ユーロドル底堅く推移　一時1.095台に上伸　(5/19夕)

〇19日東京市場でユーロは堅調推移
〇夕刻対ドルでは一時1.0950に乗せユーロ円は117.80を回復
〇昨晩独仏が提案した欧州復興基金設立でセンチメントが改善
〇5月ZEW景気期待指数が予想外に51.0に上昇したこともユーロをサポート
〇テクニカルにもユーロドルは一転して三角持ち合いの上放れを試す動き

19日の東京市場でユーロドルは堅調。昨晩海外市場で大きく上昇した流れを受けて1.0914レベルでアジア時間の取引が始まりましたが、日中一度も1.09を割り込むことなく推移しました。夕刻欧州勢参入後にはさらに上値を伸ばし、一時1.0953の高値をつけた後、東京時間18:00現在は1.0950レベルでの取引です。尚、ユーロ円はドル円での円安もあり夕刻117.80台を回復しています。

昨晩海外時間にドイツのメルケル首相とフランスのマクロン大統領は5,000憶ユーロ規模の欧州復興基金の設立を提案することで合意、記者会見を行いました。基金はEU加盟国の必要に応じ分配されるいっぽう、返済はEU予算の負担割合に固定されるとの説明がされています。独仏主導での基金設立提案をEU内の危機共有が図られたものとして市場は好感、折から米国でのワクチン開発報道で株価が大幅に上昇し、有事のドル買いの巻き戻しから1.08台半ばに上伸していたユーロドルは、この報道にさらに1.09台まで急伸しました。

本日日中、高値寄りした日経平均はプラス圏を維持したものの結局失速しましたが、米株価指数先物は終日堅調で一時一段高となり、夕刻のユーロドルを押し上げた形です。しかし、その後米株先物は反落、欧州主要株価指数も序盤全面安の様相となっていますが、ユーロドルは18:00発表の独5月のZEW景気遺体指数が予想外に51.0と50を上回ったこともあり堅調を維持しています。

テクニカルにはユーロドルは昨晩の上昇で21日線をクリア。三角持ち合いの下限を攻める動きから、一転上限を抜ける動きとなっています。現在の水準は1.0953の90日移動平均線、1.0963の一目均衡表の「雲」の下限に近く、一旦この水準では止まりそうですが、このレベルを抜けると次は1.1017の200日線をターゲットとする動きとなりそうです。一方下方向は抜けてきた21日線や転換線、基準線、が1.0850-70付近に集中してサポートに転じており、ユーロドルは昨日東京時間からは一転して上値試しとなっています。

今晩この後は21:30に米4月住宅着工件数及び建設許可件数、23:00にムニューシン財務長官とパウエルFRB議長の上院銀行委員会での議会証言が予定されています。