基本はレンジ継続か、米雇用指標を注視(8/5夕)

5日の東京市場は、引き続きレンジ取引。105円台後半、30ポイント程度の変動にとどまるなど、明確な方向性は引き続き乏しい。

基本はレンジ継続か、米雇用指標を注視(8/5夕)

基本はレンジ継続か、米雇用指標を注視

〇ドル円、105円台後半、30ポイント程度の変動で方向性乏しい
〇TikTokの米事業売却報道など、米中対立続く
〇トランプ「コロナ」「7月米雇用統計」「レバノン大規模爆発」について注目発言
〇本日7月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数発表
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.30-106.30

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5日の東京市場は、引き続きレンジ取引。105円台後半、30ポイント程度の変動にとどまるなど、明確な方向性は引き続き乏しい。

ドル/円は105.65-70円で寄り付いたのち、日中高値の105.80円レベルまで一時じり高推移となったがドル買いも続かず。105.50-55円まで値を戻すなど、結局30ポイント弱のレンジ内から逸脱することはできなかった。日米株価や金利の動きに注目し、一喜一憂するも決め手に欠け、しっかりとした方向性を見出すまでには至っていない。16時現在では寄り付きに近い105.70-75円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「TikTokをめぐる動き」と「トランプ発言」について。
前者は、動画共有アプリTikTokをめぐり情報が錯そう。日経新聞は「中国政府の反発、ファーウェイほど激しくなく比較的冷静な反応」などと報じていたが、中国英字紙であるチャイナ・デーリーは論説で「中国政府、TikTok米事業の強制売却を認めない」と主張、対照的な見解を示していた。またロイターは、そのTikTokの親会社バイトダンスの創業者が「米国の目的はTikTokの事業売却でなく利用禁止にある」との見方を開陳していたと指摘している。なお、そうしたなかトランプ米大統領は、TikTokの米事業売却に絡み、見返りとして「米政府は売却資金の一部を支払いとして受け取るべき」と発言したことが、中国だけでなく米国内でも批判のマトになっていたという。

対して後者は、ニュースサイトであるアクシオスのインタビューで、トランプ氏は「コロナ感染は制御されている」との認識を示し、政策に自信を示したとされるほか、定例会見で「幾つかの州は政府主導で再開を早く進めるべき」、「金曜日、雇用に関して大きな数字がでる」、「レバノンの首都ベイルートで発生した大規模爆発は攻撃の可能性」などといったコメントを発しており、それぞれ思惑を呼んでいた。

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新型コロナに対する警戒感は依然として根強いものの、先物を含めた米株の動きなどを見る限り、金融市場関係者はそれほど強い危機意識を抱いていないのかもしれない。ただ、先で取り上げたトランプ発言のひとつ「金曜日、雇用に関して大きな数字がでる」は、当然、その日に発表される7月米雇用統計の好数字を示唆したものと受け取れるが、発言で市場筋のハードルが上がっただけに、期待を裏切るものになるようだと、再びドル売りが進行する展開をたどる可能性もありそうだ。そうした意味において、本日発表される7月のADP雇用統計にも一応要注意。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それら数ある要因のなかでも、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。また、本日はADP雇用統計以外にも重要な経済指標の発表が予定されていることで、米ファンダメンタルズ要因にも注意を払いたい。そのほか、初めて2000ドルの大台を超えたNYゴールドや、資金流入が続くとされる暗号資産(仮想通貨)ビットコインの動きにも目を配っておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、先週一時104.19円までドル安が進行したのち、一転して上値を試す展開となり106円半ばへ。ただ、上値も抜けられず、短期的には上下ともレンジブレークを失敗した感が否めない。本日の東京時間を見る限り、狭ければ105.50-106.50円、もう少し広くとれば105.00-106.50円程度のレンジ取引を目先はたどることもありそう。次の方向性を探る展開か。

一方、本日は、7月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数といった米経済指標が発表される予定となっている。前述したように、米雇用指標であるADP雇用統計への関心が高いものの、ISM非製造業総合指数の内容も予断は許さない。
そのほか、黒田日銀総裁とイエレン前FRB議長が行う講演などを注視している向きも少なくないようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.30-106.30円。上方向は、昨日高値にあたる106.19円が最初の抵抗。上抜けると、移動平均の21日線も近い106.47円がターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京で示現した安値105円半ばが目先のサポートで、割り込んでも105.30円などがやはり弱いサポートとして意識されそう。それらを割り込んだ場合には105円割れも否定できないが、大崩れする展開は見込みにくいか。

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