コロナ懸念根強いが、米株高がドル下支えに(7/6夕)

週明け6日の東京市場は、ドルが小高い。レンジは決して広くなかったが、早朝を安値に緩やかなドル高が進行している。

コロナ懸念根強いが、米株高がドル下支えに(7/6夕)

コロナ懸念根強いが、米株高がドル下支えに

〇ドル円は日中、107.75-80円まで値を上げたのち、やや上げ渋るも底堅い。
〇居心地の良い107円台中心のレンジ取引で明確な方向性に乏しい
〇「米中対立」と「新型コロナの第2波への警戒」が注目材料
〇6月PMI確報、ISM非製造業景気指数等の米経済指標にも注目
〇欧米時間のドル円予想レンジ107.20-108.10

<< 東京市場の動き >>

週明け6日の東京市場は、ドルが小高い。レンジは決して広くなかったが、早朝を安値に緩やかなドル高が進行している。

先週末に、南シナ海を舞台にした米中のやり合いが観測されたほか、独立記念日を迎えた米国はコロナ禍にもかかわらず、トランプ大統領が祝いの花火大会を開催したことが話題に。後者については、見物客などに対しマスク着用を求めなかったこともあり、クラスター発生への懸念が取り沙汰されていた。
そうしたなか、取引が始まったドル/円はオープンレベルに近い107.40円前後を日中安値に、ドルがじり高推移。日米株価がともに堅調推移したことを好感、ドルも買い進められていた。107.75-80円まで値を上げたのちは、やや上げ渋るも底堅い。16時現在では107.65-70円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、南シナ海を舞台にした米中のやり取りが物議を醸す。米海軍が南シナ海に空母2隻を派遣し軍事演習を実施するなか、中国もほぼ同じタイミングに同海域で演習を行っていたという。また、中国は東シナ海と黄海でも演習を実施していたようで、軍事的な脅威がさらに増している感も否めない。そうしたなか、日本に対しては、「中国公船による沖縄・尖閣沖で過去最長30時間超の領海侵入」が確認され、抗議した日本政府に中国外務省の副報道局長が「尖閣諸島は中国固有の領土」としたうえで、「抗議は絶対に受け入れない」と発言したという。日中の対立が深化する可能性も。

対して後者は、中国が米国を中心にあちこちで争いを引き起こしていることに倣ってか、北朝鮮による同様の行動も目につく。先週末に、韓国の文大統領が「11月の米大統領選前の米朝首脳会談開催も」などと発言したことを受けてか、北朝鮮の崔第1外務次官は「米朝首脳会談は必要ない」と真っ向否定。また、日本に対しても、朝鮮中央通信が論評で「敵基地攻撃能力保有論を広めようとする姿勢を見せている」などと非難していた。ただ、その反面でロシアへは「改憲は国家の自主権と領土を守る。政治的安定に重要な意義を持つ」と全面的な支持を表明するなど、擦り寄る姿勢をうかがわせている。

<< 欧米市場の見通し >>

米国における「新型コロナの感染第2波」への懸念は根強く、実際にテキサス州やフロリダ州の一部では経済活動に制限が設けられたりしている。しかし、ここ最近発表される5、6月分の米経済指標は総じて良好。そんなファンダメンタルズに裏打ちされてか、NYダウなど米株も堅調推移が続いている。となると、ドルを積極的に売っていく要因には乏しいのかもしれない。感染がさらに広がり、都市の再封鎖などへと繋がることがなければ株高、ドル高の傾向が続く可能性もありそうだ。

材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「雇用を含めた米ファンダメンタルズ」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。また、本日は6月のISM非製造業景気指数など発表される米経済指標にも一応要注意。良好な内容の米指標が発表されての株高、ドル高を予想する声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、居心地の良い107円台を中心としたレンジ取引で、明確な方向性は乏しい。実際、先週末からの直近1週間ほどは107.33-108.16円レンジで、1円も動いていない計算だ。まずは、そんな足もとのボックス圏をどちらに、そして如何にして抜けていくのか、その方向性が注視されている。

本日は、6月の総合PMI確報や、同ISM非製造業景気指数といった米経済指標が発表される予定となっている。ちなみに、後者の予想値は50.0と前月(45.4)よりも改善見通しだが、実際の内容も米株高やドル買いを促すものとなるのか注目だ。
それを除くと材料にやや乏しいが、「一触即発」との報道もみられる南シナ海情勢、米中それぞれの軍事訓練をめぐる動きなども気掛かり。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.20-108.10円。上方向は、本日東京高値の107.70-75円の攻防にまずは注視。2日も107.70円台でドルの上値は抑制されており、思いのほか上値は重い可能性もある。ただ、超えれば108.16円や移動平均の200日線などが位置する108.40円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である107.40円レベルを含め、短期的には数回下げ止まっている107.30-40円が最初のサポートか。底堅いイメージだが、故に逆に下回ってしまうと下げが加速し、107円割れトライも。

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ドル円日足

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