豪ドル/円、短・中期ともに弱気の流れは変わらず。
12日、WHOが新型コロナウィルスの感染拡大について「パンデミック」の状態であることを表明、また、トランプ政権もイギリスを除く欧州からの渡航を30日間停止することを発表しましたが、期待された財政支援策には言及がなかったことから、景気後退への懸念や失望感が拡がり、株式市場は連日の大暴落となりました。為替相場もリスクオフの動きが強まり、豪ドルは対米ドル、対円で続落する展開となりました。週末の13日も株価が大幅続落のスタートとなる中、豪ドル円は65円台前半まで下落しましたが、財務省高官が「必要があれば一体となって対応する」との発言や、前日にもFRBやECBが中央銀行が協力して大規模な資金供給計画を実行する用意があると表明していること、また13日にはカナダの医薬品会社がウィルスに有効な新薬を週末にも試す用意があるとの報道を受けて、株式相場が急反発、豪ドル円も66円台後半まで反発しています。為替市場はひとまず落ち着きを取り戻したかに見えますが、世界経済の先行きへの懸念が強く、来週以降も乱高下する可能性が高いと見られます。
チャートを見ると、日足は2/19に付けた74.47を直近高値として上値を急角度で切り下げる流れに変化が認められず、短期トレンドは弱い状態に変わりありませんが、74円台から既に10円の下落を見ており、豪ドル円の一相場の値幅には到達しています。一方で、70円割れから新たな下げトレンドに入った可能性が高いことから、新たなトレンドに入って日が浅く、大幅反発にも繋がり難いと見られます。短期トレンドは68円台に回復すれば下値リスクが若干後退しますが、70円台で越週するまでは下値リスクを残します。日足の上値抵抗は67.00-10、67.60-70に、下値抵抗は65.00-10、64.20-30にあります。21日、120日、200日移動平均線は71.40、73.84、73.87に位置しており、短期トレンドは“豪ドル弱気”の流れにあります。
一方直近の週足は、上ヒゲが長く実体の小さい陽線引けとなり上値トライに失敗した形で越週しています。今週はこの反動で週初から“マド”を開けたまま下落に転じており、大陰線となる可能性が高く、来週も一段の下落リスクに注意が必要です。70円台を回復して越週しない限り、トレンドは変化しません。週足の上値抵抗は68.00-10、69.00-10に、下値抵抗は63.90-00、62.10-20にあります。31週、62週移動平均線は73.40と75.25に位置しており、これらを大きく下抜けており、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに変わりありません。
豪ドル/円【週足】:3/12現在31週移動平均線は73.40に、62週線は75.25にあり、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れにある。
注)当社のテクニカル分析は東京オープンから〜NY終了時までの数値をベースとして使用しております。
オーダー/ポジション状況
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