場では今のところやや懐疑的な受け止められ方をされており、リスク選好に目立った寄与はしていません。
モスクワのロシアの優位性と先進性を強調して「スプートニクV」と名付けられたこのワクチンについては、最終段階の臨床試験を省略していること、また、安全性や免疫データが公開されておらず外部の独立した科学者による検証が不可能であることから、欧米の保健当局からは実験の精度とワクチンの安全性に疑問が呈されており、ロシア内部でもモスクワの臨床試験組織協会が保健省に対し使用認可を延期するよう求めていると報じられています。
通常の手順を省略して承認されたとみられるこのワクチンは今月末にもロシアの医療関係者に、次いで教師に投与され、10月には大規模な接種が行われる見込みとのこと。
ワクチンの信頼性や倫理的な側面には問題無しとはしないものの、金融市場的には予想より早期のワクチンの承認と大規模投入はリスク選好(=ドル売りユーロ買い)につながる可能性が高く、今後の市場の材料消化状況を見極める必要がありそうです。

テクニカルにはユーロドルは引き続き転換線(本日1.1806レベル)と 21日移動平均線(同1.1677レベル)の間で推移。4日連続で下値を切り下げる形となっており、ややユーロ買い地合いが弱まる形となっています。序盤の欧州株価指数先物は、まちまち。
今晩この後は21:30に 米7月消費者物価指数の発表があり、昨日生産者物価指数で動いた後だけに注目されます。

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